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兄ちゃんは異世界人? 突然「強くなってくれないか?」ってお願いされた!  作者: 茶さくら
幼少編

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6/15

肉体強化訓練

「ノル、起きて」




「うにゅう、にっちゃ、もう朝?」




 まだ、辺りは真っ暗な感じだよ?




「もうすぐ、朝だよ、いつもより1時間ぐらい早いけどね。


 今日から、ノルの素の身体を強化する、【肉体強化】訓練だよ。


 ほら、起きて」




 にっちゃ、僕はおねむのネムなの。


 ボーって頭が霞んでる。


 だけど、頑張りゅって、にっちゃと約束したから。


 僕はやるのネムネムのネムでも




 まだ暗いお外に出る。


 もう晩秋だから、肌寒いね。




「もう僕は水汲み終わらせたから、朝食まで時間が1時間ちょっとかな。


 まずは身体を温める動きをするよ、動的ストレッチって言うんだけどね、軽く動かしながら、血流を上げて、関節をなめらかにするんだよ。


 僕と同じ動きをしてね」




 ザックの動きをまねる。だんだんと肌寒さがなくなり、身体が暖かくなる。




「僕は出来なくなっちゃったけど、走るのは全ての運動の基本なんだよ。


 ちょっと歩きながら、山の手前の丘まで行くから説明するね」




 丘に向いながらザックの説明によると、肉体は目的に最適化する為に鍛えるのが正しいらしい。


 筋肉には速筋と遅筋ってのがあって、早くパワーがあるのが速筋、スタミナがあるのか遅筋らしい。


 速筋は一瞬で大きなパワーを消費する為、大きい筋肉になるし、遅筋は長くそこそこなパワーを維持する為締まった筋肉になるんだって


(にっちゃ、何でも知りすぎじゃない?)




 この村は、1日中長く作業をする人がほとんどで、スタミナ型のタイプがほとんど。


 唯一に近くパワー型なのが、樵のおじさんで、彼の仕事は一瞬のパワーとスピードで斧を打ち付ける為、速筋が優位になるそう。


 たしかに一番ごついかも




 じゃあ僕らが目指す目的は?って事なんだけど、速筋よりのバランス型なんだって。




 今、強くなる為に頑張ってるけど、まぁ間違いなく冒険者になると思うんだって。


 行商人も悪くないけど、きっと国を超えて旅する行商人なんてほどんどいないと思うって。 




 冒険者になった場合、戦闘職なんだけど普通は1回の戦闘は5分以内に終わる。


 5分でも長いくらいで、余裕をもって最大10分戦える肉体を作るのが目標。


 接敵時点で、10分以上の戦闘の可能性がある場合は、即時撤退が基本で、それを理解出来ない冒険者とは組むなって。




 だから、5分を基本として最大10分の戦闘を、70%の力で巡行戦闘して、隙やタイミングで最大90%の力を出して緩急をつけれるようにするのが目標なんですと。


 決して100%の力ですぐに燃え尽きてもいけないし、60%の力で舐めるような事はあってはならないと。


 余裕と緊張感が継続するのが70%だというのが、ザックの自論だ




 村の名前の由来となったコプトル山の手前に、高さ50mくらいの丘がある。




「着いたね。この丘を道なりに登って、下りたら、約1キロの距離がある。


 普通の大人で往復7~10分、速い人でも5~6分ぐらいかかる。


 アップダウンがあるからね、平地の1キロの1.5倍ぐらい負担と時間がかかると思うよ。


 ノルの目標は最終的にこれを70%の力で、4分30秒ぐらいで走破出来るようになる事かな。


 出来たら、2週で9分いけたら一番いいけどね。


[身体強化]は無しだから、相当難しいし年数がかかると思う。


 だけど、成長期に合わせて負荷をかけ続けて欲しい。


 自分が走れないくせに、厳しい事ばっかり言う兄ちゃんでごめんね。


 でもノルならやりとげるって、信じてるよ。」




「にっちゃ。にっちゃが信じてくれりゅなら、僕は100人力なの!がんばりゅ!」




「うん、頑張って!行くよ。よーいドン!」




 結局1周するのに、ヘロヘロになりほとんど歩いている様な状態で、19分ちょっとかかってしまった。泣




「お疲れ様、はいお水を飲んで。


 仕方ないよ。まだ5歳で、村の中をちょっと走った事ぐらいしかないだろうからね。


 難しいって言ったでしょ。


 昨日の投擲と一緒で、まず走るって事を身体に覚えさせる事からだね。


 これから毎朝やるよ」




「うにゅー、おえぇ」




 吐き気がしたけど、お腹に何にも入ってないから、出るのはさっき飲んだお水とすっぱいヨダレだけ。


 にっちゃ、わかってて朝食前にしたのかな?鬼かな?




 フラフラしながら家に辿り着き、朝食を食べたけど、あんまりおいしく感じなかった。


 かあちゃが心配してたけど、にっちゃが「今、ノルを鍛えてるから」と言うと、少し苦笑いで、「危ない事はしちゃダメよ」って、それ以上かあちゃも、他のみんなも何も言わなかった。




 心配そうな、父とケビンのお手伝いを終えて、河原に向かう。


 昨日確認したから、今日の罠確認はなし。また明日確認する。




「さて、今から筋肉トレーニング、略して筋トレをやるよ」 




「きんとれぇ?」




「そう筋トレ、人のパワーやスピードは、概ね筋肉が役割を担っているからね。


 まぁ、筋肉だけって訳じゃないけど、訓練すれば筋肉は一番効果が出やすいからね。


 今日は3種目、プランクと首トレとスクワット。


 プランクと首トレは僕も一緒にやるよ。スクワットは足の曲げ伸ばしあるから僕は難しいんだ」




 それから、ザックが見本を見せながら、プランク各種と首トレ、本当は重りを持ちながらやる予定のスクワットを、フラフラになりながら自重でやった。


 少し慣れたらビック3(スクワット・デットリフト・ベンチプレス)を重りを使ってやるんだって、、、。




 流石に、ザックも、疲れすぎてるって判断で、その後の投擲は、真剣に狙って左右20投ずつで許してくれた。


(優しいような、いや厳しすぎる気がすりゅ)




 でもモモ肉昼食後の魔力関係のメニューは、動かないからとそのまま実行


(やっぱり鬼ぃ、いやオーガ!いや悪魔ぁ)って思ったね。




 夜のお部屋で、疲れを残さない為に[柔軟のストレッチ]をやったんだけど、これだけは、僕の身体は柔らかいみたいで、1回で合格のお墨付きをもらった。


 まぁ、結局続けなさいって言われたけれども、、、。




 最後の魔力枯渇前に、ザックは




「ノル、この3日間、本当に頑張ったね。凄いよ!ノルが産まれてから今までで、一番体力的にきつかったと思う。よく耐えました。


 大変だったと思うけど、お願いだから、これからも続けて欲しい。




 明日から続けて行くとね、1か月もしない内に、そんなに疲れを感じなくなると思う。


 成長期の順応って凄いんだよ。


 ノルの場合、身体が全く準備出来てなかったから、身体の順応と、成長・強化で、始めの三ヶ月は、面白いぐらい記録が伸びると思うよ。


 その後は、ゆっくりと成長ししていく感じかな。


 魔力総量増加で話したみたいに、毎日コツコツやって成長するんだ。


 塵も積もればって言うやつね。


 だけどね、ノルが頑張ったら、すぐに僕みたいに位階Ⅱに辿り着くと思うよ。


 下手すりゃ10代の内に位階Ⅲに届くかもしれない。


 そうなると偉人級だよ!


 位階が上がると生物的に強くなるから、100歳まで生きるかもしれない。


 その100年の中で、どんなに努力したとしても、ノルの5歳~15歳の努力した10年には、絶対に成長量で勝てない。


 これは断言出来る。


 それだけ成長期ってのは凄いし、人生で一時期しかないんだよ。


 魔力の成長と身体の成長が重なってプラスボーナスがある時期なんて、成長期のみだからね。


 あの時頑張ってたらなんて事を後悔しないで済むように、お願いします。


 愛してるよノル!ありがとう」




 にっちゃの熱いお言葉をもらって、僕の鬼の3日間が終わった。

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