第六十話 亡国ルクテシア王国戦⑨ジランド王国VSリッチ率いる不死軍団
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
◇◇ジランド王国VSリッチ率いる不死軍団◇◇
ジランド王国とリッチ率いる不死軍団との戦争は熾烈を極めていた。リッチ率いる不死軍団が悪霊を使い、ジランド王国の兵士の体を支配し、自由を奪い取り、ゾンビとスケルトンボーンの攻撃で倒されてしまう者が続出した。
「一人になるな!それぞれ陣形を取り、対処に当たれ!!」
ラインゴッド騎士団長が叫ぶ。
悪霊は消し去るほどの威力を持つ魔法やスキルでしか対抗が出来ない。リュウの持つ光魔法なら手っ取り早いが、光魔法は希少なため、対応が難しい魔物なのだ。まして数が多いため、追い払うしかないのが現状だ。悪霊に体を乗っ取られても外から痛みによる刺激で追い出せる。複数人の陣形で固めるのが得策。
「水魔法(中級)・アクアショット!!」
アイリンが近寄る悪霊に向けて細長い水弾丸を発射する。だが、悪霊は身をくねらすかのように避けて、空中でさ迷いながら、隙あらば体を乗っ取ろうと虎視眈々に狙う。リーゼ、メイファ、アイリンが三方に立ち、周りを警戒していた。
数多くいる悪霊に苦戦するジランド王国騎士団と冒険者有志たち。その中でロックは一人で勇猛果敢に戦い続ける。
「おい!一人は危険だー!!」
焦る騎士団の仲間。その声も虚しく、ロックの体に悪霊が入り込む。同時に多くのゾンビとスケルトンボーンがチャンスとばかりにロックを目掛けて攻める。
◇ロックの体内◇
「キヒヒ!ヤラレテシマエ!!」
悪霊が不気味に笑う。だが、突如目の前に恐竜のプラキオサウルスに近い容姿で背中に岩石の集合体であるかのように固められ、四つん這いの巨大なドラゴンが現れた。その姿こそがロックの真の姿であるジャイアントロックドラゴンだった。
「ナ・・・ドラゴン・・・?」
「何してるダス?」
ジャイアントロックドラゴンは目をギロッとし、大きく息を吸う。
「ブレス!!」
渦巻き状の風が発生し、「風魔法(上級)・竜巻」と同等の威力を悪霊に放った。
「ギャァァァァー!!」
悪霊は身を引き裂かれるかのように吹っ飛んで行った。
◇◇場面転換◇◇
悪霊に入り込まれたロックに数多くのゾンビとスケルトンボーンが襲いかかろうとしていた。
「ロックー!!」
騎士団の仲間が叫ぶ。その時にロックの口から大きな息を吐くと渦巻き状の風の竜巻が飛び出し、乗っ取ろうとした悪霊と共に一直線にいた数多くのゾンビとスケルトンボーンを巻き込んで倒した。
「え・・・え?」
騎士団の仲間がポカンとする。リーゼたちが「リュウと同じパターンね。」と冷静に反応していた。
リーゼ達に悪霊の群れが襲いかかる。
「剣技・衝撃剣圧!!」
リーゼが剣を振るうことで悪霊の群れを広範囲に叩き潰したが、消し去る技ではなかったため、ノーダメージかのように再び空を彷徨う。
「悪霊は厄介ね・・・。」
「今、魔法部隊が空に目掛けて魔法を放っているけど、成果はイマイチ。」
ラインゴッド騎士団長の指示の下、悪霊の対応策として、魔法部隊に当たらせているようだが、成果は今ひとつのようだ。
「どうするニャァ〜。」
ふとよそ見した油断から悪霊がメイファを目掛けて突っ込もうとする。
「しまっ・・・。」
メイファが両手の伸ばした爪をクロスして、つい防御体勢に入った。悪霊に防御態勢は無意味。体の一部にでも入り込めるのだから。だが、悪霊が「ギャァァァァー。」と苦しみながら逸れていった。
「ニャ?」
メイファが何が起こったのかわからず首を傾げる。リーゼがハッと気付いたかのような表情をした。
「まさか、クロスした爪が十字架に見えたのかしら?」
メイファが「え?」と伸ばした爪を十字架のようにクロスして悪霊に見せる。悪霊は明らかに嫌がるような素振りをする。
「・・・確定。」
アイリンがコクッと頷く。
「さすがの悪霊もフォルトゥナ様に足を向けられないようね。」
リーゼが確信めいた表情で周りに向かって大声で叫ぶ。
「何でもいいから十字架を作って!!悪霊が寄り付かなくなるわ!!」
リーゼの言葉に騎士団と冒険者有志たちが急遽に即席の十字架を作り、悪霊に対抗した。悪霊は困り、空中に漂うしかなくなった。
「でかしたぁ!さぁ反撃だ!!」
ラインゴッド騎士団長の号令でジランド王国が優勢に回る。押されている不死軍団を率いるリッチがクククッと不気味に笑う。
「楽シイ楽シイゾ・・・。」
リッチは宙に浮き、戦場を見渡していた。
「強イヤツカラ順ニ消セバ、勝利ハ見エテコヨウ・・・。我ガルクテシア王国最強の四体ヨ!!イケ!!」
リッチの指示にゾンビ四体がバッと分散し、動いた。そのうちの一体がロックの前に現れた。
「そこらへんのゾンビとは違うダスな。」
大剣を持ち、全身鎧を着たゾンビだった。その屈強な姿から、生前は強者と見て取れたが、その姿に違和感を持つ。
「ラインゴッド騎士団長にどことなく似てるダス。」
ラインゴッド騎士団長の前世の姿である。ちなみに騎士団長=S級冒険者の実力である。
ゆらゆら空中に漂うリッチが現れる。
「コヤツハ我ガルクテシア王国最強ノ騎士ヨ!!サァイケ!ジェネラルゾンビ!!」
ジェネラルゾンビが大剣を構えるとロックも斧を構える。両者が睨み合う。
その一方でリーゼたちは女ゾンビ二体と対峙していた。
「前世の私・・・よね?」
「・・・・。」
リーゼが前世のゾンビに問いかけるも無言。剣を持ち、上半身鎧でボロボロスカートを履いていたが、髪が抜けて顔が部分的に骨が見え、足にも部分的に骨が見え、見るに耐えないおぞましい女性であった。
「これが私だとしても認めたくない。」
「・・・。」
アイリンもまた前世のゾンビに問いかけたが、無言であった。杖を持ち、ボロボロの三角帽子にボロボロのローブを着ている女性。顔はドクロに近い風貌であった。
「話に聞いてたけど、こいつらがリーゼ達の前世の姿ニャ?」
リーゼとアイリンが訳知りかのような表情にメイファが交互に見やる。
その場を通りかかるようにリッチが現れる。
「我ガルクテシア王国最強ノ剣士、ゾンビマスターソード!最強ノ魔法使い、ゾンビマスターウィザード!!イケ!!」
リッチの号令にゾンビマスターソードとウィザードが動いた。
「メイファ、アイリン!いくわ!!」
ゾンビ二体と戦闘開始するリーゼたち。
そして最後の一体は後方で指揮していたラインゴッド騎士団長とカインズの前にパッと現れた。包帯で全身グルグル巻きにしている包帯ゾンビだった。
「何かのスキルか?魔法か?」
カインズが首をコキコキッしながら大剣を構える。
「おそらくセバスチャンの前世の姿ですよ。」
「それじゃ、空間魔法に近いもの持っているのか?だとしたらめんどくせぇこったら。」
またもやリッチが嘲笑うかのように現れた。
「我ガルクテシア王国最強ノ暗殺者!ゾンビアサシン!!サァイケ!!」
ゾンビアサシンがバッと姿が消えた。カインズとラインゴッド騎士団長が応戦に動く。
こうして戦いの火蓋が落とされ、各々の戦いが繰り広げられるのだった・・・・。
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