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第五十八話 亡国ルクテシア王国戦⑦戦争突入の裏で暗躍する二人

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

◇◇亡国ルクテシア王国の跡地付近◇◇


 ソルたちが夜通しに山々を駆けて、リュウを捜索する。やがて夜が明け、リッチによりやられたリュウを発見する。リュウは竜人化が解け、二つの折れ曲がった角を持つ人間になっていた。


「い、生きているのか!?」


 ソルたちが駆け寄る。リュウは体のあちこちに傷がつき、血を流しながら、気絶していた。


「シン!回復魔法を・・・ッ!?」


 ソルがそう言いかけた途端、目を見開く。リュウの傷が少しずつ自動的かのように塞がっていってたのだ。


「な・・・なんだこれは!?」


 ソル、ポチ、シンが驚愕し、リュウの正体を察しているウルスは表情を変えなかった。


「ま、まさか自己再生スキルですか・・・!?」


 シンがリュウに起きている現象を言及した。ソルが「バカな!ありえない!!」と叫んだ。


「自己再生はAランク以上の魔物でないと見られないスキルだ!!人間には持たないスキルを何故、リュウが・・・?」


 リュウは無意識のうちに「自己再生(弱体化)」スキルを発動していたようだ。


「・・・リュウの強さを考えたら魔物のほうがしっくり来るワン。」


 ポチの言葉にソルは竜人化したリュウの姿を思い出す。


「(覇竜様を彷彿させる姿だったが、そんなことがあるわけが・・・。)」


「・・・見られたか。」


 リュウが目を覚ます。ソルたちが「リュウ!?」と声をかける。リュウは体を起こす。


「リッチ率いるアンデッド系魔物の大群は行ってしまったか?」


「あぁ、もうとっくにな。」


「何故、俺を置いて撤退しなかった?」


「おいおい、お前を置いて逃げたら、リーゼ達に怒られる。」


 ソルが肩をすくめるとリュウはふっと笑う。


「それはそうとして・・・お前はいったい何者だ?」


 ソルが真顔で疑問をぶつけるとリュウは空を見上げる。


「・・・聞きたいこともあるだろうが、向こうから暴竜がやってくる。身を隠せ。」


 リュウは「気配探知(弱体化)」で暴竜とダークの存在を捉えていた。


「なんだと!」


 ソルたちがバッと空を見ると遥か向こうから飛来してくる物体が見えた。リュウを含め、ソルたちは森林に身を隠し、様子を伺う。ダークが暴竜の背に乗って飛んでいた。


「時間はかかったが、暴竜を完全支配することができたな。」


 ダークの開発したブラックスライムで暴竜の脳をアメーバ状に張り巡らし、支配した。


「さて、ジランド王国で注意すべきなのはカインズ・トランスロッドとオルド・ディーラー。・・・あとは覇竜か。」


 ダークは暴竜と共にジランド王国方面に向かっていた。


「リッチ率いる不死軍団をぶつけ、ジランド王国の戦力を削いだら、暴竜で簡単に滅ぼせると考えている。だが、覇竜は人間に成り済ましてる辺り、行動が読めない。おそらく干渉してくると考えていいだろうな。」


 もう既にリュウ達が干渉して森林に隠れている。リッチとの交戦もあった。だが、ダークは暴竜に付きっきりだったため、気付いていないようだ。


 ダークと暴竜はそのままジランド王国方面に飛び去っていく。


「まずいな。一刻も早くジランド王国に戻ろう!!」


 ソルが焦る。だが、まだダメージが残り、動けないリュウがシンに振り向く。


「シン、回復魔法があるなら、俺にかけてくれ。」


「あ、わかりました!」


 シンがリュウに回復魔法をかける。リュウの体のあちこちにあった傷が「自己再生(弱体化)」とシンの回復魔法で急速に塞がった。これで完全回復した。※リュウは回復魔法を持ってるが、自らにかけることが出来ない設定になってる。


「ソル、ポチ、シン、ウルス。」


 リュウがソル達を見回す。


「リーゼ達には黙っておいてくれ。まだリーゼ達と冒険がしたいからな。」


 リュウの言葉に「な、なにを・・・?」と訳わからない表情をするソル。


「人化魔法・人間解除!!」


 リュウが徐々に大きくなる。リュウがドラゴンに変貌していく様子にソル、ポチ、シンが呆気を取られる。ウルスはバッと膝をつき、頭を垂れていた。


「お前は・・・お前は・・・いや、あなた様はぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」


 ソルの叫びが山びことなって辺りまで響いたのであった。



◇◇ジランド王国・正門前◇◇


 ジランド王国騎士団と冒険者有志合わせて5000人が挙兵し、迎撃の準備を整えていた。だが、中には怪我している者もあちこち見られた。


「戦力をかき集めたが、やはり先のディモール王国との戦争で戦力を消耗したのは痛いですな・・・。」


 ラインゴッド騎士団長が頭を抱える。その隣にカインズが立つ。


「仕方がねぇ。それよりも見ろよ。」


 西の遥か向こうにリッチ率いる不死軍団がやって来ていた。カインズが魔道具のマイクを持つ。


「みんな!お疲れのところでわりぃが、お前たちに最重要な使命を与える!ジランド王国を守り抜け!!何があろうと守り抜け!!それだけだ!!」


 カインズの言葉にオォォォォー!と士気が上がる騎士団と冒険者有志達。


「リュウもソルたちも帰ってこなかったニャァ・・・。」


 メイファの猫耳がペタリとうなだれていた。


「・・・大丈夫だと思う。」


 アイリンが最後に「リュウが私の思ってる通りなら・・・ね。」と小声で呟いた。


「また心配させて・・・と言いたいところだけれども、帰ってくる場所がなくなったらリュウもソルたちも困るわ。だから、ジランド王国を守りましょう!!」


 リーゼが誓うように剣を天に掲げた。


「それもそうニャ!」


 メイファの猫耳がピーンと立ち、爪を伸ばし、フシャーッと気合いを入れる。続いてアイリンも気合いを入れる。


 こうしてジランド王国はリッチ率いる不死軍団との戦争に突入していく。



◇◇ジランド王国城◇◇


「キヒヒヒヒ。警備が手薄ですねぇキヒヒ。」


 戦争の裏で暗躍する二重、三重顎の丸っこい物体と頬がこけた白衣の男が動いていた。


 その二人はフトッチョとネクラだった。


「天は我輩達の味方をしているようだな。」


 戦争により、ジランド王国城から人手を出されていたため、警備が手薄であった。


「キヒヒヒ。いいんですか?騎士貴族なら戦争で前線に立たないといけない立場でしょう?」


「ふん。今回はアンデッド系魔物。価値がない素材が多い。あれはいらん。」


 フトッチョは前回のディモール王国との戦争では前線に立たず、魔物の素材集めに奔走していた。全ては金になるものだからだ。だが、今回はアンデッド系魔物から取れる素材は価値がないのがほとんどであった。

 

 そのため、二人はリッチ率いる不死軍団との戦争による混乱を乗じて、ジランド王国城奥深いところに潜入しているようだ。


「キヒヒヒ。」


 二人が厳つそうな扉の前に立つ。


「王族のみが立ち入ることを許される禁書庫。」


「キヒヒヒ。警備が手薄といってもすんなり行きましたね。」


「その方が我輩達には好都合よ。」


 二人は禁書庫に入っていく。そこには宝物庫も兼ねているのか、相当な業物の武器などの宝物があった。


「キヒヒヒ。せっかくだから盗んで行きますか。」


「変な欲は出すな。王家の宝など盗んでも足がつく。それよりもランドルフ王を失脚させるためにはお前の提唱するジランドが国賊説の証拠を探すのだ。」


「冷静ですねぇキヒヒヒ。」


 金に欲深いフトッチョだが、自らの危機に陥るような真似はしない知恵はあるようだ。


 二人は書物を中心に漁る。


「キヒヒヒ。血筋から辿っていけば不審な点があるやも。」


「ならば王家系図から調べていこう。」


 二人が調べていくうちに不審な点が見つかる。


「ジランド様の王妃にアルテミシアという方が記されていますが、我々が学んだ歴史とは違いますね。」


「ほう?」


 フトッチョが面白い顔をする。


「歴史にはジランド様の王妃はエリエリザベート王妃となっていたんですよ。それに王様の血を繋ぐためには側室も必要ですが、その名前すらないですねぇ。それ以外に不審な点は見当たりませんね。」


「王家の秘密はアルテミシアがキーワードとみた。」


「キヒヒヒ。面白くなってきたじゃないですか。」


 ランドルフ王を失脚させるために「アルテミシア」をキーワードに奔走する二人。その影にセバスチャンが様子を見ていたのであった・・・。

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