七尾の申し出・パート2
夏の 蔵出し第五弾
(内容的には第二部なのですが・・)。
結局、汐は、
ソファでうとうとしただけで朝を迎えてしまった。
熱め(41°+)の朝シャワーを浴び♨
胡坐姿勢でもってソファに座り、
ゆず季からの贈答品である、
冷えた・牧之原の雫茶プレミアム350ml・ペットボトルを飲みながら、
シリアルナンバーの打刻された
『凸レンジャー』次回作の脚本を声に出して、
「柱」「ト書き」を含め、
四色キャスト全員(他の登場人物のセリフまで)
丸ごと食べるようにメモリーしていく。
汐ブレイン内を、
キャスト各々が\3D色彩/となり抽象自在に駆け巡る。
┃スーパー戦団本編┃で・・
遂に、
レンジャー’Sが邂逅を果たした《最強ヴィラン》は
(ちょっと類のない)
非常に凝った設定のキャラクターであった。
ナイス・アイディアに慢心せず、
よく練られたストーリー展開を連結してくるなんざ、
さすがは売れっ子脚本家だけのことはある。
・・映画『人間国宝』の初速も快調らしい。
マロ率いる紅組がCGを使い、
《最強ヴィラン》を、
どのような造形へとモデリングするのか?興味は尽きない。
チーフ助監督が見せてくれたストーリーボードでは、
その実態は暈され、
シャドウ〈影〉しか描かれていなかった。
いけ好かないマロ監督だけど、
仕事への情熱とテクニシャンぶりは認めざるをえない。
《最強ヴィラン》登場回から、
『凸レン』は連続ドラマ形式へ移行する。
いかなる最終回を迎え?
どのように映画版へ繋げていくのか?
先読みてんで不可能であった。
主演格の汐にさえ、
その内容は明かされず「トップシークレット」扱い。
次回作の脚本は厳重管理され、
撮影直前までキャストに渡されることはなかった。
・・脚本を紛失などしたら罰金と訓告が待っている。
・・深更、凸ブルーが蒼白になったのもムリはない。
汐にとっても前例のない出来事であった。
考えてみれば、嘗て、ここまでの注目作に出演した事はない。
期待の外軌道からブレイクするパターンが多かった
(ラジオ然り、映画然り、
二時間サスペンス『お手伝いさんは見た』だってそうだ)。
しいて挙げれば『朝ドラ/サスティ━ン』くらいか⁉
ただしあの頃は事件の余波もあり、<微妙人気>を浮遊していた。
今回の『凸レン』は、
アイドル女優☆待望の新作という〈初めての〉位置づけなのだ。
┃かのハリウッドでは、
新作映画の脚本を不正ゲットした者の手により、
ネット・オークションへ出品されてしまったケース。
SNSで映画の内容(=ネタばれ)が拡散してしまった事例も
少なからず発生している。
よって、国家機密なみに厳重管理がなされているワケ┃
━ 観客は、簡単なストーリーやキャスティング以外は、
なるべく白紙で作品に接したいと思うもの(一般論的に)。
━ ミステリーを読む前にトリックや意外な犯人を知ってしまったら、
興ざめしてしまうのと一緒(例外者も居るけど)。
━ ネタばれは断固阻止しなければならない。
令和九年|正月開始|の
『チャンバラ戦団/凸レンジャー』は、
第一回放送まで二週間を切った。
注目番組ゆえ、
ネット・リークへの警戒、
作品内容の情報管理には神経質になって当然である。
いっぽうマニアは、
様々な手を使い、情報を得ようと尽力する。
♦たとえば、宣材写真や予告スポットの仔細な検討および考察〈茶帯〉。
♦制作側から小出しにされる情報を必死こいて分析する〈白帯〉。
♦特許庁〈J-PlatPat 〉サイトの「商標検索」を開き、
登録商標の確認を行い、番組内容を類推していく知能犯もいる〈黒帯〉。
(制作側は、さらにその裏をかくため隠蔽を施し、
まずは海外の小さな国でもって先に商標を出願したのちに、
改めて半年後に、
日本で商標権を申請するという裏ワザを駆使するケースもある)
♦イースターエッグの徹底究明(その道の達人がいるのだ)※〈特殊系〉
♦番組関係者・スタッフのⅩ(SNS)を具にチェック。
♦『哉カナ』オンエア中に、DJ汐から発せられる
断片ワードを拾う(時おり、匂わせ発言をする)。
♦一般視聴者向け試写に参加した人を探し出し、直接番組内容を知る 等々、
・・CIAさながらの知略戦が繰り広げられるのだ。
また、『凸レン』はガードが堅いぶん、
┃番宣では四色レンジャーズの役名すら伏せられ、
凸イエロー〈=〉笹森 汐としか公表されていない┃
反比例作用を誘発し、
番組内容を把握したい者は日ごと増えていった。
・・隠されれば知りたいのは人情(ビ二本みたいなモノ)!
つい先日には、
おもちゃ会社の製造ライン工場でアルバイトしている者が、
『凸レンジャー』の敵キャラ・フィギュアをスマホ画像に収め、
Ⅹにポストし、
それを知った制作側(およびTV 局)は、
その回収に大わらわとなったのは記憶に新しい。
・・Ⅹ発信者は懲戒解雇された。
ネット探偵〈=番組クラスタ〉にとって新情報発信は、
$動画再生数・記事のPV数を荒稼ぎするには持ってこいなのだ¥
また、
『凸レンジャー』のマーチャンダイジングは凄くて、
先般、新たに、大手お茶メーカー「〇〇園」との契約も完了させた。
メーカー側は、
映画公開に合わせる形を取り、
《春のお茶まつり》と銘打って、
おまけ定番となった、
<ペットボトルキャップ展開>を大々的に行うと発表した。
・・ほとんど『スターウォーズ』なみである。
プロダクト・プレイスメントだって※²
有名ブランドから、
レンジャーズの身に着けるファッションやアクセサリー、
持ち道具のPC、メガネ、腕時計に至るまで、すべて無償貸与される。
凸ピンクのモモなんかは、
私服(Gパン姿)と撮影衣装の落差に、
スタッフから「花売り娘がレディになった」と揶揄われた。
自前では購入のムズカシイ高級服を着れるのは、俳優の醍醐味である。
・・新進女優なんかは、そこに、魅せられてしまうのだ。
※)予告映像や宣材写真に、
制作者側が密かに忍ばせた
・・「隠れメッセージ」。
※²)映画・テレビドラマ・アニメなど、
劇中に実在する企業の商品やブランドを
押しつけがましくないよう(?)
自然に登場させ、宣伝する広告手法デス。
━☀━
近頃ネットを開くと、
やたら『太陽にほえろ』の広告を目にしますな。
これは掛け値なしのモンスター番組(刑事ドラマね)。
さまざまな角度から見て楽しめる・・
有名なテーマ曲および劇伴の良さ♪
「マカロニ・Gパン・スコッチのカッコよさ」とか、
番組の基本コンセプト「走る」ことの素晴らしい躍動感、
「人情モノ」としても乙だし、
「初期・山さんの不良っぽさ」など、見どころ満載だ
(徐々にコロンボ化していく)。
ほかのキャラクターも全員が立っていて、文句のつけようなし。
|<哉2>読者に|
数ある印象回の中から、
『太陽~』の売りのひとつだった、
「山さん取り調べ編」を推したい。
筆者が見た中でナンバーワンは ━━ <沈黙>
次点に ━━ <逆転>を挙げる。
(殿下活躍編の<プロフェッショナル>も洒落ていて面白い)
━☀━
ほんじゃ、また来週。




