第六十三話 亡国ルクテシア王国戦12 ジランド王国史上最大の戦い始まる
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
リーゼ達がエンカと合流する。ちなみにロックは傷を負ったため、後方回復支援部隊に回されて行った。
「エンカ!まさかここにくるとは思わなかったわ。・・・クレアも?」
リーゼがクレアを警戒するかのようにキョロキョロする。
「お姉様はあとから来ます!!」
「そう。」
メイファがエンカの高熱仕立ての爪を見る。
「その爪、火を取り込んでるニャ。どうやってるのニャァ?」
「魔爪」スキル使いとして気になるところなのだろう。
「魔力を込めながら、火をこねる感覚で取り込んでるよ!!」
メイファがふむふむと参考にしてる。
「爪でゾンビを斬ったから、臭いがついて嫌なのニャ。でも火を取り込めれば、消臭できて攻撃力も上がるニャァ。」
「やってみる?火、吹けるよ。」
エンカが軽くボッと火を吐く。リーゼ達が少々の驚きを見せるが、リュウもやっていたことなので、蜥蜴族と人族のハーフにはそういうスキルがあるんだろうと納得していた。
「やってみるニャ!!」
メイファが両手の約20センチの爪を立てる。エンカが爪に向かって火を吐こうとするが、調節を誤ったのかメイファの両手ごと燃やしてしまう。
「ニャニャニャー!!」
あまりの熱さに涙目で駆け回るメイファ。
「あ、ごめん。」
エンカが悪びれるかのようにてぺぺろっと舌を出す。
戦争の真っ最中だというのにコントさながらのことをやってのける二人に、リーゼがこめかみに手を当てて「何してるの・・・。」と呆れた。ちなみに手を焼かれたメイファはアイリンの回復魔法で回復した。
「新技が出来た!焦熱爪と名付けるニャ!!」
メイファは爪に火を取り込むことに成功したようだ。
「さぁ、残党掃討しましょう!!」
「おぉぉー!!」
強者の手駒をほとんど失ったリッチ率いる不死軍団にはもはや残党と呼ぶに相応しいレベルに落ちていた。普通の人間なら敗走だが、相手はゾンビ。最後まで叩き潰す必要があるのだ。
◇◇リッチ視点◇◇
「(コレハドウイウコトダ・・・。)」
高みの見物ごとく宙に浮かぶリッチが信じられないといった表情していた。
・ルクテシア王国最強の騎士であったジェネラルゾンビ
・ルクテシア王国最強の剣士であったゾンビマスターソード
・ルクテシア王国最強の魔法使いであったゾンビマスターウィザード
それぞれが倒れていた。これで残るリッチの強力な手駒はゾンビアサシンだけだが・・・。
◇◇カインズ達VSゾンビアサシン◇◇
カインズとラインゴッド騎士団長が大剣を背に納める。
「やりにくかったですね。」
「あぁ、セバスチャンのようにトリッキーなやつだったな。思考が似ていたから倒せたが。」
カインズの手にゾンビアサシンの首があった。どうやらすでに決着がつき、ゾンビアサシンを倒したようだ。
カインズ達が戦況を眺める。そこにはリッチの最強の手駒達に打ち勝ったリーゼ達の姿があった。
「敵陣に強いやつはもういないだろ。あとはあの骸骨・・・リッチを残すのみだ。」
「えぇ、まだ油断は出来ませんが、こちらのほうが優勢ですね。」
ジランド王国とリッチ率いる不死軍団との戦争はジランド王国の優勢で終局に入りつつある。
◇◇◇◇
ルクテシア王国最強のゾンビアサシンまでもがやられた。
「ソ、ソンナ馬鹿ナ・・・。我ガルクテシア王国最強ノ四体ガ敗レタ・・・。」
リッチは自らの不死軍団が劣勢に追い込まれる様子に認めたくないと言わんばかりに頭を抱えた。
「人間トシテノ戦争ダッタラ敗走シテイタダロウガ・・・我ラハ人ニアラズ!!」
リッチが杖を高く掲げる。
「我ニ集マレ!死霊魔法・アンデット合体!!」
リッチを中心に不死軍団のゾンビが集まり、組み合わせるかのように徐々に大きくなる。最終的に全長約10Mの腐った体に顔が巨大骸骨のジャイアントリッチになった。
それを見たカインズとラインゴッド騎士団長が対応する。
「ラインゴッド!!」
「えぇ、魔導砲部隊。照準を合わせろ!!自己再生スキルがあると情報が上がってる!顔を吹き飛ばせ!!そこを狙え!!」
「自己再生」スキル持ちの魔物は基本的に多少の傷を負ったとしても回復できる。だが、脳や心臓といった中枢となる器官がやられれば、回復は出来ない。その関係により、ラインゴッド騎士団長はそう指示したのである。
その指示を受けた魔導砲部隊が動く。巨大魔導砲の筒を数人がかりで動かし、照準を調整する。
急遽、ラインゴッド騎士団長の元に駆け込む部下の一人。
「た、大変です!」
ラインゴッド騎士団長が「どうした?!」と部下の報告を待つ。
「ぼ、暴竜の姿が確認されました!!」
「なんだとぉ!!」
カインズとラインゴッド騎士団長が望遠鏡を使い、西の遥か遠くにダークと暴竜の姿を確認する。
「ダークがいるということは暴竜を従えてるのかっ!」
カインズが苦虫を噛み潰したような表情をした。ラインゴッド騎士団長が「早急にリッチを倒さねば!!」と魔導砲部隊に準備を急がせる。
「フフフフハハハハ!!」
ジャイアントリッチが高らかに笑いながら、足だけでジランド王国騎士団と冒険者有志たちを簡単に蹴散らしていく。
「戦争ヲ楽シモウト思ッタ我ガ愚カダッタ!最初カラコウヤッテ潰セバ良カッタノダ!!」
動き回るリッチに魔導砲部隊が照準を合わせるのに苦心する。
「だめです!動きが激しく照準が合わせられません!!誰かが動きを止めないと・・・。」
「くっ・・・。」
ラインゴッド騎士団長が「(暴竜が来る前になんとしてでも倒しておきたい!)」と何か手立てを考える。
「あ、あれは・・・?」
魔道砲部隊が照準を合わせる過程でジャイアントリッチの肩に一人分の影に気付いた。その容姿は黒髪ロングウェーブのグラマーな女性であった。
「ねぇ~。あんたがリッチなの?私の友の水竜をゾンビにした死霊魔法使いとやらは。」
それはクレアだった。声をかけたことでリッチが自らの肩にいるクレアの存在に気付いた。
「ナ・・・。イツノ間ニ!!」
「氷魔法(中級)(弱体化)・氷結!!」
クレアが氷魔法で巨大骸骨の表面を氷付けにして、動きを止める。同時に巨大魔導砲の照準が合った。
「今だぁー!撃てぇー!!」
ラインゴッド騎士団長がそう指示するも巨大魔導砲の引き金を引く部下が躊躇う。
「あの女性に当たりますが・・・。」
「あいつは大丈夫だ!いいからやれー!!」
クレアが魔竜だということを知ってるラインゴッド騎士団長が強制的に命じた。これにより、騎士は引き金を引いた。
ドッカァァァーン!!
巨大魔導砲から巨大な魔力エネルギー弾がジャイアントリッチの氷付けの骸骨顔に目掛けて発射された。
「あ~ら~。それは痛いわよ~。」
魔竜として巨大魔導砲を受けた経験があるクレアが咄嗟にジャイアントリッチの肩から素早く降りる。
魔力エネルギー弾がジャイアントリッチの氷付けの骸骨顔に当たるかと思われた。だが、その直前にジャイアントリッチは首を振って、氷付けを力ずくで割った。すぐさまに「悪霊の盾!!」と口から多数の悪霊が放出され、盾となった。魔力エネルギー弾が悪霊の盾に当たり、激しい音と共に煙が立ちこめる。
「やったか!?」
ラインゴッド騎士団長が身を乗り出す。だが、煙が晴れると無傷のジャイアントリッチの姿があった。
「・・・時間切れか。」
カインズが背に大剣を取り出す。ジャイアントリッチの上空にダークと共に暴竜がやってきていたのだった。
「あ・・・あ・・・。」
ジャイアントリッチと暴竜の巨体怪獣さながらの二体に怖じけをついて逃げ出す多くの騎士達と冒険者有志達。その中に勇気を持って立ち向かう者もいた。それはリーゼ達だった。
「クレア!何しに来たの!?」
リーゼ達がクレアと合流する。
「あ~ら。戦いに来たに決まってるでしょぉ~。」
「そんな格好で!?」
リーゼがクレアの巨乳を強調した服にスリットのついた長い黒スカートに指摘を入れた。
「お気に入りなのよねぇ~。」
お色気ポーズを取るクレア。
「真面目にやって頂戴!!」
リーゼとクレアが犬猿の仲かのような話のやり取りにメイファ、アイリン、エンカがまた始まったよという表情であった。
その最中、ジランド王国を滅ぼさんと狙う首謀者ダークが戦況を眺める。
「思ったより抵抗しているな。まぁいい。ジランド王国を一瞬で滅ぼしてやればお前らも抵抗を諦めるだろう。さぁやれ!暴竜!!」
暴竜が口に強力なエネルギーが集まる。
「真・ドラゴンブレス!!」
ジランド王国に向けて極太の光線が放たれた。覇竜や魔竜の持つ「ドラゴンブレス」とは段違いとわかる光線で、その威力はジランド王国を一瞬で消滅出来るだろう。
「あぁ!ジランド王国が!!」
リーゼ達が極太の光線の先のジランド王国に振り返る。後方陣営にいたカインズが「セバスチャン!」と大声で言った。
「ハッ!お任せください!!」
セバスチャンが城壁を囲む正門の上に「空間魔法・瞬間移動」により、登場した。セバスチャンは極太の光線に迎え撃ち、両手を上げて魔法を唱える。
「空間魔法(極大)・空間遮断!!」
空間が捻れるかのように極太の光線を一瞬にしてかき消した。
「オルド・ディーラーか!!」
ダークが忌々しそうにオルドことセバスチャンを見る。リーゼたちはホッとした。
「守りはセバスチャンに任せる。俺は討って出る!」
カインズが大剣を手に飛び出して駆ける。ラインゴッド騎士団長が後ろに控えてる副騎士団長に振り向く。
「副騎士団長に総指揮権を与える!全部隊を下がらせろ!魔導砲部隊はチャンスがあればお前の判断で撃て!儂も出る!」
「はい。お任せを!!」
ラインゴッド騎士団長もまた副騎士団長に任せ、大剣を手に飛び出した。
「ダーク!」
リーゼが剣を構えながら殺気立っていた。
「お前は・・・いつぞやの女か。」
ダークが見覚えあると言った表情をした。(第四十四~第四十五話参照)
「だが、お前達の相手をしている暇はない。リッチ、やれ。」
ジャイアントリッチが「フン!」とリーゼたちの前に出る。ダークは暴竜を背に羽ばたいて、直接出向いて滅ぼさんとジランド王国へ向かう。
「エンカ、リーゼたちに協力して。」
「はい!わかりました!!」
クレアは妹分のエンカを残し、暴竜に向かう。
ジャイアントリッチにリーゼ、メイファ、アイリン、エンカのメンバーで立ち向かう。
「リッチ。訊きたいことがある。亡国ルクテシア王国の跡地で私達の仲間・・・リュウやソル達と戦ったと思うんだけれど?」
「アァ・・・名ハ知ラヌガ角付キノ奴ハ死ンダダロウ。他ハ知ラン。」
リーゼ、メイファ、アイリンがピクリとする。角付きといったら、リュウと思い浮かんだ。
「リュウ、また無茶でもしたのかしら・・・。」
リーゼが溜め息をつく。
「でも死んだと信じないニャ!」
メイファがフシャーッとした。
「リュウは別次元の存在。お前ごときにやられない。」
アイリンが意味深に返した。
「ナンナラ、死者反魂デ甦ラセテヤッテモ構ワンゾ。モットモ我ラト同ジアンデッドニナルガナ!ハーッハッハ!!」
ジャイアントリッチが皮肉じみた笑いをする。だが、リーゼは冷静だった。
「その気配りは無用よ。リュウは一回死んだと思ったら戻ってきたのよ。今回も戻ってくるわ。」
さらにリーゼが挑発かのように嘲笑う。
「アンデッドのお前はみっともないわね。」
「ヌ・・・ヨクヨク見レバ・・・オ前・・・。ソノ口調・・・。」
ジャイアントリッチがリーゼの容姿に思い当たりかけていた。
「もう400年経ってるのよ。話を聞けば、暴竜を怒らせたルクテシア王国の自業自得でしょ。」
「オ前ェェェェ!!!何故、生キテイル!?」
リーゼを前世のルクテシア最強女性剣士の生き写しにジャイアントリッチが混乱する。
「死んでも迷惑をかける存在。いい加減しろ。」
「オ、オ前モ生キテイルダト!!」
ジャイアントリッチがアイリンを見るなりまたもや奇声を上げた。アイリンもまた前世のルクテシア最強の魔法使いの生き写しだった。
「何故ダ!我ラハ死ンデ、オ前ラハ生キテイルノダァァァァ!!我ラノ仲間ガ生キテイルノハ認メン認メン認メンゾォォォォ!!」
「頭おかしくなっちゃったニャ!いや、元々からニャハハハ!!」
「成仏の仕方がわからないなら、火葬したげるよー。きゃはは。」
リーゼ達の嘲笑にジャイアントリッチがリーゼたちを踏み潰さんと足を上げる。
「再ビ死ネェェェェ!!我ラハ仲間ダロォォォォォォ!!」
リーゼ達が散開して、戦闘開始するのだった。
◇◇場面転換◇◇
上空を羽ばたく暴竜にクレアが鞭を持ち出す。
「ちょっとぉ~空から降りてきなさいよぉ~。」
クレアがジャンプし、鞭を振るう。魔力によって鞭の長さが伸びる構造なのか、長くしなやかに伸びた。暴竜の首に鞭が絡みつき、その背に乗っていたダークが「!?」と何事かと下を見やる。
「えーい!」
クレアが人間にしてはありえないパワーで暴竜を鞭で引っ張り回した。
「うわぁぁぁー!!」
ダークが悲鳴を上げ、暴竜は地面に叩きつけられた。その同時にカインズとラインゴッド騎士団長が駆けつけた。
「さすが魔竜だな!ハハハハ!!」
カインズがクレアのパワーに高らかに笑った。ラインゴッド騎士団長が冷や汗をかき、「敵に回すと厄介だが・・・助力感謝いたす!!」と謝意を示す。
暴竜が体勢を整え、カインズ達と対面する。暴竜の背後にダークが「なんなんだ・・・あの女は・・・。」とクレアの容姿を眺める。クレアの二つの角付きを見るやすぐ可能性を思いつく。
「(まさか覇竜と同じようにドラゴンが人間に?!)」
ダークが気付いたかのような表情をした。カインズが「ダークさんよ。」と声をかけた。
「どうやって暴竜を従えたんで?今後の参考に聞きたいね。」
「・・・お前らはこれから死ぬだろうし。しゃべっていいか。」
ダークは研究者の性なのか、自慢気に語る。
「お前達も知っているだろうが、隸属の腕輪は人間や人間に近いサイズの魔物しか従わせることが出来ない。実験として炎竜の幼生体の指に強制的にはめたが、効力はわずかだった。」
「次に覇竜と戦わせるために『闇魔法(上級)・支配の鎖』でSランク魔物で魔力がないジャイアントスネークを従わせていたが、魔法をかけつづけなければならず、魔力の高い人間や魔物は効かないといったデメリットが大きかった。」
「過去に我が師マクスウェルはとりあらゆるものを従わせる研究をしていた。だが、頓挫してしまった。」
ダークがカインズを憎々たらしく見る。
「お前のせいで我が師マクスウェルはジランド王国に亡命された!!」
「そりゃ、マクスウェルのおっさんはやってることが非人道だと気付いただけだ。覇竜にボコられてな。俺たちは亡命の協力しただけだ。」
「ふん、頓挫してしまった研究を引き継いで脳を支配するブラックスライムを開発した。それが暴竜の中にある。」
「やはりブラックスライムか。マクスウェルのおっさんはスライムの可能性の研究していたな。たかがスライムなんて思っていたが・・・なるほど。これは脅威だ。」
ダークの言いなりになっている暴竜を目の当たりにし、カインズ達がスライムの可能性を感じ取った。
「エンカに続いて暴竜まで・・・。」
クレアはのんびりした雰囲気がなくなり、ゴゴゴゴ・・・と威圧感が増した。
その気配を感じたダークがたじろく。
「さぁやれ!!暴竜!!」
「ギャァァォォォス!!」
暴竜が雄叫びを上げる。空気が震え、ビリビリとした感触が伝わってきた。
「さぁ・・・やるか!!」
カインズ、ラインゴッド騎士団長、クレアが立ち向かう。
・リーゼ達VSジャイアントリッチ
・カインズ達VS暴竜
こうしてジランド王国史上最大の戦いが始まるのだった・・・。
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