第四十八話 ロック登場
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
◇◇ジランド王国◇◇
リュウたちが亡国のルクテシア王国の調査に旅立った日。
ジランド王国に訪れる二つの角付きの強面顔でしゃくれ顎の屈強な男性がいた。その名はロック。中位竜・ジャイアントロックドラゴンが人化魔法で変身した姿である。(第十四〜十五話参照)
「ここがリュウ様がおわすジランド王国。ワスは人族の言語をマスターしたダス。リュウ様をお仕えするために!!」
ロックはジランド王国城下町・正門に向かう。すると槍を装備し、全身鎧を着た警備騎士に呼び止められる。
「身分証は・・・んん?まさか蜥蜴族と人族のハーフか?」
「・・・?」
「あーいや、最近、角付きの蜥蜴族と人族のハーフが続いて入って来たもんだからな。光魔法持ちのリュウ。それと魔性の館を経営してるクレアとエンカが目立ってるからな・・・。」
「リュウ様!!どこにおられるダスか!?」
ロックがガシッと警備騎士の肩をつかむ。
「あー、朝どっかに行っちゃったかな。やはり君は蜥蜴族と人族のハーフか。」
「なんダスと・・・。」
リュウとの入れ違いにがっくりと肩を落とす。ジランド王国に入るのに身分証が必要だと知り、一週間滞在許可証を作るために警備兵の案内で詰所に入る。
滞在許可証の手続きを警備兵の代筆で済ませ、警備兵は犯罪歴をチェックするために水晶玉を出す。犯罪有りは赤に犯罪無しは青に光る仕様だ。
「リュウもクレアもエンカもこれに引っ掛かってるんだよな。」
過去にリュウが水晶玉に手をかざし、青と赤と交互に点滅してしまい、困惑させたのだ。(第ニ話参照)
「じゃぁ、手をかざしてくれ。」
警備騎士の言う通りにロックは水晶玉に手をかざす。すると青と赤に交互に点滅してしまった。
「あーやっぱりかぁー。ラインゴッド騎士団長を呼ぶから待っててくれ。」
警備兵は慣れたかのような表情でラインゴッド騎士団長を呼びに行った。ほどなくしてスキンヘッドで頬に傷があり、顎髭をこさえたラインゴッド騎士団長が来た。
「(こいつもか。どうなってるんだ・・・。蜥蜴族と人族のハーフは強いのか・・・。)」
ラインゴッド騎士団長はロックを見るなりに相当な実力と見抜いたようだ。
「(リュウもそうだが、クレアもずば抜けて強いと感じた。エンカも子供のように見えて、かなりの強さ。)」
ラインゴッド騎士団長は険しい表情で唸る。リュウたちをドラゴンが人間になりすましていると気付いてないようだ。
「ロックと言ったね。ここでの目的はあるかね?」
「リュウ様にお仕えするために来たダス!!」
「・・・リュウの関係者か。よし、滞在許可証作ってやれ。」
ラインゴッド騎士団長が警備騎士に指示する。
「はい。滞在許可証の作成に銀貨一枚頂くが?」
ロックが「銀貨?」と?マークをあげる。貨幣の存在を知らないようだ。
「・・・金がないと入れないぞ?」
警備騎士が困った表情をする。冷や汗たらすロックにラインゴッド騎士団長が「ちょうどいい。」とロックの肩にポンっと手を置いた。
「金貸してやるから、ジランド王国騎士団に入らないか?」
「ジランド王国騎士団ダスか?」
「国をそして国民を守るのが仕事だ。王国騎士団に入れば、身分証発行するし、給料も出る。悪い話じゃないはずだ。」
ラインゴッド騎士団長の本音はディモール王国との戦争で倒れていったジランド王国騎士団の騎士が多く人手が足らなかったためだ。話を聞いたロックがやや考える。
「(リュウ様の縄張りをお守りすると考えれば引き受けたほうが良いダスな。)」
そう思ったロックは「よろしくお願いするダス。」と返事した。こうしてロックはジランド王国騎士団へ入団となるのだった。のちに騎士団の仕事で体の大きさが買われ、警備騎士たちと共に城下町のパトロールをする。その道端でクレアとエンカに出会う。
「ん~あなた。同族よねぇ?」
魔竜ことクレアがロックに声をかける。ロックはクレアを見るなりに土下座する。
「(本能的に叫んでいるダス!!この方は・・・この方はもしや魔竜様!?)」
「ちょっとぉ~こんなところでは目立つから立ちなさいよぉ。」
「はいダス!」
クレアの言われた通りにすぐ立つロック。小型炎竜ことエンカがロックを見上げて喜ぶ。
「新しい仲間だ!リュウ様に人化魔法をかけてもらったんでしょ!!」
「はいダス。」
「私はクレア。こっちは私の妹分のエンカね。あなたは?」
「ロック。」
「ロック。こんなところでなにしてるのぉ?」
「ジランド王国騎士団に入りまして、国民の安寧を守るために見回ってるダス。」
チラッと待たせている警備騎士たちを見やるロック。
「あらぁ、邪魔して悪かったわねぇ。寝る場所なければ、向こうにリュウの家があるからねぇ~。」
クレアとエンカが去り、ロックは寿命が縮んだ・・・と息を吐いた。しばらくロックはジランド王国騎士団の警備騎士として仕事をこなす。そしてジランド王国に迫り来る脅威に立ち向かうことになるのだが、それはまたのちのお話・・・。
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