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ヴァニタスの鳥籠  作者: 鮭のアロワナ、しゃろわな
二章
38/60

37話

理事長から自宅謹慎が伝えられたその夜。男たち三人の下衆な会話が繰り広げられていた。


「くそっ!!誰があの女に告げ口を…」


「絶対俺らの担任だぜ。東だっけ?絶対そいつだぜ」


そういえば…そんな奴も居たな。影が薄すぎて今まで忘れていた。


「確か…庶民だよな?俺らの事売った罪贖ってもらおうか」


下賤な庶民が俺たちに歯向かった事、後悔させてやる。


「なぁ…俺達これからどうなるんだよ?自宅謹慎って言われたけど実際は退学みたいなもんだろ?」


「そんなもんどうにでもなる。俺たちは金持ちだ、退学になった所で関係ない」


そう、俺たちは次期当主。それは不変だ。親父たちが妹たちに当主を渡すとは思えない。


「なぁ、東って確か…一人暮らしだよな?」


「確かな。…良い事思いついたぜ」


「なんだよ。犯罪は流石に勘弁な」


今さら何を言ってやがる。学園を退学になる俺達に関係ない事だ。犯罪なぞ揉み消せばいい。相手は下民だ。どうとでもなる。


「お前だってしたいだろ?あの女の身体ジロジロ見てたじゃねぇか」


こいつ等も年頃の男だ。性的刺激を欲する時期。これに食いつかない訳がない。


「で、でもよぉ…」


「何、大丈夫さ。俺の家がもみ消してやる」


今までもそうしてきた。今さら揉み消せないなんてことは無い。


「お、俺はやるぜ!もう学生じゃないんだ!」


「マジかよ...じゃ、じゃあ俺もやるよ…」


あまり乗り気では無さそうだが、断る勇気も無いのだろう。


「日時はそうだな…直ぐでも良いな。明日の夜、あいつが学園を出たら後を付けるぞ」


目には目を、歯には歯をだ。





「なんだって!?あいつらが逆恨みで襲ってくるかも知れないって!?」


近藤が言う。


「ええ、可能性はゼロではありませんから。貴方が優香さんを護ってあげて下さい」


「そ、それは勿論だが…犯罪じゃねぇか!?」


「犯罪だからなんだ。奴らにとっては関係ないだろ?それはお前が一番分かっているだろう」


「くそっ…そこまで庶民が憎いかよ!?」


庶民が憎い…と言うよりお前たちが憎いになったな。


「俺がついてやれればそれで良いんだが、生憎俺には別に護る対象が居るんでな」


「だから俺が…でもよ、俺なんかに出来るのかよ?」


まあ、無理だろうな。あの三人相手に後れを取るとは思わないが…多分相手は傭兵でも雇うだろうな。自ら危険な所に乗り込む訳がない。臆病なお坊ちゃん達は特にな。


「異変を感じたら直ぐに私に連絡してください。直ぐに向かいます」


美羽が言う。それはつまり俺を行かせるって事だろう。自分勝手な奴め。俺を一体何だと思っているんだ。


「ああ、助かるぜ。因みに連理が護衛する対象ってのは?」


「東先生ですよ。東先生が告げ口したと知っているでしょうから。一番憎い相手は東先生だと思います」


「東先生!?そ、そんな俺のせいで…」


自分のせい?はっ、勘違いも甚だしい奴だな。


「俺はもう行くぜ。そろそろあの女が帰る時間だろ」


狙われるとしたら学園の外、要するに帰宅時か出勤時って事だ。流石に寝ている間は鍵でもかけているだろう。


「東先生を頼む!あの人は俺の恩人なんだ」


「連理、もしもの時は迷わないで…危険と感じたなら」


美羽から言われる。それが意味することは俺が危険だと感じたなら殺して構わないという事だろう。


まあ、そんな必要が無い事を祈るぜ。

キリ良くすると短いか、長いかになってしまう...自分の下手くそさが憎い

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