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熊本・大分(九州中部)地震 記録簿  作者: あまやま 想
4月21日(木) 孤独死のリスク
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4月21日(木) その2

 すると、急に高校時代の友人から電話があり、10分ほど話す。同じ熊本県内でも天草の方は家屋への被害は無いとの事。


 それでも家の中はそれなりに散らかって大変だったようだ。互いに近況報告ができて良かった。わずかな時間とは言え、昔からの友人と話をするだけでホッとする。


 震災の非常事態だからか、無意識のうちに神経を張りつめていた事に気付かされる。こんな時は意識してゆったりする時間をとらないと、心も体もやられてしまうだろう。


 知人からのなにげない気遣いの電話やメールをもらうだけで、一時でもリラックスする時間をとれるのだから、電話やメールを使わない手はないと思う。


 夕方、家に帰る。ふと、孤独死の事が頭に浮かんだ。未だかつて、こんなにも人のつながりに支えられて生きている事を強く痛感させられる事があっただろうか? 不自由な生活を強いられる中で、改めて感じた人とつながる事の大切さ…。


 父も母もそれぞれ一人暮らしをしているため、万が一何かあれば、平時でも孤独死のリスクと隣り合わせである。ましてや、震災の非常事態だ。誰もがまずは我が身を守る事で精一杯だろう。


 私だって、独身で一人暮らしだから、自宅にいる時に何かあれば孤独死する可能性は充分にある。


 今回の震災でいつ大きな揺れがやってくるか予測もつかない事がわかったし、もう既に2回の大きな揺れで今残っている家屋も限界に近い。もし、地震で家屋が崩れれば、下敷きになってしまうだろう。

 

 その時、近所付き合いも全くないアパートでどうやって互いに安否確認ができようか? そもそも隣の人の顔も知らなければ、隣に人がいるかどうかも分からない。仕事漬けの日々で家には寝るためにしか帰っていないのだから、近所付き合いをしているはずもない。


 実に日本全体の約3割が一人世帯である。単純に考えて、約3600〜3900万人が震災を含めたあらゆる災害時に孤独死するリスクと隣り合わせだと言えるだろう。


 これは実に恐ろしい事である。有事の時を考えれば、自らの命を守るためにも面倒くさがる事無く、地域や家族とのつながりをある程度は密にしておかないと命も守れない時代がやって来たと言うべきか…。


 現役世代であれば、昼間は学校や会社などにいるから、昼間の孤独死のリスクはかなり低いだろう。しかし、今回の震災のように夜に大きな地震がくるなら、年齢に関係なく孤独死のリスクは高まるはずだ。


 阪神大震災や東日本大震災など大きな地震が起こるたびに、孤独死の事はたびたび話題になっていたが、なかなかピンと来なかった。


 しかし、実際に被災して初めて身をもって、一人暮らしは孤独死と隣り合わせである事を体感する。


 当然、結婚適齢期の男女は結婚を意識するだろうし、子どもが独立して後に相手に先立たれた夫婦は子ども達との同居を意識するだろう。それができないなら、せめて隣近所と挨拶をし合う環境ぐらいは最低限作っておくべきだ。

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