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■ 第73話 「小さな封鎖地図」

ギリシャ世界。


沿岸管理室。


最近、新しく作られた部署だった。


目的は単純。


“危険区域管理”。


机の上には地図が並んでいる。


黒い印。


霧区域。


夢報告。


接触地点。


全部、小さい。


だが。


年々増えていた。


神兵達が地図へ印をつけていく。


「ここ、昨日より少し広がってます」


「こっちは逆に減少」


「神名石板追加後、安定確認」


以前なら。


こんな地味な作業は軽視されていた。


今は違う。


これが前線だった。


アテナが資料を見る。


静か。


最近は大戦より、こういう調整ばかり増えている。


その時。


若い神兵が地図を見る。


「……世界って、こんな細かく守るものだったんですね」


周囲が少し静かになる。


アテナは地図を見る。


黒い印。


小さい。


だが。


放置すれば広がる。


「崩壊は、一気には来ません」


小さい声。


「だから、小さい内に止め続けるんです」


神兵が頷く。


最近、皆が理解し始めていた。


これは“終末戦争”ではない。


“長期侵食”。


だから。


必要なのは。


派手な勝利ではなく。


毎日の維持だった。


――観測記録


観測層:第3層

対象:ギリシャ世界


状態:局地管理拡張段階


更新:

危険区域管理体制を確認


変化:

局地封鎖精度 向上


評価:

神話側維持能力 上昇中


補足:

侵食管理が日常業務化し始めている


追加記録:

局地安定区域 微増加


結論:

長期維持段階 継続中


(次話へ)


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