結魂式
竜王の影が消え、呪いの真実も受け入れられた後――ついに、竜王とリリアの結魂式の日が訪れた。
城の広間は炎と光で飾られ、黒曜石の壁には竜たちの紋章が刻まれていた。眷属の竜たちは翼を広げ、祝福の歌を響かせた。その声は山々を震わせ、雲海の上に届いた。
リリアは白い衣をまとい、髪には小動物たちが集めてきた花々が飾られていた。鼠が小さな花を運び、鳥が羽で整え、兎が足元で跳ねていた。彼女の能力はこの日、祝福の形となって現れていた。竜王は黄金の鱗を輝かせ、蒼い瞳を光らせて彼女を見つめた。
「リリア。我は誓う。お前を守り抜く。影も呪いも、すべてを越えて」
竜王の声は低く、広間を震わせた。
リリアは答えた。
「竜王さま……私は、あなたの花嫁として生きます。あなたの孤独を癒し、共に歩みます」
その瞬間、広間の炎が高く燃え上がり、竜たちの声が響いた。祝福の歌は星々に届き、雲海を揺らした。小動物たちも鳴き声を合わせ、結婚の誓いを祝福した。
竜王は翼でリリアを包み込み、低く囁いた。
「リリア……。我の孤独を癒すのは、リリアだけだ」
リリアは微笑み、彼の胸に手を置いた。
「竜王さま。これからはずっと、あなたを構います。あなたの花嫁として」
竜王の瞳が輝き、彼の胸に喜びが広がった。千年の孤独を背負ってきた彼にとって、その言葉は光だった。彼は低く笑い、その笑いは山を揺らすほどの響きだったが、怒りではなく喜びだった。
祝宴は続き、竜たちは炎を灯し、歌を響かせた。リリアは竜王の傍に立ち、竜たちと心を通わせた。彼女の心は恐怖ではなく、希望に満ちていた。竜王の孤独を終わらせるために、彼女は竜王の花嫁として生きる決意を固めたのだ。
夜空には星々が輝き、雲海が広がった。竜王とリリアの結婚式は、竜と人間の世界を結ぶ光となった。
今まで人間の体では耐えられない危険があったが、結魂式を終えた今ならできる。
リリアは愛しき名前を呼んだ。
「アレン、愛してるわ」
これで完結となります。長い間読んでいただきありがとうございました。




