13話 冒険者達の処罰
襲ってっきた冒険者達を捕えて、ダンジョンに帰ってきた、俺達は取り敢えず、食事を取っている。
交易で手に入れた酒もあるし、嫌な事は、忘れよう。
「そういえば、捕らえている冒険者達にも食事は必要では?」
とホムンクルススケルトンメイジ。
こいつら、ホムンクルススケルトンたちも普通に喋るよな。
「そうだな、食事とか、出しちゃってホネ」
「ミノタウルスから語尾になんかつけて欲しいと聞きましたが流石にホネはないでしょう!?」
「やっぱりだめか」
「そんな事より、食事はみんなが食べている物と同じでいいですか? もちろんお酒は出しませんが」
「そうだな、みんなと食べてるやつを出してやろう」
そして俺は、食事を一緒に持って行ってやる。
「おーい、飯の時間だぞ。酒は出してやらんが、飯ぐらいは奢ってやるからな。それと明日にはギルドにお前たちを引き渡す」
「モンスターの飯なんざ食えるかよ! どうせ生肉でも食ってるんだろ?」
「いやいや、君たちの町で手に入れたものだから、物は同じだからね!? しかも家のモンスター達はちゃんと火を通してから食べるから。その辺の野良のモンスターと一緒にしないでくれるかな」
「毒でも入れて殺そうとしてるんじゃないのか?」
「疑い深いなぁ、その気になれば、ここですぐに殺している。明日ギルドに引き渡すって言ってるだろ? 道の整備ができてるから馬車でいけば、そんなにかからないよ。取り敢えず食ってみ。美味しいから」
そういうと、冒険者達は、恐る恐る食事に手を付け始めた。
「うまい」
と一人の冒険者がいうと、みんながっつき始めた。
よほど腹が減っていたのだろうか?
「どうだ?うまかろう。家の料理当番たちがつくったのだ、ありがたくいただきたまえ」
「くっ、こんな飯だけで、俺達を篭絡できると思うなよ」
「そんなこと、思ってないぞ。ただ俺達を認めるだけでいいんだよ。仲良しごっこじゃないんだ、いい大人が時代の変化を認められないだけだろ?」
「違う、俺達は、俺達はただ、昔やられた仲間の仇を取りたかっただけだ」
「それこそ、お門違いだ。俺達は無暗に人間を攻撃したりしていないからな。お前たちの仇とは違う。それぐらいわかってるんだろ? お前たちのしている事はただの八つ当たりだ」
「そんな事は……」
それ以上の言葉は彼らからは出なかった。
自分達でもわかってるんだろ、これが本当にただの八つ当たりでしかない事が。
感情とは厄介なものだ、それでもなお、人は合理的に考える事より、時に自分の感情を優先させてしまう。
彼らのように。
それが人を人たら占めるものかもしれない。
だが、そんなセンチな事を言ってる場合ではない。
実際にかれらは、罪を犯したのだ。
シミルがどういう判断を下すかは明日ギルドに行けばわかるだろう。
でも、実質的な被害は出てないんだよな。
次の日、俺は、冒険者達をギルドに連行して事の顛末を話す。
「馬鹿どもめ早速しでかしたか」
と、シミル。
「どうする気だ、こっちの被害は全く出ていないが」
「本来なら即刻ギルド会員はく奪の上に犯罪奴隷行きだが、事はそうはいかない。まだまだ、お前達ダンジョン側の信頼も得らていない今は、特にな」
領民たちもまだまだ、この町では当たり前の習慣になっていないしな。
ここで今、下手に裁きを下せば、領民たちは、領主がダンジョン側と思われても不味い。
また、逆に何のお咎めなしにすれば、悪い前例を作ってしまうことになるだろうしな。
これは、困った。
「今なら無かった事にしてやってもいいが?」
「ありがたい申し出だが、すでに調書も取り始めているし、他の冒険者からもお前たちを襲う計画に誘われていた冒険者も証言してるんだ。それに報告を受けた衛士達がもすぐ来る。私は、衛士達と共にマキノの所に行って相談してくる」
「なら、俺も着いて行こう。被害者は俺だしな」
しばらくすると、衛士達が来て、冒険者達を牢屋へと連れて行く。
報告のために戻る、衛士さんに着いて俺とシミルは女辺境伯マキノに会いに行く。
俺達2人はすぐに、応接室に連れられて、少し待つ。
マキノは執事と護衛の騎士を連れて現れた。
執事はわかるが、護衛の騎士は何で?
もしかして、俺対策ですか?
そこまで信用ないの?
「まず、謝っておくわね、護衛の騎士は、一応貴方が危険ではないかという意見がでて、団長がうるさくてね。こうしてつきあって貰ってるわ」
「やっぱり、信用ないんだな」
「『今は』、と、つけさせてもらいますわね」
「すまない、マキノ。私の監督不行き届きだ」
「全くだわ。でも、起きてしまった事はしょうがないわ。早速だけど協議を始めましょ。」
「ああ、よろしく頼むよ」
「まずガイアさん、シミルからも聞いてると思うけど、本来の処罰は与えられないわ。だけど、それ相応の処罰が必要になるわ」
「ギルドも同じだ。ギルド会員のはく奪は難しいだろう」
「特に俺から何かを罰せよとは思ってないぞ。俺は、お前たちが守らなければならない民では無いからな。何なら罰として交易をしばらく止めてもいいぞ」
「待ってちょうだい、それはこの町が困るのよ。今やガイア達の取引は商人達の噂になっているのよ。それにポーションの原材料が手に入らなくなるのはもっと困るのよ」
「交易を続けることは別に構わないが処罰はどうするんだ?」
「問題はそこよね。冒険者ギルド会員が起こして罪は結構大変なのよ。領主としても処罰は必要になるし」
「冒険者ギルドとしても、処罰は必要になるんだ」
「じゃあ、冒険者ギルドとしては、ギルド会員の3カ月の停止処分、領主としは、3カ月の間、低賃金での町の仕事でもやって貰えばいいんじゃないかな?流石に無料奉仕ではあいつらも食っていけないからな。いい見せしめにもなるんじゃないのか?」
「「それだ」」
「それなら、冒険者ギルドの会員たちも納得できるだろう」
「こちらも領主としての罰になりますわ、でも具体的には何をさせようかしら?色々ありすぎて困ったわね」
「それから、ちゃんと布告も出しておいてくれよ?俺達の命がかかってるんだ、次からも上手く捕縛できるとは限らないって。最悪盗賊として斬り捨てるからな」
「分かっている。しっかりと留意しておく」
「こちらも民たちにこの事をしっかり伝えておくわ」
命を狙われた割には軽い罰だが、こちらも信頼関係を築くうえで、落としどころとしてはまだ、良い方だろう。
さて、これで冒険者達の処罰は決まった。
次はギルドに行って、誰か俺の依頼を受けてくれていないかのチェックだな。
「よし、これで決着はついたな。後はマキノに頼んで、シミル。ギルドに戻るぞ」
「ええ、後は任せてちょうだい」
「私は構わないが急にどうした? なにか急ぎの用事でもあるのか?」
「何を言っている、昨日の依頼の件だ。誰かもう依頼を受けてくれた奴はいたか?」
「ああ、温泉水の依頼だな。最初はダンジョンからの依頼だからと受けたがる奴はいなかったが、ジャック達のパーティーが受けて今頃出発してるよ」
流石、友達だ。
これで4人が帰って来たら温泉がダンジョンの中で作れるぞ。
今から楽しみだ、せっかくだから4人にも入って貰えばいいしな。
一応、リリアンヌ用に女風呂も作ってやれば、全員入れるだろう。
俺に性別はないが、このホムンクルスの体は男だからな。
「いつ頃帰って来るんだ? 温泉街とやらは遠いのか?」
「落ち着け、そんなにとおくないよ、2,3日で帰って来るから」
あと、2,3日か、それまでに階層改築をしておかねば。




