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115/203

第115話 境界石の朝

ケルト世界。


森外縁。


朝。


霧。


湿った土。


神兵達が境界石を見ていた。


毎朝。


確認。


神名。


土地名。


森名。


読む。


忘れないため。


その時。


若い神兵の指が止まる。


石。


少しだけ。


欠けている。


昨日はなかった。


急ではない。


だが。


進んでいる。


老神兵が静かに言う。


「記録だ」


誰も慌てない。


紙へ書く。


『境界石欠損 微小』


『侵食疑い』


『維持可能』


森奥。


黒い狼。


今日は三匹。


以前より近い。


だが。


越えない。


見ている。


待っている。


試している。


神兵達が静かに祈る。


土地名。


神名。


森名。


風。


狼が少し下がる。


だが。


消えない。


老神兵が呟く。


「だから呼ぶ」


「毎日だ」


霧。


鳥の声。


森は今日も静かだった。


(次話へ)


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