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第97話 夜勤明け

現実世界。


朝。


コンビニ裏口。


夜勤明けの佐伯 恒一が、小さく息を吐いた。


空は曇り。


少し眠い。


それでも。


今日は少し軽かった。


最近、変わったことがある。


“朝を迎えられた”感覚が少し戻った。


以前は違った。


夜が長かった。


怖かった。


最近は。


記録する。


名前を書く。


確認する。


それだけで少し違う。


スマホを見る。


掲示板通知。


『今日、駅少し静か』


『神社寄った』


『朝飯食えた』


小さい報告。


生活。


佐伯が缶コーヒーを開ける。


その時。


駐車場端が少し黒く揺れた。


沈黙。


“目”。


遠い。


薄い。


佐伯は小さくメモ帳を出す。


『夜勤明け』


『黒反応 小』


『距離 遠』


風。


“目”が揺れる。


数秒後。


消えた。


遠くで学生の声。


車の音。


朝は動いていた。


(次話へ)


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