第七十四話 アイリンとシン編
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
◇◇ジランド王国・正門〜街道◇◇
ジランド王国の正門から街道にかけて、先の戦争により、凹凸があちこち見られた。そのため、道路整備が必要となり、そのクエストを請け負ったリュウとアイリン、おまけにシンがやってきた。
「シン!!その調子だ!!なに?!魔力が切れそう?おらぁぁぁぁぁっ、魔力回復薬だぁぁぁぁぁ!!」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!土魔法(中級)・地ならし!!」
土魔法の使い手であるシンが土建屋の親方にシバかれながら、凹凸であった道がどんどん整地されていった。
「よっしゃぁ!!魔法でコンクリ入れろ!!」
「魔法はそこまで万能じゃありませんよ!!」
「ちっ!」
土建屋の親方は部下に指示しながら、テキパキと作業を進める。
「(土魔法を持っていたら、あんなにしごかれるのか。)」
土建屋にとって土魔法持ちの人は優遇されるが、同時にブラック社員同然になる。
リュウは手持ちの魔法に道路整備に役立つものは持っていなかったので、運搬の方に回っていた。ただシンの様子を見る限り、土魔法を持っていなくて良かったと心の中で安堵していた。
アイリンはその道路の脇にエルフ魔法により、見栄えよく木を植えていった。
「(こうやって道路整備していって、周辺の魔物相手に人間の縄張りを主張する。多少なりの効果はあるだろうな。)」
リュウはドラゴンとしての自分自身から来る経験からそう思った。
シンが地ならししていると前方から、何かが這い出てきた。
「キュキュ?」
それは可愛らしい鳴き声であった。
「・・・土竜?」
土竜と呼ばれた小さな魔物は周囲の様子を見渡すと悪い表情する。これは邪魔してやろうという雰囲気であった。
「おい、捕まえろ!!土の中で悪さされちゃ、かなわん!!」
土建屋の親方の怒号が飛ぶ。
「(土竜か。ドラゴンの遠縁に当たるとされているが、実際のところどうだか知らないな。常に土の中にいる魔物。)」
可愛らしい哺乳類のモグラを土竜と呼ばれている。それは土の中にいるため、生態系があまり把握できず、竜に進化できる魔物ではないかとされているからだ。
「えぇ、僕の魔法じゃ、相性が悪いですよ?」
シンが親方に論より証拠とばかりに土魔法で地面から簡易的な手を創造した。
「土魔法(初級)・マッドハンド!!」
創られた土の手で土竜を捕まえた。
「土掘り!!」
土竜は土で創られた手を掘るようにあっさりかき消した。どうやら土竜は土に対して無効化出来る手を持っているようだ。
「ほら・・・。」
「一撃で叩きのめせよ!!」
土建屋の親方がゲンコツでシンの頭を叩く。まるでこの通りにやれよとパワハラかましていた。
「いたっ!わかりましたよ!土魔法(中級)・ゴーレム召喚!!」
5Mの人型ゴーレムが地面から這い出るように形成されていく。
「叩きのめしてください!」
ゴーレムが土竜をゲンコツで叩き潰そうとする。
「地面潜り!!」
土竜は地面を掘って、回避した。
「キュキュ(はっずれ〜)」
別の場所から土竜が顔を出す。まるで挑発しているかのようだ。
「そこ!!」
ゴーレムが再びゲンコツ。土竜はまた地面の中に潜る。その繰り返しでモグラ叩きゲームかのような現象が起きた。
「シンは何している?」
アイリンがモグラ叩きしているシンの様子に「?」とした。
「楽しそうだな。」
二人してシンのモグラ叩きを観戦していた。
「ちょっと見てないで手伝ってくださいよ!!」
シンに呼ばれたからには手伝わなければいけない。仮にも同じクエストを受けている仲間だから。
「気配探知(弱体化)!」
リュウが土の中に潜っている土竜の気配を追う。
「アイリン。そこだ。」
アイリンが土竜の出現先を先回りし、エルフ魔法の準備を行う。
「土堀り!!」
「あぁ、ゴーレム?!」
土竜は巨大なゴーレムを内からミミズ状に掘っていき、破壊した。その瞬間、土竜が姿を現す。
「エルフ魔法(中級)・植物拘束!!」
アイリンが先回りし、木の枝で土竜を捕える。
「キュキュ(しまった)!?」
土魔法に対して無敵を誇る土竜は木の枝に対して無効化できず、ジタバタするのみだった。
「よくやった!!」
土建屋の親方が大きなハンマーで土竜を叩き潰す準備する。
「キュキュキュキュ(やばい!助けて!?)」
土竜の命乞いの言葉を人間には理解出来るはずもなかったが、人外のリュウには理解出来てしまった。
「・・・少しだけ待ってくれ。」
土建屋の親方の大きなハンマーを手で制した。
「なんだってんだ?」
リュウが捕らえた土竜にドラゴン語で話しかけてみる。
『曲がりなりもドラゴンから派生した種。多少なりと話は通じるだろうか?』
『!?』
『やはり通じないか?ならば殺しても・・・?』
『待って待って!!わかる!!』
『もう悪さはしないか?』
『しない!しないから助けてぇー!!』
リュウが木の枝で捕まえているアイリンの方に向く。
「アイリン、離してやってくれ。」
「ん、わかった。」
リュウの言う通りに土竜を解放するアイリン。
「(やはり気付いてますね。)」
アイリンの行動にシンが勘付いた。
「お、おい!?」
「もう悪さはしないと言っている。どうか助けてやってくれないか?」
リュウは土建屋の親方に見逃すように言った。
「何言ってんだ?そいつの言うことがわかるってんのか?」
「これを見てくればわかるはずだ。」
土建屋の親方の目には土下座している土竜の姿があった。命保身のための目一杯の土下座であった。
「・・・態度で示されちゃ、見逃してやるが、二度目はないからな!!」
土竜はそそくさと地面に潜って逃げていったのであった。
一悶着はあったものの、道路整備クエストはクリアしたのであった。
◇◇ジランド王国・南街◇◇
リュウとアイリンは道路整備クエストの収入により、繁華街に赴いていた。様々な屋台が並び、活気あふれる中を歩く二人。その後ろにストーカーのようにシンが付いて回っていた。
「(落ち着かないな・・・。)」
リュウはそう思いながらも、屋台食べ歩きに精を出していた。アイリンは後をついて回るシンの存在に気付いてないようだ。
「たこ焼き食う?」
「食う。」
「焼きそば食う?」
「食う。」
「クレープ食う?」
「食う。」
アイリンが色々な屋台を連れ回し、端から見ればリュウに餌付けをしていた。
広場に出て、椅子に座って休憩する。
「飲み物買ってくる。」
アイリンが席を外す。するとシンが隣に座ってくる。
「奇遇ですね。」
「嘘つけ。俺たちの後を付いてきてただろう。」
リュウのジト目にギクッとするシン。
シンは金髪で耳長の容姿端麗なエルフ族の男性。青いトンガリ帽子を被り、杖を持ち、青いローブを羽織っていた。
「確か、エルフ族は魔法に長けていて、森奥深くに住む・・・ということだけしか知らないな。」
「・・・そうですね。エルフの里は森奥深くにあり、50年くらい住んでましたね。」
「・・・ん?お前、何歳だ?」
「え?65歳ですよ。」
年齢とシンの容姿が噛み合ってなかった。目の前にいるシンは20代前半の容姿であった。
リュウが思い出したかのような表情をする。
「あぁ、エルフ族は長寿だったな。見た目に騙された。」
シンがいやいや!と全力で首を横に振る。
「リュウの方が500歳以上生きてますよね!その見た目じゃ、そっちのほうが騙されますよ!!」
「ぬ・・・そうか。」
リュウの見た目は小柄で15歳と通していた。
「そういえばアイリンは人族とエルフ族のハーフと聞いていたが。」
「・・・アイリンは小さい頃からエルフの里で苦労してましたね。」
シンがアイリンのことを語り始める。
「アイリンは見た目はエルフではありましたが、髪が黒く周りの目には異端に見えましたね。」
純粋なエルフ族であれば全員が金髪のようだ。
「しかも当時は魔法も使えず、落ちこぼれのエルフでしたね。」
「ほぅ。」
「だけれどもアイリンは人一倍努力家でした。何年も魔法の勉強を重ね、ついにエルフの里の皆に認められるほどの魔法使いに成長しました。」
シンが興奮する。
「私はそんなアイリンが好きになったのですよ・・・。」
そうは言うもの、急に落胆するかのような表情をする。
「だけど、皆に認められた矢先にディモール王国にエルフの里を滅ぼされて、アイリンは復讐の念に駆られましたね。私もですが。」
シンがリュウを見る。
「あなたがいたおかげでアイリンも私も救われました。ありがとう。」
リュウが照れてしまう。
「急に恥ずかしくなることを言うなよ。」
リュウとシンの間で友情が育まれる。
その様子を陰からアイリンが「リュウ×シン・・・いい。」とBL方向に鼻息を荒く立てていたのであった。
「・・・ところでアイリンは何歳なんだ?」
リュウの質問にシンが返事しようとすると背後に殺気を感じた。
「それは禁句。」
アイリンがシンの頭に飲み物をぶっかけた。
「あっちゃちゃー!!」
どうやら熱い飲み物のようだった。シンはそのまま駆けて退場したのだった。
「リュウ。私の年齢を話題しない。」
アイリンの威圧感に圧されたリュウがコクコクッと首を縦に振る。
「(なかなかの威圧だ・・・。やはり人間は侮れんな・・・。)」
変に感心してしまうリュウだった。
「・・・シンはアイリンに好意を持っているようだが?」
「あぁ・・・あのロリコンね。」
「ん?ロリコン?幼なじみではなかったのか?」
「エルフの言う幼なじみは最大40歳違いまでね。」
「(・・・ん?シンが65歳ということはアイリンは最大でも・・・)」
「考えないで!」
「あ、あぁ・・・。」
アイリンの言う通りにリュウは考えないことにしたのであった。
「はい。飲み物。」
「あぁ。」
リュウがカップを手に飲む。アイリンの姿を眺める。
アイリンは黒髪で耳長で小柄の体格。灰色のローブを羽織り、胸がぺったんこ。人族とエルフ族とのハーフ。
「(人間の美的基準で言えば可愛い方に入るのか?)」
リュウがそんなことを考えてたら、アイリンが唐突に口を開く。
「リュウは・・・覇竜様?」
「ブーッ!!」
リュウがむせ、飲み物を豪快にぶちまけた。
「汚い。」
「す、すまん・・・。」
「で、覇竜様なの?」
追及してくるアイリンにリュウがアタフタする。
「やはり気付いていたのですね。」
退場したと思われたシンが再度登場した。
「いつからです?」
「リュウが泊まりに来た時。蜥蜴族と人族のハーフは珍しく、色々調べていた。その時から怪しんでいた。」(第十六話参照。)
アイリンがリュウの折れ曲がった角に目線をやるとシンも理解したようで頷く。
「あぁ、角から年齢層を読んだわけですか。」
「(何?角から年齢が読めるのか?)」
リュウにとっては衝撃的な言葉であった。木の年輪から読むと同じように角から年齢を読み取ることはエルフ族にとって訳なかったようだ。
「もし覇竜様だとしたら、何故そのような姿に?」
「・・・そ、それは・・・。」
口ごもるリュウの様子にアイリンが理由を聞くのはやぶさかと感じた。
「これ以上は何も聞かない。だけどこれだけは理解して欲しい。何があっても私はリュウの味方する。」
「・・・あぁ。」
「僕もです。」
リュウとシンが目線を交わした時にアイリンが小声で呟く。
「そしてBLネタを私に提供すること。」
リュウとシンがアイリンの言葉が聞こえたのか、「「え?」」と同様の反応した。
アイリンはそんな二人を他所に「うふふふふ。」とあらぬ妄想に耽っていたのであった・・・。
次回、リーゼとソル編。
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