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333 魔法学園の落第生は同じく落ちこぼれの彼と落第生の道を突き進む

「…う、うぅー………

………はっ!

(………)

ううー。やっぱりダメかー…

………

………あ。

てへへ。恥ずかしいところ見られちゃったな。

………

…うん。こっちは魔法実技の居残り。

50回ちゃんと火の玉が出せるまで帰っちゃダメだって。

そっちは?

………

…ああ、魔法実験の補習で。

あれ難しいよねー。

魔力を想像して、水を他の物体に変えるやつ。

ボクなんか3回連続で水を爆発させちゃったもん。

それで実験器具壊しちゃって、すっごく怒られたな。

………え、君も?

えへへ、そうなんだ。

それじゃあボクと一緒だね。

ボクは魔法が全然だめだけど、君みたいな人がいてくれてよかった。

………いや、本当だって。

信じてよ、もう。

(スタスタスタスタ)

(ダンッ)

………いたっ。

…えっ?

ああ、すみませんすみません。こんなところにボサッと突っ立ってて。

すぐにどきます。

(スタスタスタスタ)

………

…あー、怖かった。

………うん、大丈夫、心配してくれてありがと。

………えっ。

へー、今の人って、実技も筆記も成績トップの人なんだ。

それはすごそうだけど、でもちょっとやな感じ。

今のだって、ぶつかってきたのはあっちの方なのに。

………

…ああっと。そうだったそうだった。

あと15回、火の玉出さないといけないんだったよ。

暗くなる前に早く終わらせないと、門限過ぎちゃう。

………うん、ありがとう。

それじゃあ残りの補習、頑張ってやらなくっちゃ」




「(ザッザッザッザッ)

(ザッザッザッザッ)

(ザッザッザッザッ)

………ふー、ようやく終わったー。

こんな広い裏庭、一人で掃除しろなんて先生も無茶言うよ、まったく。

…でも、君が手伝ってくれたよかった。

もし君が手伝ってくれなかったら、今日もまた門限破って寮長さんに怒られるところだったよ。

………

…え、あー、えっと掃除させられたのは、その…

土魔法アートの課題、期限忘れちゃってて。

その罰として、みたいな感じで………

………あ、君はちゃんと提出したんだ。偉いね。

…あはは。

アートなんだから、どういう作品作ってもいいでしょ。

期限を守るだけで偉いんだって。

それにボクなんかが提出したのは…

(スタスタスタスタ)

(ダンッ)

………いたっ。

…あ、この間の………

あ、えっと、その………ごめんなさい…

………

…え、いやいや、大丈夫ですから。

ほら君も、そんなに怒らなくてもいいから。

あのあの、本当にすみませんでした。

………

…へ、魔力の生成?

まさか、ここで魔法を………?

………

………か、か…

彼をいじめないでっ―――!

(ボンッ)

あ、あれ………?

なんか、出た?

(タッタッタッ)

…あ、あの人、行っちゃった………

そ、それより、君は?

大丈夫だった?

………

…ほっ、よかったー。

もし君がケガしたらと思ったら、気が気じゃなかった。

………え、今の?

あーえっと。君を助けなきゃって思ったら、いつの間にか出てきたみたいな?

………そうだよー。

あれが普通にできるなら、今日の罰掃除だってしてないもん。

………あー、そうだね。

今日のはボクが忘れてただけだったね。

………

…それよりも、掃除終わったんだし、早く寮に帰ろう?」




「(ガヤガヤガヤガヤ)

…番号あるかな。

…番号あるかな。

…番号あるかな。

………ボクの番号。

………

…あ。

あー、うわー、マジかー………

………

………あ、君も来てたんだ。

君の番号あった?

………

…えっ、あ、そうなの?

やった!

………あ、ごめん。

落第しちゃったのに、喜んじゃダメだよね。

…あの、でもね。

ボクも今回落第しちゃったから、君と一緒で、ちょっと嬉しくなっちゃって。

………うん。実技試験は失敗ばかりだったし、筆記試験も散々だったから…

本当にあれ、難しかったよねー。

…はー、でも。

落第しても一人じゃなくって、本当に良かった。

また次からも、一緒にがんばろうね。

………

…ん、ああ、先生に呼ばれてるんだ。

………うん、それじゃあまたね。

………

………

………

(スタスタスタスタ)

(ダンッ)

………いたっ。

…あ、また。

………ごめんなさい。

………

あの、えっとその。そうです、ね…

さっきの彼も、落ちちゃったみたいです………

………え?

…あ、あの、ボクなら、何でも言うこと聞きますから、彼に、彼に何かするのだけは………

………あ、はい。移動、するんですね。

あ、また。裏庭の方に…

(スタスタスタスタ)

(スタスタスタスタ)

(スタスタスタスタ)

…誰もいないところに来ちゃいましたね。

ふー、でもこれで………

誰にも見られなくてすみます。

(バーンッ!)

(バッシャーン!)

(ゴロゴロゴロッ!)

………え、何したかって、見てわからなかったですか?

火の魔力を創造して爆発を起こして、

水の魔力を創造して滝を引き起こして、

雷の魔力を創造して落雷を落としました。

………上級魔法って、はあ、そういう魔法なんですね、よく知らないですけど。

ただ普通に魔力を創造して、魔法を起こしただけなんですが………

………え、どうしてボクが落第生なのかって?

それはもちろん、試験では手を抜いたからに決まってるじゃないですか。

今みたいな魔法を使っちゃったら、たぶん落第とか無理な感じでしたし。

………どうしてか、ですか?

だって、もし進級しちゃったら、ボクが普通に魔法を使っちゃったら………

彼と、一緒にいることができなくなっちゃいますから。

この学園に入った頃、ボクは全然実技も筆記も全然だめだったんです。

学園なんかやめちゃおうかなって思った時に、彼が、声をかけてくれたんです。

同じ落第生でも一緒にがんばろうって。

ボク、昔から友達とかいなかったから、彼が初めての友達で。

だから、そんな彼とずっと一緒にいたいんですよ。

………だから、あなたみたいな人は、邪魔です。

成績一番だとか何とかは知らないですけど、もう二度と、ボク達の前に現れないよう、徹底的に思い知らせてあげます。

覚悟、してくださいね?」

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