鬼と狼と導師の因縁
「ガウガウ」
「はいはい、ご苦労さん」
報告に来た狼を、焔は見送る。
自宅の縁側でゴロゴロしている、友人ーーというよりは、仕事仲間。
悪く言えば、いい加減な存在を見て、晋也は溜息をつく。
素振りに使っていた竹刀を降ろして
「で、内容はなんです?」
「ユグドラシル・インダストリーの社長から、面白い情報が入ったよぉ」
焔から内容を聞き、晋也は肩を竦める。
「やってることは、デバガメですね。そのゲームカセット、わざと放置したのでは?」
「やだなぁ、人聞きの悪い。まあ、知ったところで協力する気はないけどねぇ」
「確か、大神家も元を辿れば西から流れて来た一族でしたね」
「そうそう、セトの血族……まあ、簡単に言えば狼男ってやつ」
導師も向こうでいうところの悪魔払い(エクソシスト)が、日本にたどり着いて名前が変わったとされている。どちらも鬼を追い、この神楽の地で協力することになった。
「しかし、現場に居た少年、気になりますね」
考え込む晋也を見て
「だって、吸血鬼に現れる刻印ってやつなかったんでしょ」
「まあ、そうなんですが……」
♦︎♦︎♦︎
秀一から、赤と緑の配管工ゲームのカセットを受け取り
「え、借りてもいいのか?」
瑠架は目を輝かせる。
「うん、僕はだいぶ前にクリアしてるから」
「あんた、ゲーム機買ったの?」
早紀に声を掛けられ
「ああ、診療所の手伝いで小遣いを前借りする予定だったけど……最新のゲーム機のこと知らないって、オッサン扱いしたら、怒って使用人に買いに行かせた」
「あ、甘やかしすぎ……」
学校で遊ぶのは、ほどほどにしなさいよ、と早紀。
いつも瑠架に向けられているトゲトゲしい視線が、時折、秀一にも向けられている。
(これって、長谷川くんも疑われてるってこと?)
「こ、この旗を下ろすやつ……上手くいかない」
「ここは、思いっきりBボタンでためて」
「ムズカシイ……」
「あはは、もうちょっとゆっくり教えられたらいいんだけど」
「なら、うちに来るか? ボロいけど」
瑠架の誘いに
「いいの?」
「あんた、一般人にあの山登りさせる気?」
早紀は、呆れ顔。
「長谷川くん、たどり着く前に……死ぬと思うわ」
「そ、そんなすごい所にすんでるの」
やっぱり大神家の人は違うね、と動揺する秀一。
「うーん、じゃあ診療所の東屋で」




