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第六十二話 亡国ルクテシア王国戦11 リーゼ達VS最強ゾンビ二体

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

◇◇リーゼ達サイド◇◇


 ゾンビマスターソードが前衛にゾンビマスターウィザードが後衛というオーソドックスな戦法を取ってくる。


 それに対して剣士であるリーゼがゾンビマスターソードを抑え、メイファとアイリンがゾンビマスターウィザードに攻勢をかける。


 リーゼとゾンビマスターソードが剣の応戦を繰り広げる。


「さすが前世の私!なかなかやるわね!!」


「・・・。」


 リーゼとゾンビマスターソードとの実力は互角の様子。


「だけれども、あなたの動きは古い!」


 リーゼが「神速剣!」と素早く斬りかかろうとするが、ゾンビマスターソードの腐った目が光る。


「心眼スキル・受け流し!!」


 リーゼの攻撃の軌道を先読みするかのように自らの剣でリーゼの剣を上手くいなすように受け流す。


「まだまだよ!神速剣・全突!!」


 リーゼがバババッと目に留まらぬ突きをゾンビマスターソードの全身に向けて放つが、これもまたかわした。どうやら「心眼」スキルは攻撃を先読みするスキルのようだ。


「攻撃を読まれているようね!ならば避けられなくするまで!!」


 リーゼが追撃せんと「神速剣・流星!!」とくるりと回りながら、勢いよく剣を横に振った。ゾンビマスターソードは後ろにかわし、距離を取った。リーゼとゾンビマスターソードがお互いに睨み合い、改めて剣を構える。


「かわしてばかりで反撃しないの!?」


 リーゼが挑発するかのように言った。しかし相手はゾンビ。話が通じてるかどうかはわからない。だが、リーゼの言葉に呼応したのか動きを見せる。


「模倣・神速剣!!」


「な・・・。」


 リーゼの技を真似したかのように素早くリーゼに斬りかかるゾンビマスターソード。リーゼは「神速!」で素早く避けた。


「(私の技を真似た!?)」


「模倣・神速!」


 ゾンビマスターソードがリーゼに追い付き、「模倣神速剣・流星!!」と横一線に剣を振るう。「くっ!」と咄嗟に剣でガードする。


「(技を見せたら真似されるというのね!よく考えたら、前世の私な訳よね!!)」


 ゾンビマスターソードがリーゼの剣技を真似られるのは魂の波長が合う前世の自分リーゼだからである。


 二人がお互い剣を構えてじりじりと膠着する。


◇◇◇◇


 その間、メイファとアイリンはぜぇぜぇと肩で息しながら、ゾンビマスターウィザードと対峙していた。


「つ、強いニャ・・・。」


 ゾンビマスターウィザードは魔法を唱える。


「水魔法(中級)・アクアショット×10」


 10発の水弾丸がメイファを襲う。


「ニャニャニャー!」


 メイファが涙目で逃げながら避けていく。アイリンが「くっ!」と対抗し、魔法を繰り出す。


「水魔法(中級)・アクアショット×3」


 3発の水弾丸がゾンビマスターウィザードに向けて放たれるが、同じ魔法で相殺された。その間にメイファが接近し、「魔爪」を振るう。だが、ゾンビマスターウィザードは「補助魔法(中級)・シールド!」でガードした。続けざまに魔法を繰り出す。


「火魔法(中級)・ファイアショット×5」


 5発の炎の弾丸がメイファを襲うが、すり抜けた。どうやらメイファの影分身だった。


 メイファがバッと距離を取り、アイリンと共に身構える。


「魔法が多彩で近づけないニャ!」


「メイファの直接攻撃は補助魔法(中級)のシールドでガードされ、魔法攻撃しようにも魔法で相殺される。基本四系統の火、水、風、土の中級魔法を持ってる。それどころかまだ何か隠してる。」


 アイリンがゾンビマスターウィザードを分析し、作戦を立てようとする。


「それにしても前世のアイリンの方が強くないかニャ?!」


「む!あのゾンビと比べない!!」


 アイリンがカチンと来たのか「エルフ魔法(上級)・植物召喚」により、巨木を呼び出す。


「植物拘束!!」


 巨木から無数の枝が伸び、ゾンビマスターウィザードを襲う。これならば「補助魔法(中級)・シールド」による平面防御も攻撃魔法による弾丸も多角的な枝分かれで相殺でき、捕まえることが可能。


「・・・・。」


 ゾンビマスターウィザードは微動だせずにいると「模倣・神速」により、ゾンビマスターソードが一瞬にして庇うように姿を現した。


「!?」


 アイリンが目を見開く。


「剣技・五月雨斬り!」


 巨木からの多角的な枝分かれがスパパッと斬られた。


 突如のゾンビマスターソードの出現にメイファ達が「リーゼは?」と見やるとリーゼが駆けつけていた。


「ごめんなさい!」


 リーゼはゾンビマスターソードを抑えつけを失敗したことを詫びた。


 ゾンビマスターソードとゾンビマスターウィザードが再びタッグになる。


 リーゼとメイファとアイリンが仕切り直しとばかりに構える。


「ニャニャ?なんか後ろのアイリンゾンビが魔法の準備してるニャ?」


「あいつをアイリンゾンビって呼ばない。」


 メイファが付けた名称にアイリンが気に食わない表情する。 


 ゾンビマスターウィザードは杖を掲げて、基本系統の火、水、風、土を混ぜているかのような現象が起きていた。


「あれはまずいわね。時間のかかる魔法のようだから、その前に倒しにかかるわ!」


 リーゼ達が動くとそうはさせないとばかりにゾンビマスターソードが立ちはだかる。


「私が倒すわ!その隙に魔法を止めて!!」


「わかったニャ!」


 ゾンビマスターソードが剣に威圧感を乗せて構える。その気配からして、相当な威力の技が来ることはわかった。ただリーゼにとって、その構えが以前に見たことのある構えだった。


「最強模倣技・霹靂一閃!!」


 その技は以前に名無しSランク冒険者ジランドがリュウと戦った際に見せた技であった。(第四十三話参照。)


「それは知っているわ!!」


 リーゼは対抗すべく「剛腕!」と筋肉増強スキルにてパワーを増す。


「最強技・竜殺し!!」


 リーゼが剣を思いきり振った。


 片や目に止まらぬ一筋の剣戟を。


 片や力あらん限りの一撃を。


 お互いの剣が激突するとリーゼが押し勝つかのようにゾンビマスターソードは剣が折れ、そのまま袈裟斬りのように体の斜めに深く斬られ、倒れた。


「今よ!」


 その隙にメイファ達がゾンビマスターウィザードの魔法を止めにかかる。


「!?」


 ゾンビマスターウィザードの真上には基本四系統の火、水、風、土が混ざった5M程の大きなボールがあった。ただゾンビマスターウィザードの態度から見ると未完成のようだ。迫り来るメイファ達に焦りを感じたのか杖を急遽に振る。


「最強魔法・カオスボール!!」


 カオスボールがメイファ達を襲う。


「エルフ魔法(上級)・植物の盾!」


 巨木の枝が網に張り巡らしたような盾を作った。


 カオスボールと植物の盾との衝突にバァァァァンッッと破裂音がした。その際に煙が巻き上がる。


 煙の影響により、一時的にお互いの姿が認識出来ず、ゾンビマスターウィザードがキョロキョロする。


「アイリンゾンビは臭いから居所わかるニャ!!」


 メイファが煙に紛れ、ゾンビマスターウィザードの眼前にいた。


「!?」


 メイファが「実体分身!!」でもう一人のメイファが出現する。※「実体分身」スキルは10秒間、もう一人を実体化することが出来るスキル。一日に一回。


 メイファが二人になり、ゾンビマスターウィザードに目掛けて魔爪を立て、突く構えを取る。そして二人同時攻撃を繰り出す。


「最強技・魔爪双突撃!!」


 ゾンビマスターウィザードの腹に大きな穴が空き、「とどめニャ!」と首をはねた。ゾンビマスターウィザードは倒れた。


「ふう、強かったニャ・・・。」


 リーゼとメイファ、アイリンが集まる。


 三人は倒れたゾンビマスターソードとウィザードを見やる。


「前世の私達を倒したのは奇々怪界な光景ね・・・。」


 リーゼがそんなことを言うとゾンビマスターソードとウィザードから、悪霊ゴーストが飛び出てきた。


「な・・・!?」


 咄嗟のことに対応できず、ゾンビマスターソードから出た悪霊ゴーストはリーゼに、ゾンビマスターウィザードから出た悪霊ゴーストはアイリンに入って行った。これにより、二人は気を失う。


「ニャニャニャ!!十字架があったのになんでニャ!?体を支配されたらまずいニャ!早く追い出さなきゃ!!」


 その悪霊ゴースト達は十字架が効かず、二人の体に入って行った。その様子を見たメイファが慌てる。



◇◇400年前のルクテシア王国◇◇


「ここは・・・。」


 活況のある市場の中にリーゼとアイリンがいた。


「400年前のルクテシア王国よ。」


「!?」


 リーゼ達の目の前に現れたのはリーゼによく似た容姿の女性だった。


「まさか前世の私?」


「そうよ。」


 次にアイリンによく似た容姿の女性が現れた。


「人族とエルフ族の混ざり物めが。」


 ただこちらの女性はアイリンを敵視していた。


「なんだと。ゾンビになっていて、よく言う。」


 アイリンは売られた喧嘩は買うとばかりに前世の自分に掴み掛かる。


 アイリンと前世の自分が取っ組み合う中、リーゼは前世の自分と話する。


「どうだ。活況があるだろう。」


 前世のリーゼが見せるルクテシア王国は活況があり、人々が笑顔で賑わっていた。


「ルクテシア王国はとりあらゆる分野で最先端の技術を誇っていた。貨幣システムを作り上げ、世界に広め、ルクテシア王国を中心に世界が回ろうとしていたのだ。そんな矢先だった。」


 活況な市場が反転し、ルクテシア王国城内に玉座に居座る王が映し出される。


「私達の王は欲深いお方だった。蜥蜴族の住み処にオリハルコン、ミスリルといったレアな鉱石がある鉱床があるとわかると軍隊を出した。その際に上位竜・水竜を倒したのだが、暴竜のつがいだと言うことを後から知ることになったのだ。」


 場面が反転し、暴竜によって燃え上がるルクテシア王国が映し出された。その傍に前世のリーゼと前世のアイリンが倒れていた。


「こともあろうかに暴竜を怒らせて滅ぼされた。その時に死んだ。」


 三度みたびに場面が反転する。リッチが魔物化し、犠牲となったルクテシア王国の国民達に「死霊魔法・死者反魂」をかけて回る姿があった。ルクテシア王国の国民達が次々とゾンビになっていく。


「リッチは魔物に堕ちてしまったせいでルクテシア王国の民はゾンビとなり、今も苦しんでいる。どうかリッチを倒し、解放してやってくれないか?」


「それは元よりそのつもりよ。」


 リーゼが頷くが、疑問を持った表情する。


「・・・何故、私達は生まれ変われたの?」


 前世の自分の言い分だとリーゼ達はゾンビに魂を封じられ、転生できないはずと訊いた。


「神様が介入した。死者反魂のような魔法は想定外のようだった。」


 リーゼは「そう。」と返事した。


「それにしても400年経った今は人種差別はないということ?猫の獣人族と組んでいたようね?そこにいる長耳も。」


 前世の自分が人族とエルフ族の長耳のアイリンやメイファのことを差して言った。


「人種差別において、根深いところではまだまだだけれど、少なくとも私の国、ジランド王国はないわ。」


「ジランド?まさかあのジランド?」


 前世の自分が驚きの表情する。


「知っているの?」


「当時、剣技を師事していただいたことがあるわ。最後の技を見せたが、あれがジランドの技よ。」


「え・・・。」


 その言葉に名無しのSランク冒険者の技がジランドの技に合致した。


「(あの名無しのSランク冒険者はジランド?ということはリュウは・・・。)」


 リーゼの身に上下に揺さぶられる感覚が起きる。まるで起こされているかのような。


「猫の獣人族に呼ばれているわ。戻ってあげなさい。」


「最後にあなた達はどうなるの?」


「私達は魂の残りカスのような存在。同じ世界線に二つの魂はいらない。だから、あなた達に還る。気にすることはないわ。」


 前世のリーゼ達は悪霊ゴーストではなく、魂として本来のリーゼ達のあるべき所に還るというようだ。 


 そして最後に「警告よ。」と告げる。


「歴史を繰り返さないように。欲深い人間が国の中枢にいれば、また同じことが起きるわ。」


 ルクテシア王国の状況がジランド王国とまさに瓜二つかのような流れになり、ジランド王国には力を持ったら使わずにいられない貴族達が複数見受けられた。


「胸に銘じておくわ。」


◇◇◇◇



「ニャニャニャ起きろー!!」


 メイファがアイリンを容赦なくビンタし、リーゼを上下に起こす。


「リーゼ!ビンタするニャ!ごめんなさいニャ!!」


 メイファが勢いよく手を上げる。


「待って。起きたわ。」


 リーゼが上手くメイファの手を取って抑えた。


「起きたかニャ!」


ドガッ!


 メイファの頭に杖を叩かれた。


「痛い。」


 アイリンの両ほっぺが真っ赤になっていた。メイファにビンタされたからだ。


悪霊ゴースト、出て行ったのかニャ?」


 メイファはリーゼ達から悪霊ゴーストを追い出そうとしていたが、出て行ったところを見ておらず、疑問をぶつける。


「いえ、私達に還っただけよ。元々は前世の自分だったからね。」


「前世の自分が中にいるのは気持ち悪い。混ざり物と罵倒された。お前、ゾンビになってたくせに!」


 アイリンは不機嫌そうな表情していた。


「ふぇぇ不思議なことがあるもんニャ・・・。」


 メイファは摩訶不思議な現象に首を捻る。


「(これは神様・・・フォルトゥナ様のご意志なのかしら?)」


 リーゼがそう思うもリッチ率いる不死軍団の戦争の真っ最中。


「さて、まだ戦いは終わってないわ!」


 リーゼは気持ちを切り替えるように二人を一喝した。


「ニャニャァ~少し休ませて・・・。」


 メイファが泣き言を呟くのだった。こうしてリッチ率いる不死軍団との戦争は終盤を迎えるのだった。

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