第2話 最低ランク
「おー!流石勇者達!実に素晴らしいランクだ!これならきっと魔王を倒せるだろう!」
4段ぐらいの階段を登った所にある、玉座に座っていたウルド王は、目の前に映し出される生徒達のランクを見て、喜んでいた。
「ふむ、だがやはりユニーク魔法を習得している数は少ないな。加護持ちはまだ1人もいない。真の勇者はいったい誰だ…」
髭を右手でなぞり、ふむと言っていると、次の生徒が上がってきた。
「よし。まずはお主の名前を聞きたい。名は何という勇者よ」
「私は金谷豪華ともうしますウルド王。失礼ですが王の言葉を聞いておりました。私こそが真の勇者だと思われます」
ウルド王の前で豪華は、華麗に一礼してしっかりと目を合わせる。
ふむ。この勇者豪華は素晴らしい気品を感じる。これは期待が大、だな。
「うむそうか勇者豪華よ。お主には期待している。では、ランクを見せてほしい」
「かしこまりました。お見せしましょう」
豪華は綺麗な水晶に両手をかざし、集中する。すると水晶に映し出されたステータス、ランクが表示される。
「お、おお!これは…これは!勇者豪華…豪華様!お主こそが真の勇者だ!素晴らしい!素晴らしいぞ!しかも加護持ちではないか!お主ならきっと魔王を倒せる!」
「はは、大袈裟ですよウルド王。私にとっては当たり前です。善を助けて悪を裁く。魔王を華麗に倒して差し上げましょう。あ、それとウルド王。もし良ければですが左にいる美しいレディーを私が貰っても宜しいでしょうか?」
おいあいつなんかさらっとヤバい事言ってない?あ〜でもあいつのステータス気になる。あの王が真の勇者〜とかあいつに言ってたよな?どうなもんだろ?見たい!でもあの鎧を着た兵士が周りを囲って一人一人のステータスを見えないようにしてるせいで見えない!
「よいぞよいぞ!私の右にいる娘は第二王妃のルルカ・エルスト・ウルドだ!第一王妃ではないからここの王にはなれないが、もしというのであれば私に言ってくれ。ルルカのことを宜しく頼むぞ!」
「かしこまりましたウルド王。ですが私は王になりたくてルルカ様を選んだのではありません。美しい髪、瞳、美貌に一目惚れしました。なので私は王になることなど望んではいません。ルルカ様を幸せにいたしましょう」
ウルド王の前で華麗に頭を下げて、何秒かすると上げてまたウルド王の目をしっかりと見る。
はぁ〜…ま、このことに関しては俺は何にも言えない。王様がいいならいいし、あいつもそれでいいならいい。ただし姫様がいるのに美菜と鈴菜に手をだしたら許さん。
「うむ!流石この私が認めた勇者だ!本来なら皆ここの王になろうとするものだが、豪華様は欲がなく、気品がある。ルルカを任されそうだ。魔王討伐の証には結婚することを認めよう」
「ありがたき幸せ」
「では豪華様のランクを皆に見せても?」
「どうぞウルド王」
「うむ」
豪華は再度一礼して、その場でくるっと回り、右に少しずれた。
「さて!皆にも真の勇者のランクを見てもらいたい!これが勇者豪華様の素晴らしいランクだ!」
お、まじで!見せてくれるの!?これは願ってもないこと!いや〜ウルド王さん感謝だよ!さて〜?あいつのランクは、どのくらいなんだ?
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名:金谷豪華 年齢15歳
性別:男
種族:人間
ランク:A+
体力:B
魔力:A
腕力:B+
敏捷:A
防御:B
魔防:B
運: B+
魔法:〈光魔法A〉〈火魔法B〉
ユニーク魔法:〈聖剣召喚_〉〈万能_〉〈多言語理解_〉〈自動範囲回復C〉〈結界B〉〈探知妨害A〉
称号:〈転移者〉〈真の勇者〉〈最高ランク者(人)〉〈聖剣を操る者〉〈魔王を倒す者〉〈ウルド王が認めた者〉
加護:〈武神の加護〉〈光の加護〉
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〈光魔法を確認しました。習得しますか?はい・いいえ・保留〉
〈聖剣召喚を確認しました。習得しますか?はい・いいえ・保留〉
〈万能を確認しました。習得しますか?はい・いいえ・保留〉
〈自動範囲回復を確認しました。習得しますか?はい・いいえ・保留〉
〈結界を確認しました。習得しますか?はい・いいえ・保留〉
「全部保留で……」ボソッ
〈承知しました。保留に移動します〉11/∞
マジで?あいつランク高くね!俺何て全部Eだよ!何だこの天と地の差は!これ俺ピンチじゃね!王様の話聞いてなかった俺が悪いけど俺のランクってどれだけ低いんだよ!まさかね?
「お、おお!A+だ!しかも加護2つ持ち!初めて見たぞ!」「勇者豪華様バンザーイ!」「ああ!A+の方に出会えるなんて!俺生きてて本当によかった!」「おい!泣くなよ!俺だってこんな奇跡…グスゥ」
「勇者豪華様はこの国の宝、切り札だ!丁重におもてなしをすること!いいなお前達!」
「「「「「はぁ!」」」」」
豪華のランクを見ていた兵士達は、奇跡だと言わんばかりの目をして涙を流していた者もいた。一部驚きすぎて腰が抜けた者もいたが、他の兵士達がその兵士を支えながら立ち上がらせた。王の隣にいる豪華な鎧を着た男と、白いローブを着た男は、目を見開いた状態で豪華のランクを見ていた。だが俺から見て左にいるお姫様は、まだ俺の事をじっと見続けていた。
いや逆に怖いわ!何かすんげーさっきから視線を感じるとは思ってたけれど…。でもあの人達大袈裟だろ…。A+で最高ランクとか…。いやこの世界の人達にとっては物凄いことなんだろうけど、自分の魔法でSSS見てしまったものだから、A+以上のやついるってことだよな。あ〜でも今の俺のランク見せたら完璧ヤバいかもね。だって魔法以外全てEだし。大丈夫…だよな?
「よし!熱が収まる前に次の勇者を見てみよう!そこのお主!上に上がってくるがよい!
「えっ?自分ですか?」
「そうだ!そこのお主だ!はようせんか!」
「は、はい」
何でよりによってあいつの後なんだよ!絶対これ熱が冷めるやつ!
「どうした?何か問題でもあるのか?」
「あ、いえそういうわけじゃ…」
「なら早くくるがよい勇者よ。私は熱がヒートアップしててな?冷めないうちに見ておきたい。お主の名前は?」
この王様何言ってんの!俺のランク見たら一気にダウンだよ!冷めちゃうよ!それでもいいの!本気?
「わ、分かりました。お…私の名前は天草隆介です。ウルド王様。私のランクを見たら冷めちゃいます。それでも宜しいでしょうか?」
「ははは!勇者隆介よ!お主は冗談が好きだな!」
「あはは…」
いや冗談じょないよ…。これ本気で言ってるんだよ!
「お主は面白いことを言う勇者だ。さて勇者隆介よ。ここにある水晶に自分のランクを見たいとイメージしてくれ。そすればお主のランクを見ることができる。よいかね?」
「分かりました」
はぁ〜…もうしらない。
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名:天草隆介 年齢15歳
性別:男
種族:人間
ランク:E
体力:E
魔力:E
腕力:E
敏捷:E
防御:E
魔防:E
運: E
魔法:なし
ユニーク魔法: 〈多言語理解_〉
称号:〈転移者〉
加護:なし
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「……」
ウルド王が隆介のランクを見た瞬間、凍った空気と化して沈黙が続く。更には体がプルプルとしていた。
だろうな。こうなるだろうな。どんだけ低いか知らんけどA+の後にEはないよな。
するとプルプルとしていたウルド王が立ち上がり、隆介のことを見て…。
「勇者隆介…いや世界のゴミが!私の期待を裏切りおって!今すぐこいつを牢にぶち込め!明後日には奴隷商人に引き渡せるよう準備をしろ!行け!」
すると兵士の半分が隆介の元に駆けつけ、無理やり持ち上げるようにして謁見の間から退室させようとする。
「隆介!?」
「あなた達隆介に何をしているの!」
「隆介君を離して!」
「お、おい!何でこんなことをするんだ!俺が何をしたっていうんだ!」
「うるさいぞゴミが!お主は最低ランクのE。しかも全てがEなんだぞ!魔法すらない!最低ランク、魔法なしのやつはいる価値がない!よってお主は奴隷いきだ!だが安心するがよい!まだ国外通報ではないから喜ばしいことだろ?」
「何を言って『お待ち下さいウルド王!』いるんだよ…」
兵士達が連れ去ろうとしていた隆介を豪華が引き止めた。何だよ次は…。
「なんでしょう豪華様」
「隆介君を離していただけると嬉しいです。私の大事な、仲間でもあります。きっと戦闘以外でも役に立てると思われます。私達のサポートなど」
「……そうか。豪華様がおっしゃるのなら分かった。牢送りは中止だ!その者を下ろせ!隆介と言ったな?豪華様に感謝することだな!さて…次の者をここに!」
兵士達は、持ち上げていた隆介をその場に下ろして、ウルド王の元まで戻っていく。ウルド王は次の人を呼んでランクを見ていた。
「隆介!」
「隆介大丈夫!」
「隆介君!」
3人が心配した顔で、床に座り込んでいた隆介の元に駆けつけた。
豪華が俺を助けた?いや…何か裏がありそうだな。でも今回はあいつのおかげで助かった。
「ああ俺は大丈夫だ。豪華が助けてくれたみたい」
「そうだね…でも僕はそれでも豪華君を許さないよ」
「ええそうね」
「何かあったの?」
「まとめて後で話すわ」
いつも元気な美菜は、真剣な顔をして喋っていた為、隆介はいつもとは違う美菜の雰囲気にビックリしていた。
美菜ってこんな顔するんだな。幼稚園からずっと一緒にいるのに初めて見たよ。
「美菜ってそんな顔するんだな」
「えっ!隆介どういうこと!僕変な顔してた!?」
「あ、いやそういうわけじゃなくてね。真剣な顔をしている美菜は新鮮だな〜てね」
「えー!普通だよ!僕だって真剣になる時あるよ!」
「ふふ、美菜は隆介の前ではいつも元気だけどいない時は真剣な顔したりテンション低い時とかあるわよ」
「言わないで鈴菜!」
「皆んな仲がいいんだね」
4人はそんな会話をしながら待っていると、終わったようで兵士達が王の周りから離れていった。一部の男子が俺のことをニヤニヤと見てきていたが無視だ無視。豪華はと言うと、左にいるお姫様の所におり、プロポーズする時のポーズをして手を差し伸ばしていた。だがその姫様は手を取らず、俺と目が合うと困ったような顔をして助けを求めていた。
ごめん俺には何にもできん。でもさっきから何で俺のこと見てるんだ?不思議で仕方がない。鑑定で調べてもいいけど流石にプライバシーに関わる。
「さて!一部トラブルがあったが今日はこれで終わりとする!明日は訓練場で魔法を使った実験をしたいと思う!1人を除く勇者達にはこの世界に慣れてもらう為、魔法制御、イメージ、発動方法など、できるようにしてほしいと私は考えている!晩食になったら使用人達が迎えにくる!その時にパァーとお祝いをしよう!ではこれでおしまいだ!玉座の間を出たら使用人達に個室の場所を案内させる。1人一部屋使えるから安心したまえ。それとこの腕輪を配っておこう。この腕輪を身につければいつでも自分のステータスを見ることができる!以上解散!」
兵士達が隆介達に腕輪を配った後、使用人達の元に連れて行く。
あの王1人を除くとか言ってたよな?絶対俺のことだろ。ま、いいや。んで?この貰った腕輪何か小細工とかしてあるのか一応調べてみるか。
『観覧の腕輪』
自分のステータスを見ることができる。ただし相手のステータスを見ることは不可。
小細工とかは…されてないな。ま、俺は別にこれいらないけど持っとかないと怪しまれる。いや、そもそも何で俺にもくれたんだ?必要ないよな?最低ランクだし…。
そんなことを考えながら使用人達に案内された部屋に隆介は、入っていった。
おー!これ本当に1人部屋か!
目の前にはダブルベットが1つ、その隣には高そうな長テーブルが1つ、白のソファーが2つ置いてある。
「勇者隆介様、このベルを鳴らしてもらえれば直ぐに駆けつけます。困ったことがありましたらお呼びください。では失礼いたします」
キリッとした女性の使用人が頭を下げて、部屋から出ていった。
『ベル』
手に持って揺らせば音が鳴る。
「警戒のしすぎか…。使用人の人は俺が最低ランクで勇者じゃないことを知らないようだし」
隆介は窓の方に向かい、開けるとそこから見える景色に目を奪われた。
「すげー!ここから城下町が見える!こんなにも広いと迷子になりそうだな!いや〜改めてここが異世界だと感じる瞬間だよ!」
物凄く広い町並みが広がっていた為、感動をしていた。でも心配だな…ここでの生活大丈夫なのかな俺。また虐めとかない…よな?
窓を閉め、はぁ〜とため息を吐いた後、ベットに座る。
いやダメだ。そんなこと考えているより自分のランク上げをするか。確か〈ランク操作〉ていうのがあったよな。使用制限があるけど。保留した魔法も2つ獲得しておくか。まずは自分のランク上げ、これは…まだEのままでいいや。次はこの7つだな
体力:スタミナ、持久走
魔力:自身の魔力量
腕力:攻撃力、物理的な攻撃の威力
敏捷:素早さ、回避力
防御:物理的な衝撃に対する防御力
魔防:魔法的な衝撃に対する防御力
運:何かに影響を与える
これもまだいいや。そのうち上げればいいし。となるとやっぱりこれしかないな。よし!完了!次は保留にしてある魔法を獲得するか。
「〈神眼〉保留選択!」
〈承知しました。表示します〉
〈火魔法E〉
〈雷魔法E〉
〈闇魔法E〉
〈危機探知E〉
〈探知妨害E〉
〈王の威圧_〉
〈光魔法E〉
〈聖剣召喚_〉
〈万能_〉
〈自動範囲回復E〉
〈結界E〉
お〜今日だけで11個も魔法獲得できてる!しかも便利なことに保留に入っている魔法は、承知とか出てこないから被ることはないって所だな。さて、どれにしようか。まずないのは〈王の威圧〉と〈聖剣召喚〉だな。これ持ってても俺には意味なさそうだし。いつか役に立つ時があるならその時にでもいいけど。一番気になるのは〈万能〉。獲得するまで説明が表示されないから欠点だな…。これ何の能力なんだ?一応これ獲得しておくか。
「選択〈万能〉!」
〈承知しました。〈万能_〉を獲得します〉1/2
よし!さてこれはどんな魔法何だ?
〈万能_〉
初めて見た攻撃、魔法を二度目からは、高確率で回避することができる。放った魔法が相手の弱点に高確率で当たる。武器の扱いが上手くなる。オン、オフ切り替え可能。
「すご…」
これ凄くね?初見で見た攻撃を次から高確率で回避できるとか最高じゃん。もしドラゴンいたら、二度目のブレスとかも回避できるな。一回目で焼かれなければの話だが。放った魔法が相手の弱点に当たるってのもいいな。地道にやってけばダメージが蓄積されて相手も怯むだろう。武器の扱いは俺にとって正直助かる。魔法ないことになってるから武器を使って頑張るか。一応これはオンの状態で。
次は何しよう。火力押しの火魔法とか雷魔法とかもいいけど、皆んなを守れるような魔法と言ったら〈結界〉だな
「選択〈結界〉!」
〈承知しました。〈結界E〉を獲得します〉0/2
〈結界E〉
自身を中心とした5メートル先まで、ホール状の結界を展開させる。ランクEの物理攻撃、魔法攻撃を耐えれることが可能。発動時間5秒。
「……」
ま、まーこれはこつこつ上げていけば使えるな。よし!こんで今日の分は完了した!見てみるか。
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名:天草隆介 年齢15歳
性別:男
種族:人間
ランク:E
体力:E
魔力:E
腕力:E
敏捷:E
防御:E
魔防:E
運: E
魔法:なし
ユニーク魔法:〈鑑定SSS〉〈偽造SSS〉〈結界E〉〈万能_〉〈多言語理解_〉
〇☆◇#€*□:〈ランク操作D 〉〈無限収納_〉〈神眼_〉
称号:〈転移者〉〈SSS習得者〉〈ランク操作する者〉〈創造神の寵愛〉
加護:〈創造神の加護〉
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〈ランク操作D 〉
自身と相手のランクを1つ上げるたり下げたらすることが可能。ただし1日の使用上限が決まっている。UP残り0/4・ DOWN残り2/4 ランクを上げると使用上限がUPする。
〈ランク操作〉を集中的に上げていけば一気にランク上げることができると俺は思ったのだ!ただ…明日使用回数がMAXになってなかったら意味がない。
「やることやったし夜ご飯までここで待機するか」
コンコン
「はーい!」
もしかして3人か?
「隆介様、お部屋に失礼してもよろしいでしょうか?」
扉の向こうから、可愛らしい声が聞こえたが、2人の声はしなかった。
様?3人じゃないならいったい誰なんだ?取り敢えず中に入れるか。
「どうぞ!」
「失礼します」
「えっ?」
入ってきたのはこの国のお姫様だった…。




