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熊本・大分(九州中部)地震 記録簿  作者: あまやま 想
4月21日(木) 孤独死のリスク
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4月21日(木) その1

 この日、最初の地震から一週間を迎える。昨日、試験的ではあるが水が出た事により水汲みから解放された。


 朝、トイレをすませた後、風呂場にためた水をトイレのタンクに流し込む。まだ、断水は続くが、湯船に水をためている事でかなり楽ができる。今後、大きな揺れが来たら、まず湯船に水をためることをお勧めする。


 しばらくは余震がまだまだ続くし、水の供給も不安定なことから湯船の水は常にためておくように決めている。


 それにしても雨の日はただでさえ気が滅入る。震災後、なぜか雨の日が多くて、二次災害が心配だ。この日は水汲みから解放されたから良かったが、雨の日の水汲みほどつらいものはない。


 自然を相手に憎んでも仕方ないが、2度の大きな地震を初めとした数えきれないほどの地震に加えて、連日のような土砂降りの雨…。これはどんなに温厚な人であっても、さすがに地面と空に向かって怒りを覚えるだろう。


 今年は九州地方を襲った百年に一度の大寒波もあった。あの時も、水道管破裂や慣れない路面凍結などで不便を強いられた。悪い事は続くものだな…。


 まだまだ余震が続くため、臨時休業がまた一日延期された。状況次第ではさらなる延期がありえると上司から連絡があった。家を出る前の連絡で良かったけど、いつになったら仕事が再開するのだろうか…。


 このままだと震災を理由にした業務縮小とか解雇もありえるかもしれない。最初は震災の後片付けをしながら、ちょっとした骨休めができる…と気楽に構えていたが、さすがにこんなに臨時休業が続くと不安だ。


 福岡に行って、2日ほど留守にしていたので、3日ぶりに父と母の様子を見に行く。もう震災の後片付けもほぼ終わったので、こまめに見に行くのは今日で一旦終わりにすることにした。


 仕事の再開のめどが立っていないが、仕事が再開すれば元の生活に戻らざるを得ない。まだまだ自立した生活ができるのに過保護にし過ぎて、自立して生活する力を奪うようなことがあっては本末転倒である。


 もし、震災がなければそのような事を話す機会もなかっただろうけど、良い機会なので今後の事についての考えを親に伝える事ができたのは幸いと言えよう。まさに「災い転じて福と成す」だ。


 双方の家を回って、車に乗り込んだ時にはもう昼2時を回っていた。タイミングが良いのか悪いのか分かりかねるが、昼前に弱まった雨が再び土砂降りになる。


 急いでいる訳でもなかったし、こんな雨の中を運転したくなかったので、しばらく車で休む事にした。

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