第3話 ランク説明と
「……」
どうしてこうなった…。
隆介が座っているベットの隣に、ウルド王国の姫様がちょこんと座っていた。姫様からは、ふんわりいい香りがして、サラサラな髪、綺麗な肌が、隆介の腕や足に当たるギリギリの所で近づいていた。
俺何かした?いや…そんなはずないよな?まさか無視をしてたからか!それなのか!
「あ、あの隆介様…」
「は、はい姫様」
あ〜終わった!無視しただけで俺の人生終わるって!だってしょうがないじゃん!目が覚めた瞬間からずっと見られてるんだよ?怖いじゃん!
「あ、あのどうかされました?」
「だ、大丈夫です。何もないです」
「そ、そうですか。その…隆介様…お父様が本当にすみません。ランクのこととなるとああなってしまうのです。それと…その…隆介様は…」
やっぱり無視してたことを気にしてるんだよね!?分かってる!ほんとごめんなさい!すみま『神の使徒ですか?』せんで…えっ?使徒?
「えっと〜姫様。お、私は気にしてないから大丈夫です。その使徒とは…」
「ルルカです」
「えっ?」
「姫様ではなくルルカと呼んで下さい。敬語もなしで構いません」
「姫『ルルカです』…ルルカさ『ルルカです!』ま…ルルカ…」
「はい!」
ルルカは、ニコッと隆介の顔を見る。強引に呼び捨てにされたけど姫様はこれでいいのかよ…。でも敬語なしでいいのは正直助かる。
「その使徒ってのは何だ?」
「はい、使徒とはいうのはですね…」
ここからルルカの話が数分と続いた。
「と、いうわけです」
「へぇ〜てことは俺は神の代わりにこの世界の監視を任されてるってことね。でも何の為に…」
「それは、私にも分かりません」
俺が出会った創造神は、いったい俺に何をさせたいんだ?
「そうか…。そうだルルカ。俺が目覚めた時からずっと俺のことを見てたよね?もし勘違いだったらごめんね…」
「は、はい!見てました!そ、そのですね…隆介様の称号と加護を拝見させていただきました。そしたらこの世界を創造した神の名前がありましたのでつい…。迷惑だったでしょうか?」
「あ〜いやそれは大丈夫だけど何で俺のステータスを見ようとしたの?」
「それはですね…」
するとルルカは、少し寂しい顔をしながら口を開く。
「私には昔から友達というものがいません。毎日作法や勉強などをしていた私には縁がなかったのです。その時に、この世界に召喚されたあなた達と出会ったのです」
「ルルカ…」
「皆さんが起きてくる中、隆介様だけは一向に目を覚まされなかったのです。そんな時に3人の女性の方が隆介様に付き添い、起きてくるまで見守っていたのです。そんな姿を見た私は、隆介様が気になってつい興味本位でステータスを見てしまいました」
「俺のステータス、ランクを見て失望しただろ?」
ルルカは鑑定持ちなのか。目が覚める前だから偽造してない状態だし全部見られても仕方がないよな…。ならあのバグみたいなのも見られたのか?でもまールルカなら言わないだろう。女性3人ってのは美菜と鈴菜と春香のこと?
「いいえ、私はランクで差別はしません。その方がどのような方なのかを見て私は決めます。民もいい人でしたら祝福を、悪い人でしたら天罰を。ランクなどは関係ありません」
「そう…か。ルルカはいい姫様だな。将来絶対にいい奥さんになるよ。あいつ…豪華とね。それと3人のうち1人は男だよ」
「お、奥様!?い、いえ!そんな!奥様だなんて!私には心の準備というものが!」
「ど、どうかしたルルカ!」
「はぁ!?い、いえなんでもありません。ゴホン。私は豪華様とは結婚する気はございません。お父様が勝手に決めましたが、私は自分が好きになった人としか結婚したくないです。えっと…私が3人の方のステータスを見たとき皆様女性……いえなんでもありません。失礼しました隆介様。私はこれで失礼しますね」
いきなりルルカの顔が真っ赤になり、両手を頬につけハワハワ言っていたが、隆介が心配すると咳をわざとらしくして、冷静になる。
私としたことが…危ない所でした。隆介様に変な所を見られてしまいましたがここは冷静になりましょう。今のままだと私の本音がでてしまいそうなので今日は失礼いたします。それに…今3人の方がこちらに向かってきています。修羅場にならないよう私はここでいなくなりますね。いつか私はこの気持ちを隆介様に伝えたいです。
「消えた!?」
「落ち着いてください隆介様。これは私のバグ魔法〈透明化〉です。私も創造神様から祝福を1ついただいております。ですが安心してください。このバグ魔法は、持ってる者同士でしか見えません。皆様には見えないので大丈夫です」
「ルルカはいったい…」
「私ですか?私は〜そうですね〜今は恋する女の子、と言ってもいいです。バグ魔法は本来この世界に存在しない魔法だと思ってもらっても構いません。では、私は3人の方が見えましたら出ていきますね。扉が開く瞬間を見逃さないように私は扉の近くにいます」
いきなり消えたルルカにビックリしていたが声が聞こえ、理由を聞いた隆介は、納得していた。
バグ魔法だっけ?この世界に存在しない魔法。本当に俺が持っててもいいのか?ルルカもバグ持ちなら、俺らと同じ日本人?いや…でも見た目がこの世界の人だったよな?俺らとは違う。なら転生者…とか?…うん?てか豪華は、バグ持ってなかったよな?なら…いいや!誰であろうと関係ない。ルルカはルルカだ。そんなこと考えるのはやめよ。
「3人の方がいらっしゃったみたいです」
「美菜と鈴菜と春香か…。教えてくれてありがとうルルカ。また話す機会があったら話そうな」
「はい。約束ですよ。今日ここにいたことは2人だけの秘密です」
これを最後にルルカの声が一切しなくなった。
約束…ね…。
「りゅーすけー!入るよー!」
「お邪魔するわよ隆介」
「隆介君お邪魔するね」
「おう!」
3人が扉をノックして、部屋の中に入ってくる。
ルルカ、また話そうな。扉の方に向かって手を振る。
「手を振ってどうしたの?」
「怖いわよ?」
「今何か通ったような…気のせい?」
「あ、ううん!何でもない!ちょと手をブラブラしてただけだよ」
危ない危ない。ここにルルカがいたことは2人だけの秘密だ。決して言わない。いや言えない。さてと…3人が来たみたいだしソファーに移動するか。
「わざわざ来てもらってごめんね3人とも」
「隆介のためだもん!いつでも来るよ!」
「そうね」
「僕もそうだよ」
男子の部屋と女子の部屋は、若干離れている為、距離がある。3人とも俺には本当に勿体ない友達だよ。恵まれてるな…。3人以外の友達はいないけどね…。
ソファーに隆介が座ると、右に鈴菜、左に美菜が何故か座ってきた。
「えっと〜美菜か鈴菜どっちか向こ『嫌だ!』『このままでいいわ』うに〜…はぁ〜もういいよ」
片方は、隆介を挟むように美菜、鈴菜が座っており、テーブルを挟んで、もう片方に春香だけが座っている。隆介は、春香に助けを求めたが苦笑いされスルーされた。
おう…春香にスルーされた…。
「じゃー本題に入るね!隆介はランク説明と、この世界がどのような世界かを聞いてなかったんだよね!」
「ま、まーそうだな。でもこの世界はなんとなく分かったから大丈夫だよ。ランクについてだけかな?」
「分かった!じゃー説明してくね!」
美菜が手を動かしながら説明をしてくれる。う〜ん…美菜の説明分かりやすいようで分かりにくい…。でもせっかく俺の為に説明してくれてるんだ。ちゃんと聞こう。
「てことだよ!」
「あ、ああ…うん。何となく分かったような〜?」
「美菜、私が代わりに説明するわ」
「えー!どゆいうこと!」
「だ、大丈夫だよ!美菜さんの説明わかりやすかったよ!でも…あはは…」
隆介君と鈴菜さんも分かってるみたいだけど、僕じゃ流石にここまでしかフォローできないよ美菜さん…。ごめんね?
「もう!3人して酷いよ!」
美菜は、頬を膨らませ、頭のアホ毛をぶんぶんしながら怒っていた。その姿を見ていた隆介は、無意識にぶんぶんしているアホ毛に目がいってしまう。
このアホ毛生きてんの?ほぼ毎日見るけど、俺が作ったお菓子を食べてる時とか、鈴菜が作ったご飯とかを食べてる時とかは、幸せそうな顔をしながら食べてる。その時にアホ毛がゆらゆらしてるけど、嬉しいことがあった時とか、怒ってる時とかは、アホ毛がぶんぶんしてる。でも怒ってる時の美菜可愛いな。仕組みが分からんけど一度でも触ってみたい。
「隆介そんなに僕のこと見てどうしたの?」
「あ、いや、何でもないよ!ただ怒ってる時の美菜が可愛いなって…あ、また心の声が…」
「はわぁ!?か、可愛い…僕が…」
「ふ〜ん隆介ってロリコンなのね」
「隆介君…」
「えっ!?何でそうなるの!てかロリコンって…美菜に失礼だろ!?」
左にいる美菜は「はぅ〜」と言いながら顔を真っ赤にして、両手で抑えていた。
隆介が僕のこと可愛いって…可愛いって言ってくれたよ!嬉しすぎだよ!でも恥ずかしい!
「さてと…弄るのはこの辺にして説明をしましょう。美菜はそのまま放置ね」
「はぁ〜…」
「あはは…」
「はぅ〜…」
まーいいやもう…。でも!俺はロリコンじゃないからね!
「説明するわね。まずあの王様が言うにはランクは全部で11種類あるそうよ。低い順からE、E+、D、D+、C、C+、B、B+、A、A+、そして今現在未発見とされるSね。このSランクは、危険な魔物にはいるらしいのだけれど、未だ人間、獣人、エルフなどの種族にはいないらしいわ。魔法、ユニーク魔法などのランクは今現在最高がA+って所ね。A+以上は存在しないかもとは言っていたわ」
「まじかよ!?」
「うわぁ!?急にどうしたの!」
「ビックリしたわ。どうしたのかしら?」
「隆介君!?」
復活していた美菜と、鈴菜、春香も隆介につられてビックリしていた。
なら俺のSSSって何!?えっ!本当なに!今A+以上存在しないかもって、まじで言ってるの!それに獣人!エルフ!この世界にいるのか!見たい!ワクワクしてきた!
「あ、ああ、いや何でもない。ごめん急に大声だしちゃて…」
「もう…隆介ったら…えへへ、でも許しちゃうよ!」
「美菜がついに壊れたわね」
「ごめん…僕もそう思う」
「僕壊れてないよ!普通だよ!」
やっぱ美菜がいると和むな〜。俺もそんな元気があればいいけど逆に俺が元気すぎたら引かれそう。
「まーいいわ。次話すわよ」
「むー!」
「まーまー美菜さん、落ち着こ?」
「そうだぞ美菜」
「隆介が言うなら…」
「さて、次は…の前に、今の話とは別で、今何時だと思う?」
「そういえば…」
今何時なんだ?確か俺達は、1時間目始まる前に光に入ったから朝のはず。なのにここの王は確かに晩食って言っていたよな?早すぎないか?てか俺無意識に夜飯まで待つかって言ったけど何故だ?お腹減ってないのに。
「察したようね。そうあの王様は晩食、と言っていたわ。普通なら朝食か昼食って言うわよね?そこで私は疑問に思ってメイドさんに聞いてみたわ」
「何時なのか…だよね?」
「そう、今何時なのか。そしたら…3時30分って言っていたわ」
「えっ…」
まじかよ…時差があるのか?
「向こうと時差があるんじゃないか?と思ってるわね?でも違うみたい。私達は光によって気絶をして、この世界に飛ばされたみたいだけど、かなり気絶してたみたいで私と美菜が起きたのが…大体1時30分ってところね。その3.40分前が春香君達。最後の隆介が2時ぐらいに目を覚まして、開始ってわけ。で、説明やランクだったかしら?の説明を入れて3時30分てところかしら。ま、私の勝手な考えだから本当かどうか分からないけどね」
「さ、流石鈴菜だな…ここまで推理をするとか俺にはできないな…」
「流石鈴菜だよ!」
「うん!僕も鈴菜さんみたいにできないよ!」
「や、やめてちょうだい。メイドさんの話から勝手に推理しただけよ。そ、それにまだあるわよ」
鈴菜は、隆介達に凄い眼差しで見られた為、頬を真っ赤にしながらも顔は平然を保っていた。
ここまで計算する鈴菜かっけー!
「もう一つ教えてもらったのが、時計塔の鐘は一日4回、朝の6時、昼の12時、間の3時、夕方の6時になるらしいわ。ほんと不便よね。ポケットに閉まってあったスマホや手帳が一切ないから時間も見れないし、メモもできないわ」
「そういえば…俺もポケットにスマホやお金とかを入れてたのにないな…。まさか盗まれた?」
「あー!僕のお菓子消えてたのそれが理由!絶対許さないよ!」
「隆介君から貰った僕の大切なヘアピンは…良かった…あった。スマホやお金なんかよりも大事な宝物。勿論隆介も…」ボソッ
美菜は相変わらず可愛いなその怒り方。でもまた無意識にアホ毛を見てしまう。春香は〜…どうした?何かポケットから取り出してほっとしてるけど。なんにせよ盗まれたのなら許さん!
「美菜、お菓子はこの世界でも食べれるはずだから落ち着きなさい。それか隆介に作ってもらいなさい。だから椅子にちゃんと座りなさい」
「むー!お菓子の恨みは怖いからね!僕の魔法でドーン!だよ!」
「ま、スマホとかお金なんかよりも3人が無事だったのなら俺はそれでいいよ」
「ぼ、僕もだよ!」
盗んだ奴も許さんけど、それよりももっと大事なものがある。俺にとって唯一の友達。
「そ、そうね。私も3人が無事で良かったわ」
「僕も!また4人で過ごせるね!」
「ぼ、僕もいいの!入っていいの?」
「ああ!嫌じゃなければ春香も大事な家族、友達だ!これからも宜しくな!」
「嫌じゃないよ!僕も宜しくね!」
4人はテーブルの真ん中で、拳をグーにしてくっつける。何かこういうのもいいな。
「因み盗まれてはないわ。探った痕跡とかもなかったもの。だとすると、何者かによって地球の物を事前に消したって言った方がいいわね。例えば…この世界の神によってかしら」
「神…」
神って俺の夢で現れた創造神のことか?でも何で消したんだろ?称号には、この世界で幸せにって言っているけど何が目的なのか…。
「まーいいわ。消えた物は返ってこない。落ち込んでてもしょうがないわ。さて、一番最初の話に戻すわよ」
「鈴菜の言う通りだね…でも僕のお菓子が…」
「そうだな。落ち込んでても仕方がない。美菜、俺が作ってやるから落ち込むな」
「そうだね。落ち込んでても仕方がないね。続きお願いね鈴菜さん」
「ええ、まず最低ランクE、これはもう人として存在してはいけないらしいわ。殺すか、奴隷として売る。E+の場合も同じようね。D、D+が貧しい市民。C、C+が普通の市民。Bが貴族等。B+が貴族等より少し上で、私達のような普通の勇者もその中に入る。そしてAが国王、A+が真の勇者。最後のSが…国をまとめる者と言っていたわ。ランクは、生まれつきあるみたいよ。ランクDの中からC以上も出るって時もあるらしいわね。他にも魔法ランクは威力、ユニーク魔法のランクはスペック。体力、魔力、腕力、敏捷、防御、魔防、運の7つは、自分の強さ。人によって同じランクでも変わるらしいわ」
「そう…か…だから俺は…」
最低ランクEだったから俺を奴隷商人に売ろうとしてたのか…。でも…この世界奴隷が存在するなんて…。
「だ、大丈夫だよ隆介!僕達が守ってあげるから!」
「そうよ隆介。何があっても私達が守ってあげるわ」
「そうだよ!隆介君!僕達がいる!」
「あはは…何か頼りなくてごめんね…」
女の子に守ってもらう俺って…。普通は逆だろと思うけど、今の俺には何もできないのが悔しい…。
「頼りなくないわ。隆介さえいればそれだけでも変わる」
「うんうん!隆介がいるだけでも違うよ!」
「僕も美菜さんと同じだよ!」
「そっか…3人ともありがとな!」
3人のお陰で少し元気がでたよ。俺にとって本当にかけがえのない友達だよ。
「あ、そうだ!隆介!他の女子とさっきまで一緒にいた?私達3人の匂いじゃないものがしたよ!誰なの!」
と、ここで急に美菜が爆弾発言をした為、一瞬にして空気が凍る。
ヤバ…忘れてた。美菜って意外と鼻が効くんだった…。この前も俺が女子達と話してた?と言っていいのか分からないけど(一方的)、その時に『僕達以外の匂いがする!』と言って2人から何故か睨まれたことがある。いや何で…。しかも俺が作ってるお菓子を当てることまでできるとね。目隠しで。
「あーうん。いたよさっきまで」
「そう…で?誰なのかしら?」
「誰?」
「僕も気になるかな?」
「メイド」
「「「……」」」
3人して細目をしながら聞いてきたので、直ぐに答えることにした。
ま、メイドとは嘘だけど迷って答えを出したら怪しまれるから直ぐに答えを出した方が怪しまれずに済む。これが一番の回避方だ!…何のだろ?
「や、やっぱり?あはは…うん今の気にしないで?ねぇ?」
「美菜、メイドさんの匂いと同じだったの?なら何で聞いたのかしら?」
「た、試したんだよ!ぼ、僕だって分かってたよ!うん!」
「はぁ〜美菜ったら…」
「良かった〜メイドさんだったんだ」ボソッ
あ〜助かった…のか?あの姫様と同じお城にいるのなら、洗い等も同じ匂いなのは普通か…?何はともあれ奇跡的に危機を回避できたな。
コンコン
「はい!」
「隆介様、お食事の用意ができました」
「分かりました!直ぐに行きますね!」
「廊下でお待ちしております」
お、来たみたいだな。もうそんな時間か。お腹も少し空いたしちょうどいいや。
「行こうか」
「夜ご飯なんだろう!」
「行きましょう」
「うん!」
4人で扉に向かい、隆介が開ける。流石に何も起きないよな?俺だけ。
「すみません、お待たせしました」
「いえいえ大丈夫です…勇者美菜様、鈴菜様、春香様、こちらにいらっしゃったのですね。お食事ができましたので、私について来て下さい」
ペコリと頭を下げて背中を向ける。
今俺を見てから3人を見て、また俺を見たけど何?もしかして俺がEなのバレたとか…?
4人は歩き出したメイドに、はぐれないよう着いていく。
「隆介様、防音魔法は各部屋に付与されていますが、女性3人とお食事前にされましたら、私達が呼びにきた際に、一部のメイドが大変な事になるのでなるべく控えてもらえると助かります。私は大丈夫ですが」
「「「「はい!?」」」」
「ど、どうかされましたでしょうか?」
「あ、あのすみませんが俺達そういうことはしてません。それに1人男ですから!」
「そ、そうだよ!してないよ!」
「え、ええそうね。してないわ」
「ぼ、僕は男だよ?」
「そ、それは大変失礼しました。ですが今後やるとしてもお食事前は控えていただけたらと」
だから何でやる前提なんだよ!このメイドさんキリッとしてる割りには少しおかしい。この発言失礼だけどそれしか言えない。
4人は顔を真っ赤にしながら歩いていると着いたようで、メイドが扉の前に止まる。
「到着いたしました。ではごゆるりと、お食事を楽しんでください」
ペコリと頭を下げて歩いて行った。
「さて行くか」
「どんなのかな!どんなのかな!」
「美菜、落ち着きなさい」
「楽しみだな〜」
目の前の扉を開けて中に入ると先から先まで長いテーブルに料理やデザートなどが、物凄い乗っていた。
すげー!めちゃくちゃ豪華!おっ!ハンバーグある!オムライスもある!早速いただきます!おっ?ピザも…えっ!異世界にピザ!?これ絶対に前の転移者か転生者が伝えたやつだろ!あ、でも美味しい。これほとんど日本と変わらないな。それはそれで全然いいけどね!
4人はそれぞれ自分の好きな所に行って料理を堪能していた。俺は主に料理。春香は、料理とデザート2つで、バランスよく食べてたな。特に美菜が料理の方ではなくてデザートの所でずっといて色々食べてたのが印象に残ったよ。女子達が美菜に自分が美味しいと思ったやつを共有したいのか、色々あげてたな。男子達も肉をガッツきながらも女子達の方見てたし。意味不明。俺がいる事さえも忘れて。んでデザートばかり食べてる美菜が鈴菜に注意されて、しょんぼりと料理の方に行って食べてたのがなんとも言えない。最後にまた王様からなんかもらったな。
『浄化のリング』
魔力を流すと全身の汚れを取ることができる。腕に着けてないと意味がない。
これはありがたいな。この制服しか服がないからずっと着てるのも嫌だったんだよね。だから俺にも貰えたのは良かったよ。
食べ終わった後は、みんなと別れて部屋に戻る。
「はぁ〜食べた食べた。ここの料理美味しいからつい食べ過ぎたな〜。それに何も起きなくて良かったよ。豪華は姫…ルルカと王様の方で一緒に食べてたし、他の奴らは肉だー!とかいいながら奪い合いをしてて、俺に見向きもしなかったからゆっくり食べれたな…ふわぁ〜…。眠くなってきた。でもお風呂入いらなきゃ…何処だ…?」
眠気に負けて、そのまま隆介は眠りに落ちてしまった。