表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/12

第8話 ウォーター・シャームバトル 

璃月はふらふらと想刃とは逆方向に逃げるようにして当てもなく歩いていた。


使って間もないがこの盾は自分の思いどおりに動いてくれた。守ってくれた。

だがあの男、想刃にはまったく無意味だった。


(『そこらへんの雑魚に殺される』ね・・・彼にとってはあのルーミアとやらも雑魚なんだろうけど・・・)


待てよ?・・・ルーミア?

璃月は彼女の発した言葉を思い出した。

「反応できたはずなのに。あの男とは違うの?」


ここで一つの仮説が立った。

持っていた剣、破壊的な攻撃力、妖怪への執念・・・

彼女をやったのは想刃にちがいない。と


同時に今の自分ではライオンとウサギほどの実力差があることを察した。

あんな化物かなうわけない。


彼はためいきをつき、腹いせに真下に転がっている小石を蹴っ飛ばした。

すると放物線を描いて少し遠くの地面に落ちるはずだった小石は途中でガラスにでも当たったかのように

音を立て、ベクトルを変えて横に飛んでいった。


彼は首をかしげた。


今度は握りこぶしサイズの石を見つけて拾い、その透明のなにかに向けて投げる。

すると「あうち!」と声をあげたのだ。


「だ、誰かそこにいるのか?!」

璃月は盾を構えて警戒する。

そのなぞの透明物体はだんだんと姿がはっきりし、現れたのは水色のスカートを履き、体の二回りほど大きいリュックを背負っている、またもや人。

いや、また妖怪か。



「い、痛い・・・」

その妖怪もまた女性で、いや少女で、

こっちを見て額のたんこぶを押さえたままうるうると涙を浮かべている。


「あ。いや、すまない」

敵対関係であるはず妖怪に謝りをいれるのはどうなんだろう?

と璃月は思った。



「人間よ・・・私が見えなかったとはいえ投げるものが大きいぞ・・・」

・・・問題はそっちなのだろうか。


「あんたは透明になれるのか?」

以前、彼は盾を構えたまま。

なぜなら妖怪が目の前にいるからだ。

例の「雑魚」というやつかもしれない。


「そんなところだ。光学迷彩というやつだけどな」


「光学迷彩?!」

カメレオン・・・なのか?!


「なあ人間。なんでそんなに警戒しているんだ?」


「あ、あんたも妖怪で、人を喰うのか!?」


「んー・・・妖怪だけど、人間は食べないなぁ・・・」

彼女は璃月に近づき、無理矢理手をつかみ握手した。

「なに・・・?」


「私は河城にとり。人間、あんたの名は?」


「璃月、華千璃月・・」

易々と自己紹介に応じてよかったかはわからないが、彼女に戦う意志はなさそうだし、構わないかと自分もそれに応じた。

ギブ&テイクのような紫さんと同じ部類なのだろうか?


「そうか、リツキか。よろしくな。反応から見たところ外来人のようだけど・・・」


「外来人?」


「外からやって来た人たちのこと。いわばこの幻想郷に入ってきた新人。かな」

入らされた。が正解だ。

・・・部長のこと思い出した。あの人今なにやってるんだか・・・


「やっぱり弾幕ごっこもしらないよね?」


「・・・もしかしてビームで消し飛ばしたり格闘で殴り合う死合のこと?」


「ん?・・・完全な殺し合いではないはずだがね。今は例のほら、ブン屋が追ってる想刃といったか。

あちらがその気ならこちらもその気でやらないとならないからなぁ。ともかく勘違いだ」


やっぱりあの人、有名人になってるじゃないか・・・

璃月は絶対また戦う日が来る。とうすうす感じていた。

強くならなければ。あの人はこの人、にとりさんだって攻撃対象のはずだ・・・



「にとりさん、僕に『弾幕ごっこ』を教えてください」


「OK。完璧にー・・とはいかないけどルールなら教えられるはずさ」



僕はにとりさんにルールを教えてもらった。

スペル宣言、敗北条件、勝利条件・・・

今の「ごっこ」の状況、雰囲気etc


「それじゃ、模擬戦やってみるか。リツキ」



「も、もうですか?まだルールしか聞いてない・・・」



「君はいくらか戦ったんだろ?能力者ならなんとかやれるし、私も本気では戦わないよ。さあいくよ!」



(・・・レクチャーしてくれるなら、戦い方を「吸収」して僕は強くなる!)

璃月は盾に意識を集中する。

盾は彼の意志に応えたかのように光の翼を現出させる。


にとりはリュックから2本の水流を地面に噴射しながら宙に浮く

「いくよ!光学「オプティカルカモフラージュの迷彩抜き」!」

さらにリュックから数多のミサイルが射出され璃月に襲いかかる


「ミサイル・・・ならば!」

璃月は両手を大きく広げてドーム状にバリアを展開しミサイルの雨を防ぐ。

バリアはいくら爆撃を受けようが、びくともしない。


「守りの能力か。だけど守りだけでは勝てない!」


「そう!守りだけでは勝てない!」


「?」


「なら、攻撃に転じるしかない!うおおおっ!」

璃月はドームバリアを解除してミサイルを回避しつつ

空中にバリアを水平にしていくつか展開して階段のように足場を作り彼女に向けて駆け出す。


にとりはバックしながら更にミサイルの雨を彼に浴びせ続ける。

「思い切りがいいね・・・けど突っ込んでくるならただの猪と変わらないよ」



「光波『V.S.l.b(ヴェスルブ)』!」


璃月は盾から自身の体長と同じ長さほどの光の剣を生成させにとりを水平になぎ払った。

に対してにとりはバク宙し斬撃を避けながら、噴射している2本の水柱を璃月にぶつけた。


璃月は水柱の勢いに押され、体勢を崩す。



「よし。続いて!河童『お化けキューカンバー』!」

にとりは依然ミサイルを放ちながら、無差別に緑色のレーザーを撃つ。

体勢を崩した璃月にミサイルとレーザーが直撃。

周囲は爆煙に包まれ、彼女はやった。と思いつつも少しやり過ぎたなぁ。と爆心地へ近づく。


煙が晴れるとそこにあったのは彼の装備していた盾。

光り輝き、その場で”自身”のみを守り続けている。

「身代わり?!」


「まだだぁ!」


璃月は油断していたにとりに飛びかかり、抱きつく。

突然不意を突かれリュックの水圧は不安定になり・・・


「ちょ、ちょっと待ってリツキ!バランスが・・うわーーーっ!」


「え。」


勝ったと思ったのもつかの間。

ふたりは一緒になって地上に向けて真っ逆さま。


((きょうはよく頭をぶつける日だ。))


そのあとにとりのリュックがクッションがわりになり二人とも助かり、そのまま模擬戦は終了することになった。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ