突入前&配備
突入前&配備
「いいか!?今日は貴族国の運命の日だ!!この証拠の数々をぶちかましたれ!!」
「『はっ!!』」
「普通に考えたら考えられない罪状の数を貴族国政府は黙認、いや、加担してきた!しかも積極的にだ!こいつらを世の中に放ったままには出来ない!然るべきところに送り込んで、それでようやく世の中は清浄される!こいつらも同様に、世界のゴミを放ってはならない!!そうだろ!?」
「『おおお!!』」
「ならやることは一つだ!!こいつらの罪状を世の中に公開しろ!!有無言わすな!!捕らえて裁きを受けるのはその後でも遅くない!!とにかくこの証拠をばら撒け!!良いか!?」
「『おおお!!』」
「よろしい!!なら最後に一言・・・。この罪人を・・・駆逐しろ!!!」
「『おおおおお!!!!』」
「よし!その覇気を忘れるな!!ではチーム分けだ!!」
「よし!移動には輸送機で向かう!そこからハッチが開いて車両ごと降下しろ!!その後門を突破し周囲一帯を逃走されないように封鎖!その後テレビ中継を開始しろ!映像スキル持っている者は各場所の所定位置につけ!!勿論その周りも他の隊員で安全を確保しろ!公開後は恐らく反抗する輩がいるだろうが、普通に押さえつけろ!!殺しても構わん!!それだけのことをしてきたからな!!よし、準備は良いか!?」
「『おおお!!』」
「よし!搭乗せよ!!」
「『おおおお!!』」
✩
「いよいよこの時が来ましたね。お父様」
「ああ。ついにあの貴族国を貶める日がやって来たな。今回はかなりの見ものになりそうだ。この後の祝賀会が楽しみで仕方ない」
「もう、貴方ったら・・・。まだ早いでしょう?終わってからでも遅くはないですよ?」
「すまんな。ついハイテンションになってしまった。けどこの日をお主も待っていたろ?宰相よ」
「ええ。あの忌々しい貴族国が無くなると思うと・・・喜々して夜も眠れませんでした」
「それは知らんが・・・。まあいい。それほど楽しみにしているという事だろう?」
「その通りです」
「それは余もだ。さて、そろそろ自衛隊が来てもおかしくない時間だな・・・」
「王。自衛隊の方々が参られました。ご案内しますか?」
「ああ。ここへ案内してくれ」
「かしこまりました」
「今日は流石に事前にこの日のこの時間に来ると言ってくれたからな。流石に心の準備は出来ているわい」
「確かに昨日は、私もお父様もお母様もお姉様も他の方も驚きましたもの。流石に急にこちらに来られると心臓に悪くなりそうです」
「はは・・・娘の言う通りだな。相談役なんか、心臓が止まるかと思ったそうだ。今では笑い話で済ますがな」
「笑わないでくださいよ。本当に止まるかと思いましたので」
「すまんすまん」
「王。昨日ぶりだな」
「おお。確かに昨日ぶりだな。調子はどうだ?」
「俺達か?俺達なら普通だぞ?」
「そうか普通か。まあよい。そう言えば貴族審議会の開始は夕方からだったな。どうだ?昨日君らが断った食事でも?」
「?君らは食っていないのか?」
「うむ。食べていない。この時を待っていたからな」
「そうか。実は俺達も食っていない。昨日なら時間が無くて断ったが、今日は比較的時間があるからな。その誘い、受けよう」
「そういうと思ったぞ!お~い!自衛隊殿達の食事も用意してくれ!」
「『かしこまりました』」
「言っとくが、酒はまだだからな?王」
「分かっているわい」
✩
「遂にこの日が来ましたね。女王様」
「ええ」
「貴族国最後の日ですよ!」
「ええ」
「奴らを地獄に落ちる日ですよ」
「ええ」
「・・・昨日告白した方が好きなのですか?」
「ええ。・・・・ええ!?」
「お目覚めですか?女王様。先程から上の空ですよ?どうしたのですか?どうしても昨日の殿方をお忘れにはならないのですか?」
「・・・うん。どうしても忘れられなくて・・・」
「確かに昨日、専属メイドが嘆いていましたものね『女王様が可哀そう』と」
「・・・」
「恐らくはその殿方は今日も来ますが、忘れてはなりませんよ。日本国と女王では立場がけた違いです。割に合っていないことを改めてご認識ください。それでも忘れられない場合は、その後は女王次第です」
「・・・うん」
「女王様。自衛隊の方々がお見えになりました。お通ししますか?」
「!?ええ!!ここに呼んでちょうだい!!」
「か、かしこまりました・・・」
「こらこら。メイドさんが引いているよ~?女王様?」
「す、すいません。つい・・・」
「はぁ、女王様の恋路は険しいね。そう思うでしょ?相談役」
「ええ。これはかなり険しいですね。雪山より険しいと思いますよ?」
「だね~。スキンシップを保てれば良いのでしょうけど・・・」
「そうはいかないと思いますよ・・・」
「女王様。お連れいたしました」
「ありがとう・・・お会いできて光栄ですよ。自衛隊様」
「・・・女王。何故そこで俺の腕を抱く・・・」
「だって。お会いしたかったのですもの。この時間が中々辛くて・・・」
「そうか。まあ取り敢えず座ろうか」
「ええ」
「・・・女王様。あれ程スキンシップは程々に申したはずですが・・・まさかお会い早々自衛隊殿の腕を抱くとは思いませんでしたよ。しかもちゃっかり隣に座ってますし。そしてこちら側の人は軽く驚いていたりしているのに、相変わらずの自衛隊の皆様は反応すらせず、こちらは混乱でいっぱいです」
「女王様~。流石にそれは自衛隊殿に失礼では?ずっと腕を抱かれても苦労するだけでしょ~。放してあげたら?」
「いやです。私はこうしてます」
「はあ~~・・・。自衛隊殿。申し訳ありませんが、このバカ女王を頼みます」
「・・・良いだろう。だが、高くつくぞ」
「・・・お願いしますよ~。昨日から女王様は『あの方と共に歩むんだ~』と聞かなくて~。頼みます」
「良いだろう」
「助かります~。そして他の自衛隊の方々は女王様に目もくれませんね~。こちらは女王様の激しすぎるスキンシップにアワアワなのに」
「昨日も申した通り、勝手にしろなので、正直そこはどうでもいい。女王のスキンシップが激しい?だからなに?が、我々の意見だ」
「ええ。正直重要なのは女王より現地なので。我々は気にしないです」
「・・・君達も苦労しそうね~・・・」




