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THE BLUE LOVE STORY -PROTOTYPE-  作者: 星河竜樹


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10/12

10、容疑者 推理 

「おじさんって?

ネロ容疑者を知っているの?」


「四勇者の親族同士は交流があるの。

数字持ちの奇跡と呼ばれる子供同士、

亡くなった私の父とおじさんは仲が良かったわ。

父は若い頃、

そう提督が現役の時に、

ネロおじさんと一緒に大海を航海したことがあって

お互いが更に意気投合したみたい。

父は、その時の海の美しさに感動して、

私にウミという名をつけたって聞いてる。

おじさんは子供の頃、私にも良くしてくれたわ。」


「でも彼は、

孤児や貧困の村から容姿の良い子供達を集めて

彼の屋敷で要人にあてがっていると聞く。

顧客には軍の上層部や政財界の大物も

多いみたいだし‥

さらに彼は無差別に

人を殺しまくってる可能性が高い。」

僕は言った。


「分かってる。でも聞いて。

神帝は提督が退官する時に

二度と船に乗ることは禁止し、

陸上に縛りつけるようにしたの。

広い屋敷と領地は当てがわれたけど、

ある意味、海賊王と呼ばれた提督を軟禁したのよ。

大侯爵の地位も一代のみ。

死ねば屋敷や領地は没収される。

私の家もそうだったけど、

屋敷は帝都にあるけど、

そもそも領地は帝都から遠く離れた場所にある。

引き継げるのは、それまでに貯めた金融資産だけ。

おじさんも元提督が亡くなられたら、

平民扱いになるのをひどく恐れていると思う。

でも、私は彼を肯定してる訳じゃない。

幼い少女や少年を性的人身売買しているのは

決して許されることではない。


先生が診察したけど、

元提督は、もう意識は無かったわ。

植物状態よ。もう長くはない。

数字持ちでも寿命は伸ばすことが出来ない。


屋敷の方は改築され客室とトイレが異常に

たくさんあった。

綺麗に着飾っている召使いの子供も

どう考えても必死な人数以上いた。

中には目で何かを訴えている感じの子もいた。

売春宿になっているのは間違いなさそう。


私達はもう何年も会ってなかったけど、

おじさんは私を覚えていて喜んだわ。

私、嫌悪感を隠して探りを入れたけど、

彼が連続殺人鬼である確信は得られなかった。」


「殺人に関して彼は無実だと?」


「そんなことは言ってない。

金の亡者に変わってしまっていたけど‥

ただおじさんも数字持ちではない。」


「17番目の殺人の時、

たまたま警察は犯行直後に

現場を押さることが出来ていた。

まだ血も固まる前にね。

その時、現場近くで返り血を浴びていたのが

ネロ容疑者で屋敷に逃げ帰るのを

突き止められてる。」


「ええ‥」


「‥‥」

僕らは少しの間、黙りあった。


「さっき金融資産は引き継げるって

言ってだけど、実はウミも大金持ちなの?」

僕は最低だ。つい俗なことを聞いてしまった。


「実家を神帝から買い戻した後、

残ったたお金の半分は軍に、

半分はロマ教の慈善団体の孤児院に寄付したわ。

全然お金持ちじゃない。」


「良かった。

あっ、そう言う意味じゃなくて、

あのー。」


ウミは僕を見て笑った。

彼女は素敵な女性だ。


そして僕らは店をあとにした。


今日は三日月の夜だった。

班長を担ぐと服の上からでも、

班長の体が非常に鍛えられているのがわかった。

僕は班長の家がどこか知らなかったので、

班長を担いで警察部隊兵舎に連れて行き、

仮眠室に寝かせた。


そして、どうしても拭えない違和感を

払拭するために、

もう一度、事件簿をくまなく読み返した。

最初から疑問点はあった。

まず死体に刻まれた数字は2から

始まっており、1と刻まれた死体は

見つかっていない。

しかし班長は犯人が

最新の数字通りに23人殺したと言った。


それから事件直後の捜査のメンバー表に

班長の名がほとんどない。

偶然なのか、

ほとんど班長が非番な時に殺人は起こっている。


僕は武器庫から支給の剣を取り出して布に包み、

目立たないように気をつけながら、

ネロ容疑者の見張り部屋へ急いだ。

部屋には誰もいなかった。

ということは、

ネロ容疑者が外出しているということ。

しかし、それは揺動作戦なのかもしれない。

ネロ容疑者が行く場所とは別の場所で

殺人事件が起こっている可能性もある。

今、僕には殺人現場はどこかは分からない。

たけど真の犯人が帰る場所は‥


僕はその場に布を捨て剣を握り締め、

踵を返して風のように走った。


そしてミオ先生の研究所の前に来た。

今宵は三日月、雲は無かった。

少し明るい。


僕が犯人なら屋敷の衛兵に見つからないように

この場所の塀を飛び超え、

その向こうにあるはずの中庭に出入りする。

僕は通路を隔てた反対のものかげに隠れて

息を潜めた。


予感は当たった。


黒装束の男?が塀を軽々と飛び超え

さっと屋敷に入り込んだ。


僕もその後を追い静かに塀の前に立つ。

塀は3メートルそこそこ。

僕も飛び超えられる。

僕は今一度、警察紋章を持ってる事を確認し、

ふーと深呼吸してから塀を飛び超えた。


着地をして顔をあげると、

そこには、黒装束の者とウミと班長の3人がいた。

黒装束の者は顔に仮面を付けていた。


班長が言った。

「一度だけ聞く。

こちら側の人間になるか、

ここで死ぬか、今すぐ決めろ!」


3対1、明らかに分が悪い。

数字持ちの班長に、皇帝の剣の継承者のウミ、

そして、多分仮面を被った黒装束は

最高親衛隊のミオ先生だ。

班長は酔った振りだったのか、

それとも飲んだあの薬は

酔い覚ましの薬だったのかは分からないが、

しっかりと立って、こちらを見ていた。


僕は、もう一度ふーと深呼吸する。

僕はここに来る時から自分の真名に誓い、

覚悟は決めていた。


僕は生死を賭ける戦いの前に真名を名乗り、

神の力を身に纏う。


「私の名はマサ、真名はユキ。

マサ=ユキ。真名なよって成す意味は

正しく行く者。

帝都警察特別捜査官の名において、

そちらの黒装束の侵入者を連行します。

班長、協力して下さい。」


「融通の効かない奴だ。」


前に出ようとする班長をウミが制した。

「まず、私が行きます。」


お読みいただきありがとうございます。

今後の励みになりますので、

ブックマーク・評価・いいねなど

していただけると嬉しいです。


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