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最終章 新しい日々
三年後。
北の辺境に、小さな自治都市が生まれていた。
「フレイヴェエン自由区」──貴族も平民も共に働く、新しい社会の実験場。
学校、病院、工房が立ち並び、人々は笑顔で働いていた。
私はそこに住み、教育と自治制度の構築に力を入れていた。
ある日、セリーナが訪ねてきた。
「王太子が退位しました。王位継承を断り、修道院に入ったそうです」
「……そうなの」
「でも、最後にこう言いました。『彼女が教えてくれなかった世界を、私は見過ごしていた』と」
私は、遠くの山を見つめた。
「……憂鬱な毎日は、まだ終わらないかもしれない。でも、私はもう、悪役じゃない」
風が吹き、銀髪がなびく。
「これからも、自分を信じて、ただ、進むだけ」
THE END




