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正法眼蔵  作者: Eliphas1810
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正法眼蔵 八大人覚

諸仏、是、大人、也。

大人之所覚知、所以、称、八大人覚、也。

覚知、此法、為、涅槃因。

我本師、釈迦牟尼仏、入涅槃夜、最後之所説、也。


一、者、少欲。


(於、彼、未得、五欲、法中、不、広、追求、名、為、少欲。)


仏、言、

汝等比丘、当、知。

多欲之人、多、求、利、故、苦悩、亦、多。

少欲之人、無、求、無欲、則、無、此患。

直爾、少欲、尚、応、修習。

何、況、少欲、能、生、諸功徳。

少欲之人、

則、無、諂曲、以、求、人意。

亦復、不、為、諸根、所牽。

行少欲者、

心、則、坦然。

無所、憂、畏。

触、事、有、余。

常、無、不足。

有少欲者、則、有、涅槃。

是、名、少欲。


二、者、知足。


(已得法中、受取、以、限、称、曰、知足。)


仏、言、

汝等比丘、

若、欲、脱、諸苦悩、当、観、知足。

知足之法、即是、富、楽、安穏之所。

知足之人、雖、臥、地上、猶、為、安楽。

不知足者、雖、処、天堂、亦、不、(かなう)、意。

不知足者、雖、富、而、貧。

知足之人、雖、貧、而、富。

不知足者、常、為、五欲、所牽、為、知足者之所憐愍。

是、名、知足。


三、者、楽寂静。


(離、諸憒鬧、独処、空閑、名、楽寂静。)


仏、言、

汝等比丘、

欲、求、寂静、無為、安楽、当、離、憒鬧、独処、閑居。

静所之人、帝釈、諸天、所、共、敬重。

是故、当、捨、己衆、他衆、空閑、独処、思、滅、苦本。

若、楽衆者、則、受、衆悩。

譬、如、大樹、衆鳥、集、之、則、有、枯折之患。

世間、縛著、没、於、衆苦。

譬、如、老象、溺、泥、不能、自、出。

是、名、遠離。


四、者、勤精進。


(

於、諸善法、勤修、無間、故、云、精進。

精、而、不、雑。

進、而、不退。

)


仏、言、

汝等比丘、

若、勤、精進、則、事無難者。

是故、汝等、当、勤、精進。

譬、如、少水、常、流、則、能、穿、石。

若、行者之心、数数懈廃、譬、如、鑽、火、未熱、而、息、雖、欲、得、火、火、難、可、得。

是、名、精進。


五、者、不忘念。


(

亦、名、守正念。

守、法、不、失、名、為、正念。

亦、名、不忘念。

)


仏、言、

汝等比丘、

求、善知識、求、善護助、無如、不忘念。

若、有、不忘念、者、諸煩悩賊、則、不能、入。

是故、

汝等、常、当、摂念在心。

若、失念、者、則、失、諸功徳。

若、念力、堅強、雖、入、五欲賊中、不、為、所害。

譬、如、著、鎧、入、陣、則、無、所畏。

是、名、不忘念。


六、者、修禅定。


(住、法、不乱、名、曰、禅定。)


仏、言、

汝等比丘、

若、摂、心、者、心、則、在、定。

心、在、定、故、能、知、世間、生滅、法、相。

是故、汝等、常、当、精進、修習、諸定。

若、得、定、者、心、則、不、散。

譬、如、惜水之家、善、治、堤塘。

行者、亦、爾。

為、智慧、水、故、善、修、禅定、令、不、漏失。

是、名、為、定。


七、者、修智慧。


(起、聞、思、修、証、為、智慧。)


仏、言、

汝等比丘、

若、有、智慧、

則、無、貪著。

常、自、省察、不、令、有、失。

是、則、於、我法中、能、得、解脱。

若、不、爾、者、

既、非、道人、

又、非、白衣、

無、所名、也。

実、智慧、者、

則、是、度、老病死海、堅牢船、也。

亦、是、無明、黒暗、大明燈、也。

一切病者之良薬、也。

伐、煩悩樹之利斧、也。

是故、汝等、当、以、聞、思、修、慧、而、自、増、益。

若、人、有、智慧之照、雖、是、肉眼、而、是、明眼人、也。

是、名、智慧。


八、者、不戯論。


(

証、離、分別、名、不戯論。

究尽、実相、乃、不戯論。

)


仏、言、

汝等比丘、

若、種種戯論、其心、則、乱。

雖、復、出家、猶、未得、脱。

是故、比丘、当、急、捨離、乱心、戯論。

若、汝、欲、得、寂滅、楽、者、唯、当、善、滅、戯論之患。

是、名、不戯論。


これ、八大人覚なり。

一一、各、具、八。

すなわち、六十四あるべし。

ひろくするときは、無量なるべし。

略すれば、六十四なり。

大師、釈尊、最後之説、大乗之所教誨。

二月十五日、夜半の極唱。

これよりのち、さらに説法しましまさず。

ついに、般涅槃しまします。


仏、言、

汝等比丘、

常、当、一心、勤、求、出道。

一切世間、動、不動法、皆、是、敗壊、不安之相。

汝等、且、止。

勿、得、復、語。

時、将、欲、過。

我、欲、滅度。

是、我最後之所教誨。


このゆえに、如来の弟子は、かならず、これを習学したてまつる。

これを修習せず、しらざらんは、仏弟子にあらず。

これ、如来の正法眼蔵、涅槃妙心なり。

しかあるに、いま、しらざるものは、おおく、見聞せること、あるものは、すくなきは、魔嬈によりて、しらざるなり。

また、宿殖善根のすくなき、きかず、みず。

むかし、正法、像法のあいだは、仏弟子、みな、これをしれり、修習し、参学しき。

いまは、千比丘のなかに、一、両箇の八大人覚しれるもの、なし。

あわれむべし。

澆季の陵夷、たとうるに、もの、なし。

如来の正法、いま、大千に流布して、白法、いまだ滅せざらんとき、いそぎ習学すべきなり。

緩怠なることなかれ。

仏法にあいたてまつること、無量劫にも、かたし。

人身をうることも、また、かたし。

たとえ人身をうくといえども、三洲の人身、よし。

そのなかに、南洲の人身、すぐれたり。

見仏聞法、出家、得道するゆえなり。

如来の般涅槃より、さきに、さきだちて死せるともがらは、この八大人覚をきかず、ならわず。

いま、われら、見聞したてまつり、習学したてまつる、宿殖善根のちからなり。

いま、習学して生生に増長し、かならず、無上菩提にいたり、衆生のために、これをとかんこと、釈迦牟尼仏に、ひとしくして、ことなること、なからん。


正法眼蔵 八大人覚

建長五年、正月六日、書、于、永平寺。


如今、建長七年乙卯、解制之前日、令、義演書記、書写、畢。

同、一校、之。


右本、

先師、最後、御病中之御草、也。


仰、

以前、所撰、仮字、正法眼蔵、等、皆、書改、並、新草具、都、盧、一百巻、可、撰、之。

云云。


既、始草之御此巻、当、十二、也。


此後、御病、漸漸、重増。

仍、御草案、等、事、即、止、也。


所以、此御草、等、先師、最後之教勅、也。


我等、不幸、而、不、拝見、一百巻之御草。

尤、所恨、也。


若、奉、恋慕、先師之人、必、書、此巻、而、可、護持、之。


此、釈尊、最後之教勅、且、先師、最後之遺教、也。


懐弉、記、之。

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