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第8話 ヴァルハラ王国内戦開始

 反乱軍は王都に近づくまでに7000に膨れ上がる。クリストハルトは、大軍勢を見て圧倒的な勝利を確信する。王の兵は2000、近衛騎士団が100であるので3倍以上の戦力だ。

 クリストハルトは、軍勢に叫んで呼びかける。

 「見よ、我々の周りをこの全てが神の軍である。我々の行軍を止める者がいようか。否、存在しない。このまま、国軍を踏みつぶすぞ。」「「「おーっ」」」

兵たちは熱狂しながら行軍を続ける。

 タダツグの陣には斥候のケンゴから反乱軍の様子が伝えられる。

 「反乱軍7000は自らを神の軍と称して熱狂しています。」「指揮は誰が取っている。」

 「クリストハルト・ド・アダルベルトが中心ですが兵を煽るだけで指揮はできていません。」「まるで狂信者の群衆だな。」

 「おそらく、このままの状態でここへ到着するでしょう。」「ありがとう。」

タダツグはケンゴに礼を言うと大声で皆に語り掛ける。

 「間もなく7000の軍勢が押し寄せてくる。だが、指揮官のいない烏合の衆である。手加減入らないぞ皆殺しにするつもりで戦ってくれ。」「「「やー」」」

勇者タダツグの指揮で兵の指揮は高い。セリアがタダツグに言う。

 「狂信者なんでしょ。死を恐れない兵は脅威よ。」「分かっている。君もためらわずに急所を狙ってくれ。」

 「任せて、今日は予備の剣を3本持って来ているからきたしていいわよ。」「済まない。セリアを戦場に出してしまって。」

 「頼られて。うれしいわ。」「生きて明日を掴もう。」「もちろんよ。」

タダツグはトウヤたちとアンドレアスを呼び出して指示する。

 「僕とセリアは正面から対峙する。トウヤたちは左翼を頼む。アンドレアスは右翼を頼む。」「任せてくれ。」「王のお役に立って見せます。」

しばらくするとゴーッと地鳴りが聞こえてくる。反乱軍が近づいてきた。アンドレアスが近衛騎士に言う。

 「獲物が近づいてきたぞ。お待ちかねの狩りの時間だ。」「そうだ、あいつらは俺たちの獲物だ。」「横取りするなよ。」「するかよ。いくらでもいるんだからな。」「はは、俺が一番乗りだ。」

アンドレアスの言葉に士気が高まる。タダツグが叫ぶ。

 「僕たちは勇者の軍だ。只の烏合の集に後れを取るなよ。」「「「ヤー」」」

国王のタダツグと王妃のセリアが先頭に立っているため、兵たちの士気は高まっている。そこへ反乱軍の姿が見えてくる。地面を埋め尽くすようにまっすぐ進んでくる。

 タダツグは突撃の準備をする。先頭に立って大軍に殴り込む気でいる。反乱軍が200メートル位に近づいたところで、反乱軍の兵たちがあちらこちらで一斉に燃え上がり、軍勢に穴が開く。

 サチが炎熱魔法で攻撃を始めたのだ。トウヤたちはサチに後方支援に回って遠距離の敵兵を炎熱魔法で始末してもらうことにした。サチは魔法の腕を上げていて200メートル以上先の目標に炎熱魔法を撃てるようになっている。さらに威力も増しているため軍勢に穴が出来ている。

 タダツグは、反乱軍が100メートル位に接近した時、剣を天に突き上げ叫ぶ。

 「突撃!」「「「おー」」」

タダツグとセリアは先頭を走り、兵たちに自分たちの姿を見せつける。反乱軍とぶつかると血しぶきが上がる。タダツグとセリアは敵兵の首を剣でかき切りながら進んで行く。

 タダツグの兵2000も反乱軍とぶつかる。タダツグたちは敵兵の血に染まりながら食らいつくように反乱軍に食い込んでいく。

 アンドレアスは右翼から近衛兵を引き連れて反乱軍に突撃する。アンドレアスは力技で敵兵の中に食い込み、はねられた敵兵の首や腕が宙を舞う。

 トウヤたちも左翼から突撃する。トウヤ、ヒナタ、ユキコは敵兵の血しぶきで自分たちの進撃コースを染めるように剣と斧で敵兵を切り裂いていく。

 ケンゴは気配を消して反乱軍の中に入り込み、敵兵の首をかき切って行く。

 前線では反乱軍の兵が死体となって地面に沈んでいるが、行進は止まらない。後方にいるクリストハルトは、まだ戦闘が始まったことに気づいていない。

 前線ではタダツグたち国軍が圧勝しているが、それは反乱軍の一部でしかない。死を恐れない兵たちは歩みを止めない。このままではタダツグたちの体力が持たなかった。

 タダツグは、切られても恐れずに向かってくる兵に危機感を感じる。体力が残っているうちに反乱軍が敗走すればと思うが、この様子では期待できない。

 アンドレアスの前にクリストハルトの私兵の団長が姿を現す。魔剣グラムントを手にする団長は形相が狂人のものになっている。

 「アンドレアス、見つけたぞ。俺と勝負しろ。」「今は忙しい死んでくれ。」

アンドレアスは団長を袈裟切りしようとするが団長は魔剣グラムントで受け止める。魔剣グラムントが怪しい光の文様を浮かべるとアンドレアスの右腕と左肩に切り裂かれた傷ができる。

 「何だその剣は。」「魔剣グラムントさ。傷が浅いようだな。もっと魂を与えなくてはな。」

団長は周りにいる味方の兵を5人切る。すると魔剣グラムントの光が強くなる。アンドレアスは味方を切り殺す団長に目を疑う。こいつ魔剣に魅入られているのか。

 あの魔剣と切り結ぶのはまずい。アンドレアスは戦い方を変えることにする。

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