第五十九話 亡国ルクテシア王国戦⑧クレア達が人間に心配される
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
リッチ率いる不死軍団はジランド王国騎士団と冒険者有志達が待ち構えていることに気付いた。リッチ率いる不死軍団はある程度の距離を取り、両軍が睨み合う。
カインズが拡声魔道具のマイクを取り、宙に浮くリッチに話しかける。
「遠路から遥々ようこそ。歓迎はしないが、ダークの差し金か?」
「・・・忌々シイコトニナ!!」
カインズがリッチの腕についてる隷属の腕輪を見る。
「それ、斬ってやるから、帰ってくんねーか?お前らを相手にするほど、こっちは暇じゃねーんだよ。」
「・・・・。」
リッチはジランド王国騎士団と冒険者有志達を見回す。
「戦争ヲ久々ニヤッテミタクナッタ。我ガルクテシア王国ハ世界最強デアッタ。」
「それは400年前のことだろう。」
「ソレニ・・・。」
リッチのくぼんだ両目が赤く光る。
「生者ガ羨マシイ!!何故、我ラガ死ナナケレバナラナカッタ!!ヨッテオ前ラニ死ヲ与エ、我ラノ仲間トナレ!!」
金切り声に大きく叫ぶリッチにカインズが「はぁ~。」と盛大に溜め息ついた。
「死を受け入られないお前が弱いだけだ!お前の勝手な都合で周りを巻き込むんじゃねぇ!!」
「ダ、ダマレェェェ!!行ケ!不死軍団!!」
不死軍団が統率を取って動く。距離を詰めてくる不死軍団に対し、ラインゴッド騎士団長が魔法部隊を前線に出す。
「火魔法(中級)ファイアアロー!」
「風魔法(中級)ウインドアロー!」
「水魔法(中級)アクアアロー!」
「土魔法(中級)ロックアロー!」
数々の遠距離魔法を放つが、不死軍団は攻撃を受けても恐怖も痛みも感じずに体が崩れようとも進軍してくる。
「我ラハアンデッド!!痛ミ感ジヌ!恐怖感ジヌ!!」
ゾンビ達のお構いなしの進軍にやや怖気つくジランド王国騎士団と冒険者有志達。
「怖イカ!案ズルナ!!死ネバ我ラノ仲間トナレル!!」
リッチが「ハーハハハッ」と高らかに笑う。
「効きませんなぁ。魔導砲部隊を使いますか?」
ラインゴッド騎士団長は魔法部隊の攻撃に効果が見られず、カインズに振る。
「いや、後に取っておけ。リーゼの情報によるとアンデッド合体で巨大なゾンビができるそうだ。そのときに使え。」
「はい。では前線部隊で排除に動きましょうか?」
「そうだな。前線部隊を出してくれ。」
「おい。魔法部隊は下がらせて、前線部隊を出せ。」
ラインゴッド騎士団長の指示の下に魔法部隊が下がる。代わりに騎士達とリーゼたちのいる冒険者有志の前線部隊が出る。
「さぁ、行くわ!」
リーゼ、メイファ、アイリンが一番に切り込みをかけようとするが、それよりも先に単身で切り込みをかける姿があった。二つの角付きで強面顔でしゃくれ顎をした屈強な男性だった。ジャイアントロックドラゴンがリュウの人化魔法により人間に変身しているロックであった。斧を持っていた。
「ロックー!!無茶するなー!!」
ロックの仲間である騎士達が慌てていた。
「リュウ様の縄張りをお守りするダス!!」
斧を振り回し、アンデッド系魔物を次々斬っていく。
「あの図体で騎士なら、覚えていそうなものだけれど、新入りなのかしら?相当強いわよね?」
リーゼが「?」と首を捻る。カミュとアイリンが心当たりある顔した。
「そういえばカミュが言ってたニャ。ロックという新しい住人がいます、と。」
「そのときは会えなかった。だけど騎士団で働いていると聞いた。」
リュウの邸宅に住んでるメイファとアイリンがロックを見て、そう言った。
「なんにせよ、皆の士気を上げるわね!!」
リーゼ達も不死軍団と戦闘に入る。
戦況を眺めるカインズが「あいつ、なかなか強いじゃねーか。」とロックを見やる。
「えぇ、リュウの関係者で蜥蜴族と人族のハーフは強い傾向があるようなので騎士団に引き入れて良かったですよ。ロックというんですが。」
ラインゴッド騎士団長が自慢気に口元を吊り上げてやや笑う。カインズがリュウの関係者ということでロックの正体を見抜いた。
「そういえばあなたに何か策があるようでしたが、アテは当たりそうですかね。」
ラインゴッド騎士団長が思い出したかのようにカインズに振る。
「あー、セバスチャンからの報告じゃ、アテは出来そうだな。」
「ほぅ、期待しても良いのですかな?」
「・・・お前には言っておこう。他言無用だ。」
カインズが口に人差し指を当て、秘密のジェスチャーをする。ラインゴッド騎士団長が了承する。
「リュウを始め、クレア、エンカ、そしてロックはドラゴンだ。」
「・・・は?何を言って・・・?」
「事実だ。リュウの人化魔法で人間になってる。」
リュウが覇竜、クレアが魔竜、エンカが上位竜・炎竜の幼生体。ロックは中位竜・ジャイアントロックドラゴンでは?とカインズがラインゴッド騎士団長に告げる。ラインゴッド騎士団長がフリーズしながらもストーンと合点いった表情した。
「儂が意識を失い、ゾンビになる現象があり、その際にリュウの不可解な姿を見たことがありましてな。あれはそういうことか・・・。」
「話が早くて助かる。」
「ということは儂はドラゴンをジランド王国に入れさせてしまったのか。覇竜様はともかく敵対した魔竜と炎竜が・・・。さらに騎士団に引き入れたジャイアントロックドラゴン。バレたら責任問題になる・・・。」
ラインゴッド騎士団長が鎧越しに腹を当てて「イタタタ・・・。」と膝をついた。どうやら胃を痛めたようだ。
「ハハハハ!なぁにバレなきゃ問題ねぇ!!」
「カインズさんに責任が及ばないからって気楽でいいですね!!」
ラインゴッド騎士団長が「チキショー!!」と悔しげに呟いたのだった。
◇◇リュウの邸宅◇◇
「始まったようね。エンカ行くわ。」
戦争のドンパチ音を聞いたクレアとエンカが玄関に立つ。ラビット執事とカミュ、その他の使用人が並んでいた。
「ラビット。」
兎人族のラビット執事が「ハッ」と前に出る。
「ここの守りは任せるわ~。あなた、そこそこやれるでしょう?」
「ハッ、お任せください!!」
武人で戦争奴隷を経験したラビット執事が自信を持って答えた。
「それじゃ、行ってくるわ。」
クレアとエンカが玄関のドアを開ける。カミュが「待ってください!」と呼び止める。
「クレア様もエンカちゃんも戦争に行くんですか!?本当に大丈夫なんですか!?」
カミュの心配な表情にクレアとエンカが目をパチクリする。
ピンクツインテールの冒険服を着たロリ少女のエンカはどこをどう見ても幼く弱そうに見える。そしてクレアは黒髪ロングウェーブで巨乳を強調する服を着て、裾の長いスリットがついた黒スカートを履く。戦争に行くような服装ではない。
「カミュっち!大丈夫だよ!!私たち強いから!!」
エンカが無い胸をドーンと張る。
「でも・・・。」
クレアがカミュを抱き締める。
「心配するカミュもまた可愛いわねぇ~。」
カミュがクレアの巨乳に顔を埋められ、苦しそうだった。
「必ず帰ってきてください!!」
カミュの声に他の使用人が同じように声を上げ、頭を下げた。
「こらこら~。チップが目当てなんじゃないのぉ~。」
クレアがジト目で他の使用人を見回した。クレアは自らの経営する魔性の館にて荒稼ぎし、チップを使用人達に振る舞っていたのだ。すると使用人の間で笑い声が聞こえてきた。その雰囲気はいつも通りと言わんばかりだった。
「もぅ~。でもここは気に入ってるから、リュウがいる限り帰ってくるわよぉ~。」
クレアは抱き締めていたカミュを離す。
「カミュっち!じゃ行ってくるね!!」
「いってらっしゃいませ!!」
カミュを含め、使用人たちに見送られ、二人はリュウの邸宅を後にする。
「人間に心配されようとは夢にも思わなかったわねぇ。」
「変な気分だよー。」
「えぇ、妙な気分ね。だけれど、弱き人間を守りたくなっちゃうわね。私たちドラゴンにこんな感情を持つなんて・・・。」
クレアは「セバスチャン!」と周りに呼びかける。
「ハッ。」
カインズのお付きの白髪老人の執事セバスチャンがどことなく現れる。
「私たちの見張りご苦労様~。私たちは人間の味方をするから、カインズに今後は見張りを無くして欲しいと言ってくれないかしらぁ。ラビットもさりげなく私たちを見張ってたでしょぉ~。」
セバスチャンとラビット執事の二人でクレアとエンカの動向を見張っていた。ただラビット執事は事情を知らないが、クレアとエンカが只者ではないと察していたのだ。
「かしこまりました。旦那様にお伝えしましょう。」
セバスチャンはバッと「空間魔法・瞬間移動」で消える。
「体がうずうずしてきちゃったよ!先に行くね!!」
「えぇ。私はゆっくり行くわ。」
エンカが先駆けてジランド王国・正門に向かう。クレアがのんびりとした足取りで後に向かうのだった。
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