妖精息子2の29
あまりのおどろきに
「……そんなの、おかしいよ!」
佐和子が思わずさけぶと、
絵里はふきだして
「なに言ってるの!おかしいのは佐和子ちゃんのほうだよ!妖魔の王子を子として育ててるなんて!
言えなかったけど、あなたがぷーすけくんを初めて学校につれてきたとき、彼の感化を受けなかったあたしは、本当にびっくりしてたんだから!
あたしだけじゃない。この街の魔術関係者は全員、ぷーすけくんたちの存在を把握して大警戒したのよ!まさか、******なんて強力な妖魔がやってくるなんて!
それこそ機構……この街の裏の寄り合いも、対策にのりだしていた」
対策って、そんなおおぎょうな……あの子たち、なにもしないよ。
「そんなことば、魔術関係者はだれも信じないよ。かつて地球上にひとつしかなかった大陸が分裂して今みたいに6つになったきっかけは、******が暴れたせいだとされているのに。今もその余波でプレートは動いている」
そんなオーバーな……。
「ただ、今回はアチラの医者が『彼らの危険性は低い』と機構に報告したから、とりあえず様子見になったの」
そのことばに、佐和子はおどろいて
「アチラの医者?絵里ちゃん、あの金髪のお医者さん知ってるの?」
「もちろん知ってる。あたしたちの業界では有名人だからね。でも会ったこと
はない。あの医者に会えるのは、魔術関係者でもそうはいないんだよ。それこそホンモノのサカイモノじゃないと難しい」
ちくわの治療で知り合った丸メガネの医者とは、ぷーすけが金の王子を倒した日以来会っていない。
(あのお医者さんが、ぷーすけを良いように言ってくれたんだ。知らなかった)
「絵里ちゃんはサカイモノじゃないの?」
「ぜんぜん違う。あたしは、せいぜいただの魔術つかいの女の子」
ただの魔術つかいって……
「『魔女』と言いたいところだけど、この街で『魔女』と言うと、特定のものたちを示すから。それらに比べたら、あたしはただの人間。
ちょっとは変わった力……魔能はあるけど、サカイモノではない。サカイモノとは、アチラモノと『ふつう』にコミュニケートできる超特殊人間のことだから。魔能があるからなる、そんな簡単なものじゃない。
今あたしたちがぷーすけくんたちと交流できているのは、あくまで彼らが周囲にエネルギー場を作用させてくれているから。それが途切れたら、あたしたちには彼らを認知することすら難しい。今ある記憶も消えてしまう」
「えっ?じゃああたしも、ぷーすけのこととか忘れてしまうの?」




