呼ばれて飛び出て―――?
フェカがセイロウを呼ぶと、すぐに扉が開きツンツンと立った青髪に猫を思わせる灰眼の青年が入ってきた。
「はい!!なんですか、フィリア様!僕をお呼びですか?って、小さくなってますね。リナ様の実験にでも巻き込まれたんですか?」
「よぉセイロウ。フィリアな、記憶喪失だ」
「ええ!?そ、それは大変です!!」
ズサッと後ろへ飛びさすり大げさに驚きを表現した彼は、首をかしげているフィリアを見る。
「セイロウ?って…青狼?」
「そうですよ!!フィリア様、流石です!僕のことわかるんですね!」
ギューとフィリアへ抱き着くセイロウを離しつつフェカがつぶやく。
「…なんか、悔しいんだけど、レオ」
「知るか」
「ねぇ、セイロウさんは補佐、どうして断ったの?」
「は?そりゃ、僕はフィリア様を守ることに命を懸けてるんですよ!?そんな補佐とかになったら、いま以上に距離は縮まりますけど、上司と部下の関係ってくくりに収まっちゃゃうじゃないですか!!」
ライラの疑問にセイロウは何聞いてんだコイツと言いたげに答えた。
「え!?あ、そ、そうなんだ?でもさ、フィリア、がっかりしてたよ?」
「そうですか。申し訳ございませんフィリア様。でも僕は…フィリア様の御命を守りたいのです!!」
「わ、わかったから!!ゆすらないで!?」
セイロウにガクガク揺すられたフィリアは悲鳴を上げ、彼の手から逃げようとする。
「ほら、セイロウ。フィリアが嫌がってるだろ?」
「はっ!!ぼ、僕としたことが…」
「…わかったから、もう出てけよ」
我に返ったセイロウをレオとフェカが2人がかりで部屋から追い出し、ほっと一息つく。
「Come On!!リンゴさん!フィリアが小っちゃいよ!」
「オイ、テメ!?誰に何話してんだ!?」
「リンゴに来るよう話しているんだろうな」
「んなのはわかるわ!」
「…ね、ねぇレオ。リンゴってだぁれ?」
3人がワーワー騒いでることに不安を感じたフィリアがレオの袖をつかみフルフルと震えながら尋ねる。
「委員長だ。後…面倒な奴」
「わからないんだけど…その説明じゃ」
「ずっりぃ!!レオだけずりぃ!」
レオの袖を固く握って離さないフィリアを見たフェカが、レオに嫉妬する。
「フン」
「鼻で笑いやがったな、この野郎!!」
「フェ、フェカ!?」
ギュとフェカに抱き寄せられたフィリアが困惑したとき。
「こんにちは~ですの!!」
「フィリアの記憶がないってマジ?」
「大丈夫なの?」
「お、王宮だ…王女の部屋だ…」
「…っていうか、勝手に入ってきちゃったけど、いいの?」
上から、リンゴ、セノーテ、ソフィー、シベリス、そしてまともなことを言っているレンだ。
「だ、誰!?ね、ねぇレオ…?フェカ…?」
いきなり大勢の人が現れたことに戸惑ったフィリアが助けを求めた2人は。
フェカの場合、シベリスとにらみ合っていた。
レオの場合、リンゴに問い詰められている。
「…ふええええ」
ベソをかき出したフィリアにライラとリンゴがノックアウト。
鼻血を出して、それを抑えるのに必死こいている。
「…女子だよな?女子なんだよな?」
「正真正銘の女だ。…変態だが」
「フィ、フィリアさん、な、泣かないでくださいよ!」
「だぁれ?」
首をちょんと傾げて見上げるフィリアになぐさめようと慌てたレンは崩れ落ちる。
「…アウトォ!!俺のフィリアに何すんだ、この野郎!!」
「誰がおまえのだ。俺のだぞ、フィリアは」
「フェカのでも、レオのでもありません!!」
フェカとレオのやりあいにシベリスがハッとフェカへ喧嘩を売る。
「っていうか!!僕のライラさんと何してたんですか!!」
「べっつにぃ~?2人っきりで話してただけだぜ?2 人 き り で」
イヤ2人きりじゃないし、レオいたしフィリアも寝てたけどいたしというライラの声は火花を飛ばす2人に届かず。
ドーダと言わんばかりに胸を張るフェカにシベリスは歯ぎしりをする。
フィリアはそんな2人を見て目を丸くしている。
「どうした、フィリア」
「いや…あれだね、あのぉー…そう、ええと…」
「三角関係、か?」
出てこない単語を必死で探るフィリアにレオが助け船を出す。
「そう、それ!!」
「「「違う!?」」」
3人同時につっこんでみたりして。
「え…違うの!?」
「驚かないで、ソフィー!!」
「てっきりそうだと思ってた」
ちなみにリンゴはその辺のクッションを抱きかかえて悶えている。




