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兄ちゃんは異世界人? 突然「強くなってくれないか?」ってお願いされた!  作者: 茶さくら
幼少編

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僕は異世界転生者 (ザックSIDE)

 僕はザック・ザルマン、日本の記憶を持った異世界転生者だ。




 前世は、別に特別に不幸でも特別に凄くもなく、ちょっとかしこい程度の普通の日本人で、32歳で病気で死んだ。




 まぁ、30代で、若くしてガンになってしまったのが不幸ぐらいで、地方の都市で中流の家庭に育ち、まあまあ賢い大学を出て、まあまあ大きな企業で勤めていた、どこにでもいる一般人って言っていいと思う。




 結婚はしていなかったが、彼女も高校の時からいたし、その後も何人かお付き合いをした。勉強もスポーツもまあまあ、社会人になっての収入も評価もまあまあぐらいの、特に大きな不満もない人生を送っていたと思う。




 だこらこそ、32歳で死が近づいた時には、もっと自由に生きても良かったなって、つくづく感じた。


 なんとなく周りが勉強するから乗り遅れないように勉強し、皆がやってるからスポーツをして、友人が女性と付き合い始めたから彼女を作り、無難な大学と会社に入った。




 いい意味では無難な人生だと思う。だけど、僕の人生に、主体性があったのかって疑問が、人生を振り返る時に、だんだんと大きくなって行った、、、


無難って誰から見ての無難だったんだろう。


僕は自分の人生を、世間や周りの価値観に、なんとなく合わせていただけかもしれない。リスクを取らないから、無難だっただけなんだ。




もっと欲望ってエンジンをぶん回し、突き進む生き方をすれば良かったなって後悔し、32歳の人生を終えた。




=============





 そんな僕が産まれ変わった時は、流石に驚いた。




 なにせ前世の記憶があったからね、初めは「何これ!?天国って事?」って思ったが、流石に授乳やおしめを変えられる時には、生まれ変わったんだなぁって漠然と認識したよ。




 異世界先輩諸兄が言うような、母のおっぱいが!とかも思わなかったし、おしめも、乳児だしなぁって普通に受け入れられてたよ。




 てか、生まれてすぐなんて、目見えないよね?見えるまで3ケ月ぐらいかかるんだけど、、、




 ただ、言葉はわからなかったから、必死に聞いて覚えようと努力したね。


 ザックってのが自分の名前なんだって事は、すぐにわかったが、他は覚えるのに結構時間かかった。


 なにせ暇だけはあったからね。




 最初に異世界かもしれないって思ったのは、その目が少し見えるようになってからだったかな。




 両親も姉兄も、茶髪で茶目の白人系だったから、南欧か東欧の方かなぁって、思ったんだけど、服とかすげぇ古くさくて、継ぎはぎあるし少し汚れてるのよ。


 家も木造で古くさい天井と壁だし、窓もガラスのない木窓だったからね。


 暗いのよ、電気もないし。




 今時ありえない貧乏な家か、南欧の中世あたりにタイムリープ転生したか、異世界転生したかの3択かなって考えたんだ。


 時間だけはあるしね。




 僕だって、異世界もののライトノベルやアニメ・ゲームぐらい知ってるからね。たしなむ程度だけども。




 だから、異世界先輩諸兄にならって、自分の魔力を探ってみたわけ!


 家族が魔法を使うとか全くなかったからね、自分で確認するしかなかったんだ。 




 そしたらあったのよ!先輩方がおっしゃる様におへその下の丹田辺りに!




 なんて言うのかな、お腹壊して下痢になった時とかに、お腹が熱く感じる事あるでしょ?


 あんな感じが、集中すると丹田あたりにあるの。


 集中したら熱いのがわかるなんて事、前世の身体にはなかったからね。


 これはっ!って思ったね。


 いやぁ、異世界先輩諸兄のおかげだわ、そんな知識ないと気づけないよ。ありがとう先輩!!




 何せ自分の魔力に気づいても、確信もてなくて、こりゃあ間違いなく異世界だなって思ったの1歳ぐらいだからね。




 いたのよ!どっぽん便所にスライムさんが! 「間違いない!」って拙い言葉で叫んじゃったよ。黒歴史だね。




 なんで、魔力に気づいても確信もてなかって言うとね。


 魔法を見る事が全くなかったし、自分でも明らかな魔法の発動なんて出来なかったからなんだ。




 僕だって努力したんだよ!


「ステータス・オープン」とか「鑑定!」とか色々言葉を変えて言ってみたり、「ライト!」とか「トーチ!」とか部屋で無難な魔法を唱えたり、あまりに反応なくてやけくそで「ファイヤー」とか「サンダー」とか、発動しちゃったらどうすんだって魔法までチャレンジしたからね。




 まぁ8歳の今なら、5歳の「授能」の日まで発動しないんだってわかるんだけどね。




 てな感じで唯一可能性のあった、魔力を動かす事をやってみた訳。


 初めは少しだけ動いて、毎日少しずつ少しずつ動かす範囲を広げて言った。




 なにせ発動しないからね、魔力減らないし、他にする事もないし色々考えると、悪い方に考えちゃうから、寝てる時以外はほとんどやってた。


 もう生後半年目ぐらいにはグルグルよ!ぐんぐん廻しまくりよ!


 凄いっしょ先輩諸兄!




 だけどね、やっぱり発動しないから不安だったし、先輩方おすすめ定番の、魔力枯渇からの魔力量増加も出来ないでしょ。




 俺tueee!最強!なんて、前世で普通の生活に満足してた僕には心躍らないけど、ある程度強くならないと、異世界先輩諸兄定番の、魔王とか厄災とかスタンピードとかで、主役になんてなりたくないけど、逃げれるかどうかも怪しいじゃん。




 なにせ説明が全くないんだよ!




 定番の白い部屋とか、女神様とか、頭に響く声とかもなかったし、途中で記憶を思い出すとかのパターンでもないし、赤ん坊から記憶だけはあるんだよ?


 最悪、やばい事あるかもなって考えないと、いざって時に全く対応出来ないでしょ。


 社会人やってたんだから、最低限のリスク管理はしたいじゃん。




 8歳の今になったら、使命系はないんじゃないかと、ほぼ思ってるんだけどね。




 色々調べたり、聞いてみたりした限り、魔王とか勇者とか聖女とか全く聞かないし、厄災とか邪神とかも聞かないしね。


 もちろん乙女先輩達定番の学園とかの話も、全くうちの村には関係ないみたい。


 てか学園とかあるかさえ怪しい。




 それぐらい文明レベルが低いのよ。


 もう一次産業バリバリなのよ!てか加工した二次産業さえ見当たらないの。




 ギリギリ炭焼きと狩人のおじさんの皮なめしと、薬屋もどきのおばちゃんの腹下しとかの薬が加工してる1.5次産業かなって感じ。




 もう農村オブ農村って感じで、知識人もいなけりゃ教会もない、本もないから、情報収集には苦労したし、内容も満足出来る程の質も量も足りなかった。


 こればかりは、街に出て再度情報収集しないとなって思っている。




 なぜか識字率はそれなりに高いの、何せ表音文字で、ひらがなオンリーみたいな文字だけどね。


 覚えるのは簡単だけど、本とかあったらきっと読みにくいと思う。




 本なんて見た事ないけどね、一応神童扱いで、村長さんの納税とか手伝ったりしたけど、若干の羊皮紙と木簡がちょっとあったぐらいだし。




 それでも、スライムを見て、異世界を感じ、2歳の時にデジー姉さんとケビン兄さんの[授能]の日を見て、神様的な存在がいるんだってなって思ったし、自分自身の経験から、人間の魂ってやつが存在するんだって事はわかった。




 だから、せっかくこの2度目の人生を得たなら、使命なんかなくても、この新しい世界を観て廻りたいって、いつからか強く思うようになったんだ。




 そんな僕の話に、もうしばらくお付き合いをして欲しい。



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