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■ 第61話 「北欧側の補給路」
北欧世界。
沿岸補給路。
最近、ここも重要地点になっていた。
以前なら、ただの物資運搬路。
今は違う。
“存在固定物資”が運ばれている。
石板。
記録板。
神名刻印。
簡易護符。
派手ではない。
だが。
前線維持に必要だった。
神兵達が荷車を押している。
空は灰色。
遠くの海は黒い。
それでも。
今日の侵食反応は弱かった。
神兵の一人が荷車を見る。
「昔なら笑ってましたよね、これ」
隣の神兵が苦笑する。
「石運んで戦争とか?」
「はい」
最近は誰も笑わない。
“忘れないための物資”。
それが現実に必要になっている。
その時。
前方の霧が少し揺れた。
全員が止まる。
沈黙。
隊長が手を上げる。
「固定確認」
神兵達が小声で確認を始める。
「北欧神話軍」
「沿岸補給隊」
「トール様」
空気が少し落ち着く。
霧の揺れも止まる。
数秒後。
何も起きない。
隊長が息を吐く。
「進め」
荷車が再び動き出す。
小さい。
地味。
それでも。
最近は、こういう“何も起きない”が重要だった。
――観測記録
観測層:第3層
対象:北欧世界
状態:補給維持段階
更新:
存在固定物資輸送を確認
変化:
補給路侵食反応 微低下
評価:
後方安定化進行中
補足:
固定物資が局地安定へ寄与している可能性あり
追加記録:
霧反応静止を確認
結論:
北欧側後方維持機能 継続中
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