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正法眼蔵  作者: Eliphas1810
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正法眼蔵 龍吟

舒州、投子山、慈済大師、因、僧、問、

枯木裏、還、有、龍吟、也? 無?


師、曰、

我、道、

髑髏裏、有、獅子吼。


枯木死灰の談は、もとより、外道の所教なり。

しかあれども、外道のいうところの枯木と、仏祖のいうところの枯木と、はるかに、ことなるべし。

外道は、枯木を談ずといえども、枯木をしらず。

いわんや、龍吟をきかんや?

外道は、枯木は朽木ならん、とおもえり、不可、逢、春、と学せり。


仏祖、道の枯木は、海枯の参学なり。

海枯は、木枯なり。

木枯は、逢、春なり。

木の不動著は、枯なり。

いまの山木、海木、空木、等、これ、枯木なり。

萌芽も、枯木、龍吟なり。

百、千、万囲とあるも、枯木の児孫なり。

枯の相、性、体、力は、仏祖、道の枯椿なり、非、枯椿なり。

山谷木あり、田里木あり。

山谷木、よのなかに、松栢と称す。

田里木、よのなかに、人、天と称す。

依、根、葉、分布、これを仏祖と称す。

本、末、須、帰、宗、すなわち、参学なり。

かくのごとくなる、枯木の長、法身なり、枯木の短、法身なり。

もし枯木にあらざれば、いまだ龍吟せず。

枯木にあらざれば、龍吟を打失せず。

幾度、逢、春、不変、心は、渾枯の龍吟なり。

宮商角徴羽に不群なりといえども、宮商角徴羽は、龍吟の前後、二、三子なり。

しかあるに、這僧、道の枯木裏、還、有、龍吟、也? 無? は、無量劫のなかに、はじめて問頭に現成せり、話頭の現成なり。

投子、道の我、道、髑髏裏、有、獅子吼は、

有、甚麼掩所? なり。

屈、己、推、人、也、未休なり。

髑髏、遍、野なり。


香厳寺、襲燈大師、因、僧、問、

如何、是、道?


師、云、

枯木裏、龍吟。


僧、曰、

不会。


師、云、

髑髏裏、眼睛。


後、有、僧、問、石霜、

如何、是、枯木裏、龍吟?


霜、云、

猶、帯、喜、在。


僧、曰、

如何、是、髑髏裏、眼睛?


霜、云、

猶、帯、識、在。


又、有、僧、問、曹山、

如何、是、枯木裏、龍吟?


山、云、

血脈、不断。


僧、曰、

如何、是、髑髏裏、眼睛?


山、云、

乾不尽。


僧、曰、

未審。

還、有、得聞者、麼?


山、云、

尽大地、未有、一箇、不聞。


僧、曰、

未審。

龍吟、是、何章句?


山、云、

也、不知、是、何章句。

聞者、皆、喪。


いま、擬道する聞者、吟者は、吟龍、吟、者に不斉なり。

この曲調は、龍吟なり。

枯木裏、髑髏裏、これ、内外にあらず、自他にあらず、而今而古なり。

猶、帯、喜、在は、さらに頭、角、生なり。

猶、帯、識、在は、皮膚、脱落尽なり。

曹山、道の血脈、不断は、道、不諱なり、語脈裏、転身なり。

乾不尽は、海枯、不尽、底なり。

不尽、是、乾なるゆえに、乾上又乾なり。

聞者ありや? と道著せるは、不得者ありや? というがごとし。

尽大地、未有、一箇、不聞は、さらに問著すべし。

未有、一箇、不聞は、しばらくおく。

未有尽大地時、龍吟、在、甚麼所?

速、道。

速、道。

なり。


未審。龍吟、是、何章句? は、為、問すべし。

吟龍は、おのれずから泥裏の作、声、挙拈なり、鼻孔裏の出気なり。

也、不知、是、何章句は、章句裏、有、龍なり。

聞者、皆、喪は、可惜許なり。

いま、香厳、石霜、曹山、等の龍吟来、くもをなし、みずをなす。

不道、道。

不道、眼睛、髑髏。

只、是、龍吟の千曲万曲なり。

猶、帯、喜、在、也、蝦䗫、啼。

猶、帯、識、在、也、蚯蚓、鳴。

これによりて、血脈、不断なり、葫蘆、嗣、葫蘆なり。

乾不尽のゆえに、露柱、懐胎、生なり、灯籠、対、灯籠なり。


正法眼蔵 龍吟

于、時、寛元元年癸卯、十二月二十五日、在、越宇、禅師峰下、示、衆。

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