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まおうさまの勇者育成計画  作者: okamiyu
序章:すべての旅は、茶番から始まる――剣も魔法もまだいらない
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【リメイク】第二話:聖剣は選んだ、何も持たぬ者を

この物語には、“勇者”が登場します。

選ばれし者。世界を救う存在。希望の象徴。


――ですが。


その“勇者”が、どこから来たのか。

どんな人生を歩んできたのか。


そこまで語られることは、ほとんどありません。


もし、その勇者が――

生まれた瞬間から、何一つ持たない存在だったとしたら?


名前すら奪われ、

尊厳すら踏みにじられ、

“人間であること”さえ許されなかったとしたら?


それでもなお、その者は――

“勇者”になれるのでしょうか。


これは、

ある少女が“選ばれるまで”の物語。


そして――

“救われなかった誰か”の、祈りの物語です。

何十年も昔、この世界で“異世界勇者召喚の儀式”が行われた。

そのとき現れたのは、黒い髪を持ち、見たこともない服を纏った異邦の若者。

信じられないほどの強さを持つその者は、当時の魔王を討伐し、世界を救った。

――その名は、カズキ・アルセリオン。

彼はこの王国の姫クリシア・アルセリオンを娶り、アルセリオン王家の一員となった。

その後、仲間たちとともに世界の混乱を鎮め、二十年以上の平和を築いた。

だが、平和は永遠ではなかった。

ある日、神殿において、大司教は神託を受けた。新たな魔王の誕生を告げる神託を。

王国はふたたび、“勇者”の登場を求められた。

*

最も期待されたのは、現国王カズキの長男――

第一王子、マサキ・アルセリオン。

異世界の血を濃く引き、その髪はこの世界には珍しい“黒”。

幼いころから剣聖に師事し、剣術を叩き込まれてきた。

成人を迎えた今年、ついに――

彼の夢であった勇者選抜のための“聖剣の儀”が行われた。

しかし。

「なぜ抜けないッ!? この俺以外に、誰が抜ける資格があるって言うんだ!!」

叫びも虚しく、マサキは聖剣を抜くことができなかった。

――選ばれなかったのだ。

勇者にも、聖剣にも。

それは誰もが予想しなかった出来事だった。

他に有力な候補者もいない今、神官たちは代案を出すしかなかった。

「……では、第二王女・レン様にお試しいただくしか……」

彼女はマサキより四歳年下。現在は辺境の地で暮らしている。

第一王女ツバキは帝国に嫁いでおり、第二王子ユウキはまだ幼い。

よって、次の候補者として名前が上がったのは、彼女しかいなかった。

レン王女が王都に戻るまで、“勇者選抜”は一時中止となった。

「俺は認めない……ッ! あの女が俺より相応しいなんて、認めてたまるか!!」

怒り狂うマサキに、誰も言葉をかけられなかった。

父であり、元勇者でもあるカズキでさえ――ただ静かにため息をつくだけだった。

慰めの言葉は、息子の誇りをさらに傷つけるだけだと悟っていたから。

しかし。

すべてが一件落着と思われたその翌日、

――“運命”は、人々を嘲笑うかのように覆った。

「えっ……えっと……す、すみませんっ! 本当にすみませんっ! あの、わざとじゃ、ないんですっ!」

そう言いながら、両手で“抜かれた聖剣”を抱えるのは――

ただの、どこにでもいるただのメイドだった。

昨日、聖剣の儀式の後、神殿の清掃を任されていた彼女は、

まさかの“うっかり”で、聖剣を抜いてしまったというのだ。

その場にいた者たちは、息を呑んで彼女を見つめるしかなかった。

富も、名声も、血筋も、そして戦闘の才すら持たない少女。

だが、聖剣は――彼女を選んだ。

勇者に選ばれたのは、誰の期待にも応えられなかった王子ではなかった。

まおうさまよ――汝の育成の道は、険しきことこの上ないぞ。

*

時を遡ろう。

少女が勇者になる前までの話を。

勇者カズキが王になる前、この国では奴隷が当たり前のように存在していた。

貴族階級が社会資源を独占し、その上で重い税金を課していたため、貧富の差は激しかった。

少しのことで平民は食べる口を失い、売れるのは自分自身だけとなって奴隷に落ちる。

それはたまたま罹った病気のせいかもしれない。あるいは悪い天候で作物が育たなかったせいかもしれない。

貧困は伝染病のように社会に蔓延していた。

例え魔王が討伐されたとしても、人々の暮らしは良くならなかった。

むしろ“平和”になった分だけ、貴族たちの豪遊はさらに度を越し、魔王がいた頃以上に人々を苦しめていた。

――シンディ。

奴隷の女。

昔、家は商人で、少しばかり稼いでいた。

だが、ある日、商品を売りに向かった帰り道、運悪く山賊に襲われた。

有り金すべてを奪われただけでなく、命すら許されなかった。

父は無残に殺され、母は山賊に汚された後、殺された。

シンディを含む兄弟たちは、奴隷としてバラバラに売られた。

“シンディ”という名は、彼女の本当の名前ではない。

いつも埃まみれだったため、誰かが“灰かぶり”と呼び、それが“シンディ”になった。

彼女は田舎の貴族に買われ、メイドとして働かされた。

普段は家事全般はもちろん、男手が足りない時には農作業に駆り出されることも珍しくなかった。

さらに、女性奴隷に対する性的暴行も――想像するに難くなかった。

レイプ、性的虐待。彼女はまるで物のように扱われた。

豊作の年などには、頑張って収穫に励んだ男性奴隷たちへの“ご褒美”として、慰み者にされることもあった。

毎日が地獄のようだった。

一層、命を断とうと、彼女が初めて勇気を振り絞ったのは、

自殺のときだった。

深夜、こっそり用意した縄で首を吊ろうとした。

皮肉なことに、それはすぐに見つかり、助けられた。

当然、それは善意からではない。“財産”は、自分の運命すら自分で決めることを許されないのだ。

シンディはこの上なく絶望した。

残酷な社会は、彼女に死ぬことすら許さなかった。

しかし――幸運か、不幸か。

彼女が妊娠したことも、この騒ぎで医者に診せた際に偶然発覚した。

その主人は大喜びした。彼女の仕事を減らすことまでした。

もちろん、これも善意ではない。“財産”が増えるからだ。

シンディはこの子に複雑な気持ちを抱いていた。

母として子に対する愛と、自分の子を生まれながらにして奴隷にしてしまう罪悪感。

二つの思いが鬩ぎ合った結果――母の愛が勝った。

生まれた。女の子だった。

裂けるほどの痛みを耐え、彼女は一人の女の子を産んだ。

シンディは愛を込めて、その子に

『セリナ』という名を授けた。

それは彼女しか知らない――彼女が“シンディ”になる前の、本当の名前だ。

セリナの誕生を喜んだのは、シンディだけだった。

主人はがっかりした。女性奴隷は、よほど美しくない限り、男性奴隷よりも相場が低い。

セリナは可愛いが、飛び出るほどの美貌は持っていなかった。

これは赤字だ。

ならば、赤字が拡大する前に、どうにかしなければ。

セリナの運命はどうやら、生まれた時から決められていたようだ。

*

「お母さん、セリナ、台所の掃除終わりました。えへへ。」

ボロ布を集めて作ったような服を着て、セリナちゃんは今日の仕事を終えた。

まだ六歳になったばかりだ。だが、この社会は、ただ飯を食べさせてくれるほど優しくはない。

「偉いわ……ゴホッ、ゴホッ……ごめんなさい、母が不甲斐ないばかりに。」

セリナを産んだシンディは、まるですべての元気を彼女に与えてしまったかのように、あれから体調が戻らず、衰弱の一途をたどった。

最初は主人も医者を診させようとしたが、高い医療費を見て、割に合わないと判断し、治療を諦めた。

シンディには、食事と、生まれたセリナを養うことが、もはや不可能に等しい。

それでも彼女は、男性奴隷たちに体を売り、何とか食い残しで生き延びてきた。

それも六年。体も心も限界に達している。

今なお生きていられるのは、セリナを置いていけないからだ。

「ミーナのおばちゃんが、お饅頭ひとつ多めにくれました。お母さん、一緒に食べましょう。」

幼い手で、その手よりも大きなお饅頭を差し出されて――

シンディは、不思議そうに笑顔を見せなかった。

「セリナちゃんは、将来何になりたいの? 商人か、学者か、それとも女の子らしくお嫁さんかしら。」

「ううん。」

お饅頭を頬張りながら、セリナは答えた。

「セリナは奴隷でいいです。それなら、お母さんを楽にできます。」

霹靂に打たれたように、シンディは手の中の饅頭をセリナに投げつけた。

弱った体を顧みず、叫んだ。

「ダメよ! 奴隷のままじゃダメなの! セリナには普通の人生を歩んでほしい。お願い……あなただけは、幸せになって。」

「セリナ、わかりません……『普通』って何ですか? 今のセリナは、お母さんと一緒にいられるだけで、幸せです。」

ぴゃっ――!

乾いた音が響き、セリナの頬に赤い跡が残った。

シンディが、セリナが生まれて初めて、我が子を打ったのだ。

その痛みよりも――拒絶されたという思いが、セリナの胸を深く引き裂いた。

涙が目元からこぼれ落ちる。けれど、声をあげることさえできなかった。

「じゃあ……お母さんがいなくなったら、どうするの? お母さんは、あなたに一生ついて行けない。奴隷のままじゃ、セリナがお母さんになったとき、その子を守れるの! 今に甘えていられないの。セリナには……セリナには未来があるんだから……!」

その夜、親娘は抱き合って、一晩中泣いた。

世界は残酷だ。この些細な幸せでさえ、彼女たちには惜しみ与えられない。

生まれながらに奴隷として生きてきたセリナは、奴隷がどれほど卑しい身分なのかを理解していない。

それを常識として受け入れつつある――それが、シンディが最も恐れていたことだった。

彼女は心中で、どうにかしてこの環境から脱出する計画を企て始めた。

*

チャンスは、準備ができている者に訪れる。


貴族たちの好き勝手な豪遊にも、限界が来る。

いくら税を上げても、払えないものは払えない。領民はもはや貴族たちを養えず、全ての希望を失い、土地を捨てて王国から逃げ出した。

そして最も被害が酷かったのは辺境の田舎だ。帝国に近い分、逃げ出した領民は多い。

税収が減る一方で、主人の家は没落へと追いやられていた。


奴隷を売る時が来た。

労働力不足の今、女子供の奴隷は、無駄に食料を消費するだけの“口”にすぎない。

ならば売ってしまい、その金で働ける男性の奴隷を買い込む――それが必要だった。


「なんで俺が……そんなの、下の者にやらせりゃいいだろ。」


「奴隷に金を持たせて安心できるか。ここから王都まで、大道を行けば三日で着くはずだ。そのくらいの使いができんのか。」


王都への奴隷売りを命じられたのは、主人の三男だった。

奴隷だけを行かせるわけにはいかない。かといって、長男にリスクを冒させるわけにもいかない。

白い矢は三男に当たった。


普段は食べることと遊ぶことしかしてこなかった三男の顔に、いかに嫌な表情が浮かんでいるかは言うまでもない。

しかし、誰も主人が決めたことに逆らうことはできない。

女や子供の奴隷たちは、家畜のように馬車に詰め込まれ、王都へ向かった。

そこにはもちろん、シンディとセリナの親子もいた。


それは、シンディが待ち続けた、逃げるための唯一のチャンスだった。


*


王都に着いた三男は、信じられないことに出会った。


いつもの奴隷市場は、もう存在しなかった。

何年か前までは、街のどこにでも、足枷をつけて主人の後ろに従う奴隷たちがいた。

しかし今、籠の車で奴隷を運ぶ彼こそが、この王都において異物のように見える。


「あの……すみません、奴隷を売る市場はどこですか。」


現状を飲み込めていない三男は、仕方なく周囲の店に道を尋ねた。


「兄ちゃん、田舎から来たんだろ。もう奴隷制は廃止されたよ、何年も前からな。今そんなもん売ったら違法だぞ。悪いことは言わないから、その馬車の“荷物”をどうにかしな。でないと、次は兄ちゃんが入れられる番だぞ。」


辺境に暮らす彼は知らなかった。

カズキ王の改革により奴隷制は廃止され、奴隷の売買が禁止されたことを。


しかし、もっと厄介なことがあった。

三男の父――つまり、そんな話を信じるはずがない。

このまま新しい男性奴隷を連れて帰らなければ、彼の評価は父の中でさらに下がる。

一生、父と兄の前で頭を上げられなくなる。


どうにかしなければ。


だが、一日王都を回っても、買い手は見つからなかった。

買う以前に、“奴隷”という言葉を口にした途端、誰もが嫌な顔で三男をあしらった。

カズキ王の影響で、少なくともこの王都では、“奴隷”はご法度だった。


三男は、無駄な一日を浪費した。


その夜、三男は酒に逃げた。

奴隷は売れないのに、路銀だけが減っていく。

なぜ自分ばかりがこんな目に遭うのか。

三男に生まれたから、家督も継げない。自分はどれほど恵まれていないのか――

そう考えると、酒だけではその苛立ちを収めることができなかった。


そして彼は思った。

今、連れてきたのは、確か全員女ばかりだ。


邪悪な欲望と、雄としての本能が、アルコールの作用で止めどなく膨れ上がる。

女だ。どうせ売れないなら、いっそ自分で楽しもう――


そう考えた三男は、深夜だというのに、ふらふらと宿の下にある自分の馬車へ向かった。


*


夜は暗く、月明かりだけが頼りだった。

三男は何度も間違えながら、ようやく自分の馬車を見つけた。


震えた手で鍵を開ける。中はよく見えない。

適当な女を引きずり出し、自分の部屋へ連れ込もうとした。


だが、彼は知らない。

ずっとこの時を待っていたシンディが、もう準備を整えていることを。


シンディは、三男が一人で鍵を開ける時を狙っていた。

女子供しかいない籠の中では、三男は警戒しないだろう。

さらに幸運なことに、今は夜で周囲は真っ暗。そして三男は泥酔している。

女で、衰弱した彼女でも――


自分の手を縛る鎖で、三男の首を絞めることができる。


三男の不意を突き、シンディは体重をかけて彼を押し倒した。

全身の力を振り絞り、鎖を三男の首に巻きつけ、背後にある籠の柱に押し付けた。


大きな物音で、他の奴隷たちも起こされた。

その光景を目の当たりにして、全員がその場で硬直した。

奴隷が主人を殺そうとしている――今まで誰も想像すら悍ましいと感じていたことが、今、目の前で起きている。

夢ではないのか、と誰もが思った。


「セリナちゃん、逃げて。」


母の言葉に、セリナは素早く反応し、馬車から飛び降りた。

どうやら彼女も、今日のようなことが起きることを、事前にシンディから聞かされていたようだ。


セリナは地面に落ちた鍵を拾い、下水道の中に投げ捨てた。

これで追手の目標が増え、ある程度の足止めになる。

それから足を止めずに夜の街へと走り出した。まだ小さな体は、すぐに深夜の闇に溶け込み、見つけることはできないだろう。


「あのクソガキ……ぐッ!」


衝撃で、酔った頭が少しだけ正気を取り戻す。

セリナが逃げた次に、三男はようやく自分の首が絞められていることに気づいた。

必死に足掻くが、普段は弱々しいシンディの力は、想像以上に強かった。

まるで命を燃やすように、彼女は全ての力を絞り出していた。


「は……なせ! 正気か! 奴隷の……分際で、主人に逆らうのか!」


「私は奴隷なんかじゃない! 私には……セリナという名前があった! あなたたちに奪われた名前が!」


力がさらに強まる。

三男の頭は、酸素不足でくらくらと回り始めた。

しかし、生きることへの渇望が、彼に思い出させた。


腰のあたりに、護身用のナイフがあることを。


暗闇の中、彼は何度も握り損ねた。

しかし最後には、その命の綱をようやく握り締めた。


「死ね! この腐れ女が――!」


思い切りナイフをシンディの胸に突き刺す。

正確に心臓を捉えなくとも、動脈を断ったのは確実だろう。


「ざまあみやがれ……奴隷が反抗しようとするからだ……ぐッ――」


勝利を確信し、三男はわずかに気を緩めた。

だがすぐに気づく。自分の首を絞める鎖の力が、まったく緩んでいないことに。


「バカめ……お前は助からんぞ。これ以上、何になる!」


「あの娘が……確実に逃げられること……それだけで、私は十分よ……」


「狂ってる! お前ら、早く俺を助けろ! この女をどうにかしろ! ぐッ――」


他の奴隷たちに助けを求めるつもりが、彼女たちは誰一人として三男の味方をしなかった。

逆に、その両手と両足を押さえつける。

いくら男であろうと、複数の女性に体重で押さえられれば、足掻く術はない。

彼女たちも長年、この一家の暴行に耐え続けてきた。

シンディの反抗が、彼女たちが忘れていた怒りを思い出させたのだ。


そんな三男は、なおも何度か足掻いたが――

すぐに顔から血色が失せ、動かなくなった。


「……これで、終わりよ。」


アドレナリンの効果が切れ、大量の血液を失った代償が、今まさに現れようとしていた。


「シンディさん!」


他の奴隷の少女たちがシンディを助けようとする。

しかし、今のシンディに生きる可能性は、もはや残されていなかった。

流れ出た血が一面を赤く染める。

彼女はようやく、七年前に迎えられなかった自分の終焉を、今、迎えようとしていた。


「……どうか……あの娘が、健康で、幸せに暮らせますように……

神……いや……魔王様……お願いします……わたしの、せりなを……」


シンディの一生は、数えきれないほど神に祈った。

だが神は、彼女に一度も慈悲を与えなかった。

ならば、魔王でもいい。

愛しい娘セリナが健やかに暮らせるなら、魔王にだって祈ろう――

そんな思いを抱いて、シンディ、もとい“元セリナ”は、その悲惨な生涯を閉じた。


*


「お母さん、遅いです。後で中央広場で集合するって、約束したのに。」


逃げ出したセリナは、一人、静かに王都の中央広場で、来るはずのない母を待っていた。

彼女がシンディの死を知ることになるのは、翌日、衛兵に発見され保護された、三日後のことだった。


この事件をきっかけに、王国のすべての奴隷は解放され、奴隷制は永遠に歴史となった。

そして、少女セリナの物語は、今まさに始まろうとしている。

勇者は、選ばれた。


けれどそれは――

祝福などではなかったのかもしれない。


彼女は知らない。

自分がどれほどのものを背負わされているのかを。


彼女は知らない。

自分の“始まり”が、どれほどの絶望の上に成り立っているのかを。


そして――


そのすべてを、遠く離れた場所で“歓迎している存在”がいることを。


魔王は言った。

「勇者を育て、そして潰す」と。


ならばこれは、ただの英雄譚ではない。


希望が生まれ、

絶望に叩き落とされるまでの――

綿密に仕組まれた“物語”だ。


次回、物語は動き出す。


“選ばれた少女”と、

“それを見つめる魔王”。


その運命が交わるとき――

世界は、もう元には戻らない。

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