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潜入します!




カシャッカシャッ、スタジオ内にはシャッター音が鳴り響く。

ゆかはその空間に圧倒され入口で立ち止まった。

自分が本当にここにいていいのだろうかという気持ちになる。


「ゆかちゃん、こっちこっち」


石崎さんの言葉にハッとしてゆかも一歩一歩中へ入っていく。

どうやら今は双葉は撮影をしていないらしい。

中には煌びやかなセットがあり、そこでは今1人の男のモデルさんが撮影していた。


(あ、あの人知ってる!確か双葉とよく一緒に雑誌に載ってるモデルさんだ!)


「双葉今は別室で待機中なんだ。もうすぐ戻ってくるからね」


「そうだったんですね!なんだかここで双葉に会うのは緊張しちゃいます」


「確かにいつもと違う場所だからね、早く驚かせたいなぁ」


すると先程まで撮影をしていたモデルさんが終わってこちらに向かってきた。

歩いているだけなのにすごく輝いて見える。

私はなんとなく石崎さんの後ろに隠れた。


「石崎さんこんにちは!さっき双葉が探してましたよ」


「あ、林くん!わざわざありがとう!双葉仮眠中だったから外出てること言うの忘れてたよ」


「相変わらずですね石崎さん」


そう言ってモデルさんは笑っている。

どうやら石崎さんと、このモデルさんは仲がいいみたいだ。


あ、林さんで思い出した!この人は確か林和磨さんだ!

「今をときめく人気モデル」というコーナーで双葉と一緒に雑誌のインタビューで特集をされていたのを覚えている。


(ほ、本物だ...)


なんてこっそり見ながら考えていた。


「ん?その後ろの子は新しいモデルさんですか?」


(き、気づかれた!)


超人見知りのゆかは咄嗟に顔を隠してしまった。


「違うよ。双葉へのサプライズで来てもらった双葉のお姉さん!」


「へ〜双葉の!そういえばこの前バラエティでお姉さんが好きとか言ってましたもんね」


と苦笑している。


林さんにも見られていたとは...。

もう双葉本当に恥ずかしいこと言っちゃったんだから。


(てか挨拶しなきゃ失礼だよね..….よし!)


そっと顔をあげて石崎さんの横に行く。


「えっと双葉の姉の成瀬結華です。いつも弟がお世話になってます!」


そう言ってゆかはぺこりと頭を下げた。

しかし林さんの反応がない。

もしかして期待外れすぎて声も出せないとか....?


そっと顔を上げると驚いた顔で林さんはこちらを見つめていた。


「えっと?」


「ちょっと石崎さん!びっくりしすぎて固まっちゃいました!これは双葉が虜になるのもわかります」


「ははっさすがだなぁゆかちゃん」


全然状況が掴めなくてあたふたしてしまう。

えっなになに!?


「あっ...すみません!こちらこそ双葉にはいつもお世話になってます!林和磨です」


そう言って私たちは握手をした。

てか林さん背高い!しかもスタイルがよすぎる!

モデルさんって本当に双葉みたいな人がいっぱいいるんだなぁ。


「あ、ゆかちゃんそろそろ双葉来るはずだよ!こっち見てくれるかな」


「気づいてくれると嬉しいですけど...さすがにここでは気づかないのでは...?」


「それは確かに!ここスタジオの端っこだからね」


「いやいや!双葉なら気づく気がしますよ」


何故か林さんは自信満々だ。

ゆかがいるのは少し撮影しているところから離れた場所だ。

こちらからは撮影している所がよく見えるが、モデルさん側からしたら照明があったり、人もたくさんいるのでさすがに気づかないだろう。


「まぁ最初はいつもの撮影してるかっこいい双葉の姿を見て、だんだん近づいてサプライズすることにしよう」


「あ、石崎さんそれいいですね!サプライズは緊張しちゃいますけど」


「大丈夫大丈夫!」


すると双葉がスタジオに入ってきた。

この中を堂々と挨拶しながら歩いてる。


(相変わらずニコニコしててかわいいなぁ)


「よし、じゃあ双葉くん最初はクールな感じでよろしく」


そうカメラマンさんが双葉に指示をしている。

双葉はそれに笑顔で頷き、いよいよ撮影が始まった。


撮る瞬間、双葉の顔つきが変わった。

キリッとした感じでいつもの穏やかな表情が嘘のように感じる。


「どう?かっこいいだろう?」


「驚きました。いつもの双葉じゃないみたい...これは自慢したくなるぐらいかっこいいですね!」


数枚撮り終わったとき、突然双葉の表情が変わった。

というかこちらを2度見して固まっている気がする。


「双葉くん、どうかした?」


そうカメラマンさんが心配そうに声をかけていた。


(てかこっち見てるよね?バレた?)


「いや、なんかお姉ちゃんに会いたすぎて幻覚が見えてるのかなって...」


「え?」


「こんな所にいるはずないのは分かっているんですけど...」




「石崎さん、さっそくバレましたけどなんか幻だと思われてます」


「この双葉はレアだなぁ」


「ほんとに双葉面白いんだけど!」


林さんはそう言って大爆笑をしている。

さすがになんだか可哀想になってきたので、私は双葉に手を振った。


「え、本物?」


その双葉の言葉にうんうんと頷く。


「なんでいるの!??お姉ちゃん!?」



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