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第六十四話 亡国ルクテシア王国戦13 VSジャイアントリッチ①

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!


◇ジャイアントリッチ◇


HP45000/45000

MP10000/12000


攻撃力11000

防御力7000

魔力6000

敏捷性270


ー魔法ー

闇魔法(上級)

死霊魔法


ースキルー

悪霊の触手

悪霊の盾

悪霊の槍

ナイトメアインフェルノ

死者の咆哮

自己再生



 リーゼ達は全長10Mはあろうかというゾンビの集合体かのような腐った体を持ち、骸骨顔のジャイアントリッチと戦いを繰り広げる。


 ジャイアントリッチはリーゼ達に対して、地団駄を踏むかのように足を動かす。例えるなら人間が動き回る虫を足で叩き潰さん光景である。


「一発食らうとアウトよ!!注意して!!」


 リーゼはアイリンを「豪腕」スキルにより、片手に担いで避ける。メイファが三体の「影分身」スキルを出し、撹乱を狙った。エンカはジャイアントリッチの足にしがみつき、登っていった。


「チョコマカト!!悪霊の触手!!」


 ジャイアントリッチの両手の指先から細巻き状の悪霊がリーゼたちを襲う。


「剣技・五月雨斬り!」


 リーゼが細巻き状の悪霊を斬っていく。メイファも火を取り込んだ焦熱爪で斬った。ただジャイアントリッチの体を登っていってたエンカが細巻き状の悪霊に体をグルグルされ、捕まった。


「あれー?」


 呑気な顔をするエンカ。ジャイアントリッチはエンカを手繰り寄せるかのように眼前に持っていく。


「エンカ!?」


 リーゼ達が慌てる。


「フフハハハ、マズハ一人!オ前カラ殺シテ・・・。」


 ジャイアントリッチがエンカを間近に見て、角付きでただならぬ気配にハッと気付いた表情をした。


「オ、オ前ハ!ド・・・」


 エンカが大きく息を吸う。


「ドラゴンフレイム(弱体化)!!」


 広範囲の火を吐き、ジャイアントリッチの顔を直撃する。


「グワァァァー!!」


 ジャイアントリッチがたまらず、悪霊の触手によってグルグル巻きにしていたエンカを離した。そこから落下するエンカはジャイアントリッチの腹の部分にしがみついた。


 広範囲の火を受け、あまりの熱さに顔に手を当て、よろけるジャイアントリッチ。


「チャンスよ!!」


 リーゼとメイファがジャイアントリッチの体を駆け上がっていく。腹の部分にしがみついたエンカも遅れて体勢を立て直し、駆け上がる。


 リーゼ、メイファ、エンカがジャイアントリッチの顔に接近し、攻撃を仕掛ける。


「神速剣・流星!」


「魔爪裂空斬!」


「メルトダウンアロー!」


 各々の技を出すが、ジャイアントリッチは「ウガァァァッ!」と羽虫を振り払うかのように手を振り、三人を吹き飛ばした。


「きゃっ!」


 そのまま地面にまっ逆さまになる三人だが、アイリンが巨木を出し、「エルフ魔法(中級)・植物拘束!」と無数の枝で助けた。


「ありがとう!」


 ジャイアントリッチはエンカにより、ダメージを受けた顔の部分をジャイアントリッチの内部からゾンビがそろぞろ集まり、回復した。「自己再生」スキルの現象である。


 ジャイアントリッチがエンカをギロッと見る。


「オ前カラ排除スル!」


 エンカに目掛けて勢いよく手で捕まえた。


「あ、また捕まっちゃった。」


「コノママ握リ潰シテクレル!!」


 ジャイアントリッチが思いきり握った。エンカは「うぎぎぎぎ・・・!!」と力一杯に体を広げ、耐えた。


「エンカ!?」


 リーゼがエンカを助けようと「神速」スキルでジャイアントリッチの体を駆け登り、エンカの握ってる手首を目掛けて「豪腕・竜殺し!!」と剣を振った。だが、威力が足りなかったため、手首の半分しか斬れなかった。リーゼはくるりと回転し、地面に着地した。ジャイアントリッチが斬られた手首をまたもやゾンビがそろぞろ集まり、自己再生した。


「(コイツ、握リ殺セナイ!!最強技・死者の咆哮ハ体力ヲ使ウ!!ナラバ・・・)」


 ジャイアントリッチはエンカを思いきり投げ飛ばした。


「あれぇぇぇぇぇぇーーーー!!」


 遥かな空へ風切り音を聞きながら、放物線のように描きながら飛んでいくエンカ。


「エンカーー!?」


 リーゼたちが飛んで行った先を見やる。


「次ハオ前タチダ!!」


 ジャイアントリッチがリーゼ達に攻撃を仕掛ける。リーゼ、メイファ、アイリンが力を合わせ、ジャイアントリッチの猛攻に耐えるもついにリーゼ達は膝をつく。


「フハハハハ、ヨク粘ッタガココマデダ!」


 リーゼが剣に体を預け、膝をついていた。


「(何よ・・・。強くなると誓ったのに。覇竜様に顔を合わせられないじゃないの・・・。)」


 悔しそうに歯軋りをするリーゼ。背後にいるメイファもアイリンも同様の感情を持っていた。


「何故、オ前達ガ生キテイル!?マサカ我デモ不可能ダッタ死者蘇生ノ魔法ガアルノカ?」


「違うわ。生まれ変わりよ。」


 その答えにジャイアントリッチが憤慨するかのような表情した。


「神ノ仕業!?」


「そこは御業と言って欲しいわね。」


「フン、我ラヲ助ケテクレナカッタ神ナド敵ヨ!!」


「この世界を作り出した創造神フォルトゥナ様をそのように言うと地獄に堕ちるわよ。」


「ハッ、神罰ナド落チテコヌッ!デハ、再ビ死ネ!!」


 ジャイアントリッチは悪霊の集合体の玉である技の「ナイトメアインフェルノ」を出さんと口を開ける。直撃すれば、体が溶け落ちる技である。リーゼたちが「(ここまでか。)」と下を向く。


「グァッ!!」


 突然、ジャイアントリッチがうめき声を上げた。リーゼ達が何事かと顔を上げた。そこにはジャイアントリッチの胸の部分に穴が開いた姿があった。同時にドゴドゴッと地響きを立てる。リーゼ達が鈍い音のした方に振り向くと地面に上半身に突き刺さった三人の姿が。


 リーゼたちは吃驚したかのような表情で上半身に突き刺さった三人を凝視する。


「ソル・・・?」


「ポチなのニャ?」


「シン?」


 リーゼ、メイファ、アイリンが口々にしながら、確認する。なんと地面に突き刺さったのはソルたちであった。


「え?なんでこうなるのかしら・・・?」


 リーゼ達がソルたちの不可解な出来事に困惑する。


「引っ張ってくれ・・・。」


 上半身が地面に突き刺さったソル、ポチ、シンが情けない声を出す。リーゼ達が急遽にソルたちを引っ張り上げた。


「・・・何が何だか訳わからない状況だけど、あなた達に一体何があったのよ?」


 リーゼたちの問いにソルたちが時間を遡るかのように脳裏に今までの出来事を思い起こす。



◇◇回想・亡国ルクテシア王国跡地の近辺の森林にて◇◇


「リーゼ達には黙っておいてくれ。まだリーゼ達と冒険がしたいからな。」


 リュウが「人化魔法・人間解除」で本来の姿である覇竜に戻った。


「お前は・・・お前は・・・いや、あなた様はぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」


 高さ10M級、翼を広げると全幅20M級あり、銀色輝くドラゴン。その姿を見たソル、ポチ、シンが腰を砕け、尻餅をついた。


「は、は、は、覇竜様ぁぁぁぁ!!」


 ソル達が驚愕な表情をした。ウルスは察し通りだったのか、膝をつき、頭を垂れていた。


 覇竜がやや身を屈める。


「驚くのは仕方がないが、さっさと乗れ。ジランド王国に向かうぞ。その道中で話を聞いてやる。」


 その言葉にハッと我に返るソル。ダークを背に乗せた暴竜がジランド王国に向かった今、驚きのあまりに固まる暇はない。冷静にならんと深呼吸し、ウルスに振り向く。


「ウルス。お前はここまでだ。」


「何故だ?ここまで来たからに最後まで付き合うである!」


 ウルスが立ち上がり、ソルに詰め寄る。


「いや、お前は亡国ルクテシア王国までの案内役。それは終わった。」


「我輩はジランド王国の橋渡しを行う役目がある。蜥蜴族の未来のために!」


「今は状況が変わった。ジランド王国はリッチ、そしてダークを含む暴竜に対する戦争は避けられないとみる。その中に無関係のお前を連れていけない。」


 ソルが首を横に振る。


「・・・いや、関係はあるはずだ!我輩達、蜥蜴族はリッチに因縁がある!! 」


 ウルスは食い下がる。かつて蜥蜴族はルクテシア王国に集落を滅ぼされた。その因縁を持ち出す。


 覇竜が「ウルス。」と口を出す。


「蜥蜴族の未来を思うなら、今までの経緯を報告に帰って欲しい。お前に万が一のことがあれば長老ロウ、そしてお前の住む蜥蜴族はジランド王国の人間を快く思わないだろう。」


 うかつに連れて行って、死なせてしまったら、事情を知らない長老ロウや蜥蜴族は人間に迫害を受けた等とあらぬ誤解を受けることになるだろう。


「あ・・・。」


 ウルスが気付いた表情した。ソルが薄く笑いながら「なぁに。」とウルスの肩に手をかける。


「すべてが解決したら、ジランド王国と蜥蜴族との輝かしい未来が待っているさ。」


 ウルスは「・・・わかったである。」と頷いた。


 ソルたちが覇竜の背中に乗る。覇竜がこの場に残るウルスに声をかける。


「また会おう。」


 ソルたちを含む覇竜はジランド王国に向けて飛び立った。


「・・・・。」


 ソルたちにとって初めての空の旅なのにどこか暗く、閉口している。覇竜が「どうした?」と訊く。


「覇竜様がリュウであせられたなんて。数々の非礼をお許しください。」


 高飛車な性格のソルの表情が冴えなかった。ポチもシンも同様だった。覇竜はリュウとして、初対面で喧嘩を売られたり、恋敵にされてしまった過去を思い出す。


「・・・ソルは私を戦友と言ってくれただろう?私は嬉しかったぞ。だからいつものように接してくれまいか?」


「あ、いや、その・・・。」


 煮え切らない態度のソル。


「あれは嘘か?」


 覇竜がシュンとする。ソルが慌てて「わかった!覇竜!」と声をかけた。


「リュウが覇竜ならやたらに強い理由がわかったが、何故、人間に?」


「あぁ、冒険者がやりたくてな。この姿だと自由に動き回れないからな。リーゼ達と冒険すると中々、面白い体験をしている。」


「そ、そうか。」


 ソルはゴニョゴニョと秘密話するかのようにポチとシンに話しかける。


「リーゼ達はリュウを覇竜だということを知っている訳ないよな?自力で気付きそうだから、その時が来るまで黙っておこう。」


 ソルの小声にコクッと頷くポチとシン。


「ジランド王国まで時間がかかる。体を休めておけ。」


 覇竜の言葉にソルたちが体を休める。そしてジランド王国まであと200kmの距離になったら、覇竜がピクリとする。


「気配探知により、ジランド王国はリッチ率いるアンデッド系魔物の大群と戦争中だな。」


「リーゼ達は!?」


「強敵の二体と戦ってるな。」


 その頃、リーゼ達はゾンビマスターソードとゾンビマスターウィザードの二体と戦っていた。覇竜が気配探知スキルでさらに探ると気になる二人を見つけた。


「・・・クレアとエンカが出てるな。気分屋のクレアが出るとはな。何かの心境の変化があったか。」


「・・・え?魔性の館のクレアとエンカ?」


 ソルが思わず聞き返した。※魔性の館はジランド王国の西の街に娼館があり、クレアはそこの道端でテントを出し、経営してるのだ。大繁盛してるらしい。


「・・・その反応は魔性の館に行ったことがあるのか?」


 覇竜の問いにソル、ポチ、シンが顔を赤らめる。


「い、いや、だってなぁ、クレアの幻惑魔法で好きな人のあは~んなこ~んなことな幻覚が見れることで有名だからなぁ。リーゼ、良かった・・・。」


「メイファのあられない姿が見れたワン・・・。」


「僕はアイリンなんて見てません見てません・・・。」


 ソルたちがぐへへ・・・といやらしい表情をした。覇竜がツーッとドン引くかのように汗をかき、「(リーゼたちがソルたちを生理的に受け付けない理由はこれか?)」と思ったのだった。


「しかし、クレアとエンカが戦場に・・・?お強いんですか?」


 シンが疑問を口にした。ソルが「(そういえば二人も角付きだったが、まさか・・・)」と嫌な予感がする。


「ああ、二人はドラゴンだ。クレアが魔竜でエンカが炎竜の幼生体だ。」


 覇竜がさらっと答えた。するとソルたちが「なんだとぉぉぉー!!」と驚愕した。


「クレアとエンカが出るなら、リッチや暴竜相手でも持つだろう。」


 さらに飛び進むと気配探知にて戦争の状況をとこどころ把握する覇竜が突然、やや焦る。


「む、リッチがアンデッド合体で巨大化した。リーゼ達が立ち向かうようだ。これはまずいな。」


「なんだと!もっと速く飛べないか!?」


「悪い。この巨体では速く飛べないのだ。だが、手はある。」


 覇竜が口から魔法陣を出し、「風魔法(上級)・飛翔!!」とソル達を浮遊させる。


「うわぁ!飛んでるのか!!」


 ソル達がいきなりのことに驚いた。


「今からお前達を飛ばす。・・・しっかり耐えねば目が飛び出すであろう。」


 覇竜の不穏な言葉にソル達が「え・・・?」と聞き返す暇もなく、顔が引きずられるように猛スピードで飛ぶ。


「ふげぇぇぇぇぇぇー!!」


 速度約1000kmは出てるであろう。それに伴い、顔が「あばばばばば」状態の変顔になり、体が軋む。


「✕✕✕✕✕✕✕!!(覇竜、恨むぞぉぉぉ!!)」


「✕✕✕✕✕✕✕!!(俺の筋肉、耐えろワン!!)」


「✕✕✕✕✕✕✕!!(これじゃ、辿り着く前に死にますぅ!!)」


 ソル達が言葉にならず、目が飛び出さないように、体の中身が飛び出さないように必死に耐える。体感時間は長く感じられたが、実際はほんの僅かな時間を経てジランド王国が、そしてジャイアントリッチの背中が見えた。あまりのピンポイントさに覇竜はそこを狙うように操作していたのだろう。


 ソルが猛スピードにより、体が軋む中、無理矢理に剣を構える。ポチも爪を伸ばし、魔力を込めて強靭な「魔爪」となり、無理矢理に構える。シンは杖をつかむだけで精一杯だった。ソルとポチが横並びにその後ろにシンという陣形を取った。


「✕✕✕✕!!(豪腕・竜牙突!!)」


「✕✕✕✕!!(豪腕・回転獣狼爪!!)」


 ソルが穿つ構えかのように剣を伸ばす。ポチがスクリュー回転しながら両爪を合わせるかのように腕を伸ばす。二人の技がジャイアントリッチの背中から通過し、胸の部分を貫いた。その衝撃で猛スピードは殺され、ソル達は地面に落下する。


「うわぁ!シン!!」


 ソルの言葉にシンがあらかじめ準備していた魔法を出す。


「土魔法(中級)・ロッククリエイション!!」


 地面を急遽、砂場のように柔らかくし、ソルたちは上半身ごと突き刺さったのだった・・・。



◇◇回想終了◇◇



 リーゼが「ソル?」と声をかける。


「あー、詳しく話す暇はないようだ。」


 見上げるソルの先はジャイアントリッチ。穴が開いた胸の部分が「自己再生」スキルによって、ゾンビがそろぞろ埋め尽くされ、塞いだ。


 ジャイアントリッチがゴゴゴゴ・・・と威圧感を与えながら、構えていた。


 ソル、ポチ、シンが立ち上がり、リーゼ達と陣形を組む。


「この戦いが終わったら、しゃべってもらうわ。」


 リーゼが剣を構えながら、隣に立つソルに声をかけた。


「・・・・。」


 ソルは先程の回想にあるように事の顛末を馬鹿正直に言うなら、リュウが覇竜のことを話さなければいけないことになる。冒険者を続けたい覇竜の意向を聞いていることもある。よって答えは決まっていた。


 ソルは剣を構えながら、歯をキラッとした。


「黙秘で構わないか。」


 リーゼ、メイファ、アイリン、ソル、ポチ、シンがジャイアントリッチに立ち向かうのだった。


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