見えないものだけ
気がつくとそこは夜の道。
都会とも田舎とも言えないような中途半端な自然に、ほんの少しのガードレールと柵。
じめじめとしていて、なんとなく雰囲気が暗く重苦しいものに包まれている。
そんなところに私は愛犬といるようだ。
愛犬はコーギーのペンブローグで、少し太り気味だが可愛らしい。
最近病気気味で看病が続いていてまともに寝れていなかったが、夢の中では元気そうでなによりだ。
どうやらお散歩で迷い込んだと言うわけでもなさそうなのだが、歩かないことには帰れないと思い進むことにした。
柵に沿って歩いていると、愛犬が何かを見つける。
それはスポンジのような材質で作られた、手のひらに収まる大きさのどこか不気味なお地蔵様。
その横には柵と地面の間の空間についたチャックがあった。
私はまずどうしても気になってしまったチャックを開けてみると、中からは小さな包帯の切れ端が落ちてきた。
よく分からないゴミかな?と思いながら横にあったお地蔵様も拾い上げる。
その瞬間。
「見えないものだけ...」
と真横で誰かが囁くのだ。
視線を合わせた時には誰もおらず、その意味も分からぬままお地蔵様と包帯を犬の散歩バッグに詰め込み進む。
よくよく見てみるとこの謎の道には余計なものは一切落ちていないようで、苔や枯葉はあっても手頃の大きさの枝やそれこそゴミのひとつも見当たらない。
そんな道でお地蔵様と謎のチャックを探しながら歩いていると、正面に何か見える。
あれをなんて表現すればいいのか分からないが、成れ果てとかゾンビ犬とかがいいのだろう。
ほんのり体が崩壊しているそれは襲いかかってくる様子は無いが、これ以上近づいたらとてもまずそうな雰囲気である。
そんな考えをしている間に私の愛犬が耐えきれず吠えてしまう。
完全に敵と認定されこちらへ向かってくるそれ。
犬種は柴犬もしくは秋田犬またはミックスだったかもしれない。
そこからは余り覚えていないが、それを殺した時私も愛犬も生きてはいた。
愛犬の方は前足を酷く噛まれてしまっていて、とりあえず私の服をちぎって止血だけする。
私の方は傷はあるが、歩行には支障はないレベルである。
怪我をした愛犬を抱き上げ更に道を進むと、例のお地蔵様がたくさん落ちているポイントを見つけた。
しかし、どうやらお地蔵様はそれぞれ見た目が違うようでコレクション心くすぐられた私は2体目のお地蔵様をカバンに入れようとした。
「見えないものだけだと言っただろ...
これで2回目、あと1回...」
と先程より明瞭に視界に映り、鼓膜に響き
視界がブラックアウトすると共に目が覚めた。




