協力国との交渉 2
今回は短めです
協力国との交渉 2
会談は順調に進んでいた。証拠の提示や証人の声明など多岐に渡った。今もまだ会談が続いている
「この容疑者をどこで捕まえた?言っては何だが、この場にいる全員が奴を追っていた。けど尻尾を掴もうとする時に限って逃げられる。いたちごっこも馬鹿馬鹿しかったしな。あまり言いたくは無いが皆疲弊していたのだ。もうやけになって殺害も許可したがそれでもだった。それを貴方方日本国が何と完膚なきまでにして捕獲した。しかも完膚なきまではわざとして精神的にも肉体的にも苦しめることに成功した。
我々はせいせいしてるが、どうやったら捕獲できた?」
「今回は正直言って私達も偶然です。外務省と自衛隊が潜入捜査している場所に偶々その容疑者がいました。
初めは潜入捜査官もただの一般講師だと思ったそうです。今回は講師に偽装していました。
そこで抜き打ちで調査したところ、容疑者がヒットした、ということです。なので参考にはならないと思います」
「・・・そうですか。参考なればと思ったのですが・・・しょうがないですね」
「次に今後ですが、他の国でも同様にこういった会合を重ね、近いうちにディスデイーンに進軍、殲滅に移ります」
「一つ良いですか?会合を重ねると言いましたが、最低でもこの場にいる全員は殲滅に賛同します。
何故他でも会合を重ねるのですか?」
「これは、仮にこのままの状況で向かい打ちますと隣国などに被弾、被害が出る可能性が出ます。
次に何故我々も誘ってくれなかったのか?と信頼関係が揺らいでしまいます。信頼以上に怖いものなんて中々無いですからね」
「そうか。確かに奴隷国家は戦争しても平気なようにずる賢いやり方をするという。だから先にお断りを入れるということか」
「ええ。そういうことです。最後に進軍などですが、我々から出せる人数はそんなにありません。
なので出来ればそちらから奴隷国家殲滅に派遣できる数を用意して下さい。我々は手柄を独り占めしようとは思いません。皆がいるからこそできる技と私は思っています」
「確かに一人では何も出来んしな。分かった。カロバースからはその派兵要員を手配しよう」
「「勿論私達も賛成です。将軍と交渉しましょう」」
「ありがとうございます。なお、勝利後の報酬はそちらにお任せします。私達は領地などの選択権は放棄しますので、そのつもりでお願いします」
「良いのか?何でもしたい放題だろ?何なら独り占めだって出来るだろ?」
「いえ、我々はこれで十分です。それにこれは戦争になってしまいます。良く勘違いしている人が多いので改めて言いますと、我々は軍ではなく自衛隊です。戦争も本来は出来ません。この異世界だからこそ多少は許されているだけです。なので本来軍事力も必要最低限しか持ってはいけない事になっていますが、これもここだからこそ上限が解放されているだけなのです。なので今回は我々も必要最小限しか持っていきません。そのかわり報酬をそちらに上げているだけです」
「なるほど。分かった」
「捕虜や強制奴隷されている者はどうする?結構な人数に及ぶから解放も容易ではないだろう?
それに当国も容易に開放型スキル持ちを派遣できない。どうしても危険が及ぶし戦闘中に囚われる可能性だってある。それを今度は交渉に使われるなどしたら本末転倒になってしまう」
「そこは我々にお任せください。奴隷解放に特化したスキル持ちを可能な限り派遣いたします。
広域系スキルをお持ちなら軽程度なら直ぐに周囲を解放できますし、重度なら高位系の解放型のスキル持ちを派遣すれば強制的に城に使えている者も解放出来るでしょう」
「・・・私達からすればありがたい話ではありますが、良いのですか?それだとかなりの負担になってしまうのでは?」
「この星の住民を一人でも多く救えるのであれば痛くも痒くもありません。それに本当に辛いのは強制奴隷されているものです。我々の思う以上に残酷な扱いを受けています。それに比べたら自分達は至極マシなのです。いい加減甘い蜜を吸っている愚か者には地獄級の鉄槌を叩き込まなければなりません」
「確かにな。いい加減裁きをか。その討論、非常に感動した!我々からも可能な限り派遣しよう。
危険は伴うが、自衛隊と一緒なら一騎当千レベルだろう」
「仕方ないですね。確かに自国民がそのような仕打ちをしていると想像したら怒りが込み上げてきました。少ないですが、私達も賛同致します」
「私らも協力いたします。協力の際、スキル持ちには口酸っぱくして言っときます。自衛隊から離れないように。離れたら命の保証はしない、と」
「ありがとうございます。それでしたら貴重な人材をも失わずに済みます。我々が責任を持ってお預かりします」
「宜しくお願いします」
「ではここで宣言するか?同盟の」
「そうですね。自衛隊の方も忙しいので早くしたことに越したことはないですね」
「では宣言する!我々10国の主はここでディスデイーン奴隷王家の殲滅の同盟宣言を宣言致す!」
「ではここに手の握手と書面での同盟表に同盟してください」
全員の記入が終わるとようやく解散する。皆疲れた顔をしていた。するとラーズベルト王が来る
「アレクサス」
「はい?あっラーズベルト王どうかしましたか?」
「サラの調子はどうだ?」
「健康状態なら大丈夫ですよ。寧ろ化けの皮を被っていたのが驚きですね」
「すまんな。サラも元々はあんな感じでお転婆だったのだが、どこで道間違えたのか、閉鎖的になってしまったのが悔しくてな。けどアレクサスといるとやはりそれだけでも変わるものだ」
「そうなんですね。どうしても公務という仕事の問題が出ますし仕方ありませんよ」
『そう言ってくれるのは有難いがな。けどそれで良いと思ってしまっているな。これでは親失格だな』
「そう言わずに威厳を持った国王でいてください」
「ああ、では引き続き頼む」
「はい、お任せください」
取り敢えず初めの首脳会談は成功で終えたな。他が気になるが、確か別班が行っている筈だ。
それの返答次第でディスデイーンの包囲網が出来るな。さーてはてさてどうなるか
『マサル二佐へ。別班の三等海佐です。こちらディスデイーンの周辺国の協力も取り付けました。
やはり皆さんディスデイーン奴隷国家に怒り心頭でした。今回は珍しく妖精、ハイエルフ、精霊、龍人などからの反対意見も全くなしで派兵の許可が下りました。会談もこちらの協力が絶対条件で交渉は成功に終えました』
「了解。ご苦労であった。まあ、気難しい彼らも幾度なく仲間を囚われているしな。怒るのも当然だろう。さてマサル二佐から各方面へ。先程の報告で全ての国の協力許可が下りた。
これは非常に良い事だ。感謝する。本日はRTB後は速やかに休息せよ。
今後のことはそれからだ」
『了解!ありがとうございます』
さーてこれで協力は取り付けた。ウンベルトの方もディスデイーン殲滅前の片すか




