第13話 ヴァルハラ王国戦の終わり
ロックはセベクを切り刻み肉片にする。そして魔石を見つけると切りつけて2つにする。ロックは岩切りを掲げてセベクを討ち取ったことを宣言する。バシュラール魔王国軍から歓声が上がる。
隠れてみていた国王のベンヤミンは腰砕けになる。カールは国王と教皇の拘束を命じる。ロックの所にセリアが駆け込んでくる。
「お願い。タダツグを助けて。何でもするからお願い。」「こんなところで何をしているんだい。」
「タダツグが神の使徒と呼ばれる魔族と戦っていたのよ。」「タダツグは強くなったんだ。」
「早く、タダツグ死にそうなの。」「フール、頼めるか。」
「婿殿の仰せとあらば。」
セリアはロックとフールを連れてタダツグの所に戻る。タダツグは出血多量で意識がない。フールがタダツグを見て言う。
「危なかったですね。もう少しで死んでいますよ。」「助かるの?」
「助けます。」「ありがとう。」
セリアは覚悟を決めたようにロックに言う。
「私のような罪人の願いを聞き届けてくれてありがとうございます。どのようなこともしますのでご命じください。」「君の処分は終わっているからかしこまらなくてもいいよ。」
「しかし、恩が出来ました。」「この場合、誰でも助けているよ。」
「私の気がすみません。」「だったら、ヴァルハラ王国の国王をやってくれる。」
「私はバシュラール家の人間ですよ。私を利用するものが出てくると思います。」「なら、タダツグが王で妻になればいい。」
「そ、それは、タダツグの意思が・・・私と結婚してくれるでしょうか。」「似合いだと思うよ。」
ロックの言葉にセリアは赤くなる。いつの間にかカールが話を聞いていてロックに文句を言う。
「ロック、何を勝手に決めているのですか。まだ、国王も教皇も拘束していない状態ですよ。」「でも、誰か国王に据えるのだろ勇者タダツグは適任だと思うよ。」
「確かに私も勇者の誰かを国王にするつもりでしたが・・・」「なら、タダツグの回復を待って話してみよう。」
しばらくして国王ベンヤミン・ド・ヴァルハラと教皇アウグスト・バックハウスが拘束される。ベンヤミンがロックに言う。
「どうしてお前が生きている。勇者たちが討伐に向かったはずだぞ。」「勇者6人は助けを求めて来たよ。」
「あの裏切り者どもめ。」「他の召喚者はどうした。城にいないぞ。」
「ただ飯ぐらいを置いておくと思うか。みんな始末したよ。」「殺したのか。」
ロックの顔色が変わる。カールや四天王たちも冷たい視線を送る。険悪な雰囲気に耐えられず教皇が言う。
「私は反対したのです。しかし、神セベク様の神託は「殺せ」と言うものでした。」「まだ魔王の言葉を神託と言うのか。」
「神セベクが魔王な訳がありません。」「僕がセベクを殺した。」
「何ということだ。おお、神セベクよ。」「神と信じているのか。」
「当たり前です。」「・・・そうか。」
カールはロックと教皇の会話を聞いて、教皇は利用できると考える。カールは兵たちに街中に戦闘の結果をふれまわさせる。兵たちは大声で言う。
「神セベクをかたった悪辣な魔王は、我が王ロックが討ち取った。わが軍は悪辣な魔王から諸君を開放した。我々は危害を加えない。」
「国王ベンヤミンは、魔王に加担していた。ベンヤミンは神の名において裁かれるだろう。神セベクの御加護を」
こうしてカールは民衆に落ち着きを取り戻させる。
カールはアウグストを部屋に呼び話をする。
「バシュラール魔王国は神セベクを認めていませんがどうしたものでしょうか。」「我々から神を取り上げるのですか。あんまりです。」
「困りますか?」「ヴァルハラ王国では皆、神セベクを信仰してきたのです。」
「このまま神セベクの信仰を続けることもできますよ。」「本当ですか。」
「もちろん。我が国も意向には従ってもらいます。教皇には我が国に協力してもらいましょう。」「ヴァルハラ王国は無くなるのではないですか。」
「いいえ、存続してもらいます。属国と言う形ですが、どうでしょう。」「協力とは何をすればよいのですか。」
「簡単なことです。我が国の意向に沿うように信者を導くだけです。」「神セベクよ・・・・・」
教皇アウグストにとってカールの申し出は、神セベクを裏切る行為であり、悪魔のささやきに等しかった。だが、セベクの信仰を守るためにはカールの申し出を飲むしかない。
アウグストが悩んでいるとカールが追い打ちをかける。
「何を悩んでいるのです。偽の神をあがめていろいろとひどいことをしてきたのではないのですか。調べればわかることです。」「確かに盲信していたが・・・・・」
「私たちはヴァルハラ王国を豊かにします。民のためですよ。」「分かった。魂を売ったわけではないぞ。」
アウグストは追い込まれて認めることになる。カールはこれで戦いに勝ったと考える。ヴァルハラ王国を手中に収めたのだ。




