20 調合の訓練 ③
本日は2話連続更新しています ご注意ください
ビィドメイヤーの錬金術の本が読めるようになると、錬金術への理解がぐっと深まった。
魔力を乗せる、通すといった方法の違いも分かりやすく書かれていた。魔法陣をなるべく長い時間出すコツなどもあったが難しかった。
三つ以上の素材を合わせるときはその分魔法陣も増え、余程、器用でないと難しいだろう。まだまだ先のことだけど、修行あるのみだ。
『解析』ができると、鉱物になにが含まれているか、また、構成物がどのくらいのパーセンテージ%で入っていることが、分かるのだ(便利だ!)。
銅は自由に魔力を通して液化させ、動かせるようになったし、形も元に戻せるようになった。時々、魔法陣から丸い点二列にくっついているのが出るようになったが、点をうまく光らせるのは、難しかった。
しかし何度も繰り返すうちに、上手く光らせられた時には品質が上がるということに気が付いた。
薬剤調合は、薬剤師とかなり被っているので、銅の調合を練習している時は、まさに、錬金術、という気がして、気分があがる。
術中、銅の粒子が光って液体のように宙を動いていくので、まるで、マジシャンだ。
また更に、鉱物からも成分を取り出すこともできるようになった『分解・抽出』と複合で唱えると亜鉛などの種類ごとに金属くずとなってでてきた。
中には小さいが、サファイアなどの宝石があり、見つけたときはうれしかった。
また、金属の粒子が細かく光る霧のようになって一定方向に動いていく様は、見ていて飽きない。
魔法陣は唱えてすぐにでてしばらくしてすぐに消える。
教本には初歩レシピ以外は魔法陣がきれいに出ないと、その調合物は上手く出来上がらず、失敗してしまう確率が上がるという。
魔法陣はレシピのプログラミングであり、
一種の指示書のような働きをしているかもしれない、と気が付いた。
キチンと指示がなされなければ失敗するのは仕方がない。
そして残念ながら教本の中には、魔法陣の上にさらに浮かび上がる図のことは……一切記述がなかったので、想像でしかできないが……推測するに、あの謎の図形はボーナス要素なのかもしれない――
今日の師匠のレッスンは、合金だ。
丈夫な青銅ブロンズと磨くときれいな黄銅、真鍮と呼ばれるものだ。加工しやすい。
「両方、この辺りでもよく使うんだよ。青銅は丈夫だし、真鍮のほうも加工するときやわらかくて扱いやすいし、装飾に向く。特性も付けやすいから、冒険者向けに丈夫な装飾品もできたりするんだ」
これに、触媒を加えて特性を持たせたり、後から他のを、好みで混ぜたて個性を出したりするだ。」
どちらも銅を使ったもので、銅と鉱物で錬金する。
いつものように、師匠は一通り見本をやってみせて、一度作業を確認してから、あとはアーシアの自由に練習をせてくれた。わからないことがあっても、大概、同じ作業場か台所にいるのですぐに気づいてアドバイスしてくれる。
レシピ【真鍮】銅のインゴット1・亜鉛インゴットまたはスレハ鉱石1
亜鉛のインゴットは採取してきたスレハ鉱石というのから作る。
二つを前に置いて、
『調合』
ゆっくりと細く長く、煙のように粒子の流れが立ち上がり、螺旋を描くように重なり、交わっていった。
上手くまとめるには、しばらくの時間がかかった。
『成型』
18cmくらいの延べ棒が出来上がった。決まった形の成型には、慣れたものだ。
『鑑定』
[黄銅(素材):(品質C・64)/(特性)なし]
初めてにしては、なかなかのできだ。初めて作るアイテムの品質が、少しずつ上がってきている。
アーシア自身の錬金術のレベルが上がってきているからかもしてない。
(一度自分のレベル確認してみたいな)
鑑定スキルがあっても、人間に対してはかなりレベルがいる。
以前、オーツ家族に鑑定していいか、お願いしてみたが(プライバシーはこちらでもある。勝手に人を鑑定するのはいけないことだった)、ほぼほぼ見えない。
黄銅の錬金の練習をどんどん繰り返す。しばらくして、青銅も。
作業台に、色の少し違う2種類のインゴットが、次々に積みあがっていった。
「自分で作ったインゴットは、自分でストックしておきなさい。
後で、びっくりするほど必要になるからね!」
師匠は笑いながら、通りすがりに言った。
お読みいただきありがとうございました
明日は、18時ごろに、第21話をお届けする予定です




