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第二十八話:眠らぬ不死者の地下迷宮(後編)

 眠らぬ不死者の館の探索にやってきたギルド『トーチ』と『マジセラ』の混成パーティ。

 探索は順調に進んでいたが、館の地下を探索中に、エレネとケンタが崖下の地下迷宮に落ちてしまう。


 そこに待ち構えていたのは、かつて噂されていたゾンビドラゴンであった。


 二人は全身にドラゴンロアとブレスを浴びて、強力なデバフと毒効果に苦しむこととなった。


 死が迫る中、ケンタはソリューションがあると宣言する。


* * *


「でも、このソリューションは、運と手間がかかる」

ケンタは震える両手を見せてぎこちなく動かす。

「思ったより衰弱が激しくて、思うように作業ができるかどうか……」


 すると、エレネも震える右手を上げてケンタにかざす。


――レイ・オン・ハンズ!


 淡い金色の光がケンタを包み込み、そのHPゲージをほぼ全回復する。

 このスキルはソウル不要のパラディン固有スキルだが、再使用時間がゲーム内時間で一週間となっており、あまり使い勝手が良いとは言えない。


「多少でも……楽に……なる……かしら?」

エレネが光の余韻をまとった手を下げて微笑む。


「残してたのか?バカやろう、自分に使えよ……

でも今は助かる。始めるぞ」


 ケンタは、ベルトポーチから指輪をひとつ取り出すと、エレネの手を取って、左手の薬指に挿す。


 エレネが、霞んだ目で眺めていると、煌めく石はダイヤモンドのようだ。

(えっ? 左手? 薬指!? なんで今?)


 さらに、ケンタの左手薬指に同じ石が光るのが視界の端に引っかかる。


(え、えええぇぇ!? ペア……ペアリング!?)

瞬間、朦朧としていた頭に血が昇り混乱が広がる。


「コイツは俺のプレミアムなWIS+2リングだ」


「……そんな……大事な指輪……私に?」

プレミアム版購入特典の指輪なのだが、エレネには違った意味に聞こえる。


「コイツは特別仕様なんだぜ」


「……と、特別?」

エルフの長い耳が端まで真っ赤に染まる。


「そして、こっちが複製品だ」

ケンタは、大量の指輪をベルトポーチから取り出して地面に山を作る。

すべて同じ、ダイヤモンドの指輪だ。


「コイツのすごいところは、同じ種類ならスタック可能なことなんだ」


 そう説明すると指輪を次々とエレネの同じ指に挿し込んでいく。不思議なことに、挿すたびに指輪同士が重なり合い、ひとつになる。

 そして、ケンタは自分の指輪でも同じことを繰り返す。


 その作業が終わると、左手をベルトポーチに突っ込んで、隣のポーチに素早く入れ直す。

 すると、なぜか指から指輪が消える。


 ケンタはエレネの手を取って、同じことを行う。

 指から抜いた感触はないのに指輪が消える。

 巧妙な手品のようである。


「複製と逆の現象――アイテムロストも起こせるんだ」


エレネが空いた左手を眺め疑問を投げる。

「これに……何の意味が……あるの?」


「まだあるんだ、VIT+2、DEX+2……時間がない、急ぐぞ!」

そう答えて、それぞれのプレミアムな指輪を同じようにスタックさせ、最後はロストさせる。


 エレネはモヤがかかったような頭で疑問を抱えたまま身を任せている。


「これでよし。次は……上げたステの反映だな」

ケンタは何やらつぶやくとコマンド窓を操作する。


そして突然、エレネに向かって爆弾発言をする。


「委員長、俺と『結婚』してくれ」


 ピコーンッ!


 エレネの眼前に、真っ白で銀の縁飾りが付いた確認窓がポップアップする。


【ケンタから『結婚』が申し込まれました。受諾しますか?】


 朦朧とした状態で思考が追いつかず、思わずつぶやく。

「最後の最後にプロポーズ?……意外とロマンチストなのね」


「違う、違う、ステ反映に必要なんだ。頼む」


 ケンタの言っている事は、ほとんど理解できないが、この窮地を脱する為に必要であるのは伝わってくる。


 エレネは震える手を持ち上げ、『YES』ボタンを押し込む。


* * *


 ピコーンッ!


 二人の前に、突如、小さな妖精が現れる。

 カオス系のGMユニットだろうか?

 青黒い肌で、背中の黒い羽根で飛翔している。

 頭には黒いウサギの耳がピンと立っている。


 「ご結婚おめでとうございますー♡」


 ケンタはなんとなく既視感を感じ、GMユニットの頭上を注視してタグを確認する。


【ピコ】


「あれ?ピコちゃん?でもアバターが……?」


「あら、ケンタさんですか?色々事情がありまして、このようなクールなスタイルになってしまいました。マスターに似てカッコいいでしょう?」

ピコがクルリと二人の周りを飛翔する。


「マスターって誰だ?ナツキちゃん?前は子供っぽかったのに、なんか性格も変わってない?」


「GMは引退したはずだったですけど、雑務は引き続き担当しろとのご命令でして――あ、すいません、おめでたい儀式を“雑務”なんて……」


ピコはウサ耳を折りつつぴょこんと頭を下げる。


「では、儀式を始めます!」

ピコはどこからともなく白い革装丁の本を取り出すと胸の前に抱いて告げる。


「ケンタさん、あなたはエレネさんを妻とし、喜びの時も悲しみの時も、健やかなる時も病める時も、これを愛し、敬い、命の限り固く結ばれることを誓いますか?」


「誓います」


 ケンタが躊躇なく答えると、ピコはエレネに向かって続ける。


「エレネさん、あなたはケンタさんを夫とし、喜びの時も悲しみの時も、健やかなる時も病める時も、これを愛し、敬い、命の限り固く結ばれることを誓いますか?」


(何?この真に迫ったイベント……大丈夫なの?)

でも、このままでは『命の限り』もあとわずかなのだ。

エレネは困惑しつつも、誓いの言葉を述べる。

「えっと……誓います……」


 ピコーンッ!


 するとピコが指輪をふたつ取り出して祝福の儀式を行う。


「主よ、この指輪を祝福してください。これは夫婦の愛と忠誠のしるしです。セレネ=エテルナの愛に倣って、互いに変わることのない愛を注ぎ続けることができますように」


【聖なる約束の指輪】:夫婦の契りを象徴する指輪

MAGIC ITEM LORE ITEM NO TRADE

スロット: 左手薬指

AC: 5

STR: +10 DEX: +10 STA: +10 AGI: +10

INT: +10 WIS: +10 CHA: +10

HP: +100 SOUL: +100

SV FIRE: +10 SV COLD: +10 SV MAGIC: +10 SV DISEASE: +100 SV POISON: +100

推奨レベル: 30

使用効果: HP、SOUL全回復 (要装備, 詠唱時間: 10.0)

チャージ: 3

重さ: 0.1 サイズ: TINY

職業: ALL

種族: ALL

価値: プライスレス


「コイツが欲しかったんだ!」

ケンタがホッとしたように破顔し、《聖なる約束の指輪》をエレネと自分の左手薬指に挿し入れる。


「まだ途中ですけど……まあ、いいか、以下省略!」

ピコがそう宣言すると手を振って姿を消す。


「お幸せにー!」


「サンキュー!ピコちゃん」

ケンタはピコに礼を言うと、早速指輪の使用効果を発動させる。

「委員長もそいつをダブルタップしてくれ」


「全回復!?3回も!」

 エレネのHPゲージは旧EOF風に言えば、あと数ドットだ。果たして10秒の詠唱時間を耐えることができるだろうか?


 エレネは、震える手で装備窓を開いて指輪をダブルタップする。


* * *


 詠唱10秒、残りHPは数ドット――致命的に長い。

 真っ赤に染まっていたHPゲージが、絶望の黒で塗り潰されようとしている。


――が


 不思議なことに、赤く染まり切ったゲージは、ゼロに落ちる直前で止まっている。

 毒も疫病も消えていないのに、その減りは嘘のように鈍い。

 死へと傾いていたエレネに、ほんの一瞬の猶予が訪れている。


 詠唱ゲージが永遠とも思える10秒を這っていく。


(間に合って……お願い……)


 そして、詠唱が完了する。


 HPゲージとソウルゲージが全回復する。

 しかし、デバフアイコンは未だ消えない。


 そのとき――ケンタとエレネのソウルゲージが純白の輝きを放ち始める。


「キュア・オーバーレヴ!」


 聞き慣れない接尾語が付いた治療魔法をケンタが唱えると、あれだけ頑強だったドラゴンのデバフが消し飛ぶ。通常のキュアの強化版だろうか?


 それだけではない、ケンタは次々と強化版のようなバフをエレネに掛ける。


「イージスシールド・オーバーレヴ!」

「ホーリーシンボル・オーバーレヴ!」

「レイズストレングス・オーバーレヴ!」


 先ほどまでの苦しみも痛みも嘘のように消えている。

 それどころか、身体の奥底から力が湧き、未知の高揚が胸を高鳴らせる。


 白銀の鎧が微かに歌うように輝きを増した。

 恐怖はもう遠く消え去っている。


「知らなかったわ……『結婚』システムにこんなすごいボーナスがついてるなんて!」


「……いや……そういうわけじゃ……」

ケンタはちょっと口ごもりつつ、立ち上がる。

「まあ、説明は後でするとして、さあ行くぞ、委員長!」


「行くって?どこに?」


「ゾンビドラゴンのねぐらに決まってるだろ!リベンジだ!」


* * *


 大空洞は、静寂に包まれている。

 時折、水滴が落ちる音だけが響く。

 ここは死者の領域。

 生あるものを拒むように、緑がかった瘴気が渦を巻いている。


 通路の出口で、内部を確認すると、奥の壁際に緑色の塊がうずくまっているのが見て取れた。


「寝てる?ゾンビって寝るのかしら?」


「『眠らぬ不死者の館』だけど、ここは増築した層って感じだし、後から仕様を追加したところはバグりやすいんだ」


 二人は再びねぐらに足を踏み入れる。


 瘴気を淡い白いオーラがはねのけ、眠る竜の前に辿り着く。


 「他のゲームなら、爆弾とか仕掛けるとこだけど、委員長の最大スキルいっとく?追加ボーナスダメージ入るかもよ?」


 「……その委員長って呼び方、やめてくれないかしら?」


 「ああ、ごめん、じゃあエレネ様?」


 「エレネでいいわよ」

 (もう!どこの世界に妻を様付けで呼ぶ夫がいるのよ)


 エレネは『燃え尽きた漆黒の長剣』を抜き、構える。


「スラッシュ・オブ・ザ・ディヴァイン・ライト!」


 漆黒の剣が白銀の光に包まれ、剣閃を放つ。


 グルゥゥ……。


 眠りを妨げられたゾンビドラゴンが気だるく首を持ち上げ、起き上がるが、一撃の効果はわずかだ。


 竜は二人を認識すると、爛れた翼を広げ、大きく口を開ける。


 ――ドラゴンロア!

 精神を砕く、不可避の咆哮が再び響き渡る。


 しかし、

 ――セービングスロー ・・・【 成功 】

 【『ドラゴンロア』をレジストしました】


 効果がないことが不思議なのか、ゾンビドラゴンは首を傾げる。

 眼下の人間を、興味深げに観察する。

 眼窩の奥に揺らめく緑の炎が、白い光が小さき者たちを護っていることに気付く。


 ならば、その光ごと焼き払えば良い。


――ドラゴンブレス!

開いた口の奥に緑の奔流がせり上がる。


「スタン!」


 しかし、ケンタのスタンで、頭を揺らされ妨害される。


「そこは強化版じゃないんだ……」

エレネが素直な感想を漏らしつつ切り込む。

「行きます!」


 エレネが黒い剣を振るう。

 錯覚だろうか?焦げたような黒い剣はいつしか白銀の炎を帯びて、竜の鱗を切り裂いていく。


 ゾンビドラゴンのHPゲージがガクン、ガクンと減っていくが、未だひとつめのゲージも削りきれていない。

 竜は腕を振るい、鋭い爪でエレネを切り裂こうとする。

 その一撃を盾で受けて、耐えるエレネ。

 いったん後方に下がった瞬間だった。

 激しい攻撃の中で予備動作が読み取れず、それは唐突に放たれる。


――ドラゴンブレス!


 暗緑色の奔流がエレネを包み込む。

 盾で防いでいるとはいえ、毒と疫病の炎が彼女のHPを急速に削っていき、ついに残り10%を切ってゲージが赤く染まる。


「くっ……」

ゲージは、なおもゼロに向かって減り続ける。

エレネの脳裏に先程までの恐怖が甦る。


――が、


「コンプリートヒール・オーバーレヴ!」


 眩い純白の光が彼女を包み、HPを全回復するが、それだけではない。

 HPゲージが限界を超えて伸びていく――


 やがて、伸び切ったゲージは莫大なHPを持つNPC用の仕様に準拠し、多段に構成し直される。

その数、実に7段。ゾンビドラゴンのそれを遥かに超えている。


「うおおおおぉぉお!!」

エレネは雄叫びと共に盾を押し出して前進する。


 そして――ブレスが途絶えた瞬間、白銀の炎を帯びた盾を、竜の頭に叩きつける。


 ゾンビドラゴンは予想外の反撃に戸惑い、怯む。


 その隙を逃すまいと、剣を構え直すエレネ。


「エレネ!」

ケンタがエレネの横に進み出て手を差し出す。


「やつを『撃退』する……それが答えだったんだ」

ケンタはエレネにこれからすべきことを伝える。


エレネはうなづき、盾を地面に突き立て、左手を伸ばす。


 ケンタがまたも聞き慣れない魔法を詠唱する。

「ソウル・エンゲージメント!」


 二人のソウルゲージが連結し、輝きを増す。


 繋いだ手が、魂も繋ぐ。心が重なる。


「「ターン・アンデッド・エターナル・オース!」」


 天から、聖なる光の柱が降り、ゾンビドラゴンを包み込む。

 竜の身体が幻影のように薄れていく。


 そして、竜の幻影は姿を変えていく。

 

 神々しい翡翠の鱗。雄々しく羽ばたく翼。その瞳はエメラルドの輝きを帯びて、二人を見下ろす。


『さらばじゃ、小さき者たち。ありがとう』


 そして、幻影は天に昇りつつ薄れて消え去る。


「これが、あのクエストの『撃退』の意味だったのね……」

エレネは素直に今回のソリューションに感嘆する。

「それにしても『結婚』って素晴らしいわ!」


気づけば、二人の手はまだ繋がれたままだ。


「まあな……さて、戦闘で経験値はもらえなかったから、カエルに完了報告して報酬をもらいますか」


* * *


 二人はカエル貴族を探し、地下水脈が滲み出す岩場にたどり着く。

 水音の合間に――どこか優雅な声が響く。


「お待ちしておりましたケロ」


 振り返れば、岩陰の水際にカエル貴族が佇んでいる。

 タキシードにシルクハット、手には青い杖。

 頭上には、『!』マークが浮かんでいる。どうやらクエスト完了の報告待ちらしい。


「……いたな」


 ケンタが話しかけると、カエル貴族はにこやかに頷き、青い杖を差し出す。


 ケンタが報酬の杖を受け取った瞬間、二人のログに「クエスト完了!」の表示が流れ、経験値バーがぐんと伸びる。


「経験値も……そこそこ入ったな」

「でも、杖が報酬って……使えるの?」


 ケンタが杖を鑑定すると、そこには、想定外の効果が書かれている。


【ブルー・アクア・ロッド】:使用効果―大量の水を入排出する。


 ケンタが試しに杖を振ると、杖の先端が青白く輝き、轟音と共に膨大な水が噴き出す。その水は奔流となり、瞬く間に迷宮全体を満たしていく。


「うわっ、これ……水位が上がってる!」

ケンタは思わず身構えるが、水流に身体を押し上げられていく。


 一方で――

「っ……だめ、浮かない……!」

 白銀の鎧に身を包んだエレネは、その重量に引きずられ、水面に沈みかけている。


「鎧を!インベントリに格納しろ!」

 ケンタが叫ぶ。

 エレネは慌てて、白銀の鎧をインベントリにしまい込む。

 途端に身体が軽くなり、ようやく浮力が働く。


 二人は水に流されながらも、やがて崖の上へと押し上げられていく。

 大量の水が噴き上がり、彼らの身体を勢いよく運ぶ。


 そして――

 崖上で待っている仲間たちの前に、二人はびしょ濡れのまま飛び出してくる。


「おお、戻ってきたドワ!」


「よかった、無事みたい! でも……なあに、その格好……?」


 仲間たちの視線はエレネに集中する。

 白銀の鎧を外した彼女の姿は、『結婚』イベント演出のまま――純白のウェディングドレス。


「な、なによこれ……っ!」

エレネが真っ赤になって慌てて身を隠そうとするが、もう遅い。


「エレネ様お似合いですー」

無邪気に微笑んで褒めるアン。


「そのドレス、クエストの報酬?私もほしいーっ!」

結が目を輝かせる。


「新婚さんいらっしゃーいだがね!」

シャチョーが囃し立てる。


 ケンタは苦笑いしつつも、濡れた前髪をかき上げてつぶやく。

「まあ……生きて戻れたんだから、良しとするか」

そして、自分のステータス窓を確認してつぶやく。

「これはわざわざ解説しない方がいいな……」


――――――――――――――――――――――――

【ステータス】

STR: 256【ERROR:OverFlow】

DEX: 256【ERROR:OverFlow】

STA: 256【ERROR:OverFlow】

AGI: 256【ERROR:OverFlow】

INT: 256【ERROR:OverFlow】

WIS: 256【ERROR:OverFlow】

CHA: 256【ERROR:OverFlow】

HP: 65536【ERROR:OverFlow】

SOUL: 65536【ERROR:OverFlow】

SV FIRE: 65536【ERROR:OverFlow】

SV COLD: 65536【ERROR:OverFlow】

SV MAGIC: 65536【ERROR:OverFlow】

SV DISEASE: 65536【ERROR:OverFlow】

SV POISON: 65536【ERROR:OverFlow】

――――――――――――――――――――――――


そう、先ほどの二人の異常な能力上昇は、スタックした指輪をロストさせて、効果だけを残すバグ技によるもので、『結婚』システムのボーナスなどではなかったのだ。


 とはいえ、ただひとつ『ソウル・エンゲージメント』による魂――心の重なりだけは真実だった。


* * *


「今日はこれで引き上げませんか?」

白銀の鎧に着替えたエレネが皆に提案する。

「私からお願いしたのに、申し訳ありませんが、色々ありすぎて疲れました」


(沈黙)


「エレネ様、今日のメインはこれからですー、ドワー!」

「そうそう、ドワーんと行きましょう、ドワ!」

「そうだがや、ドワん!」

「本物はわしだけドワ!」


「エレネのブーツも取りに行こうぜ、ドワ!」


 振り向けば、そこはドワまみれであった。


(はわわー♡)


(おわり)

――第二十八話あとがき


ごきげんよう、皆さま。最後まで読んでくださり感謝いたしますケロ。

次回の『マジチー』は閑話を今週、金曜日のお昼に投稿予定。

小人族が我輩の故郷で活躍するらしいですな。

そちらもご覧いただければ嬉しく存じますケロ。


もし少しでも楽しんでいただけたなら、ブクマやポイントを散らしていただけると励みになりますケロ。


……とはいえ、水の中でのティータイムはやはり無理がありましたな。

カップがぷかぷか浮いてしまって、優雅どころではございませんケロ♪


――カエル貴族

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