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さっく・あうと  作者: 音色利揮
決着の日、九月一日
43/51

42話  ガードが硬い意味

「胴体はまだ柔らかい…腕が硬いだけなんじゃない!?」


 洸介は一つの仮説を立てた。攻撃を防ぐのはだいだい腕を使う、なのでたくさん防いでも壊れないように腕だけ硬くなっている、という説を考えた。

 そう思ったのなら腕以外を攻撃するしかない。ひたすら腕以外を狙った。

 思った通りだった。ロボットだから所詮動きは遅い、なので背中などのガラ空きなところを五人で叩きまくることができた。ボロボロにすることができて、希望を掴み取ることに成功した。


「このままだったら、頭も!」


 祥平はバットを振り上げたその時、ファーストは腕を前に出した。そして振り下ろされたバットが当たったのは腕だったのだ。

 何かおかしい。他のところは腕を使わないで守ってすらなかったのに、正面を狙うと腕を使い出す。このおかしな状況にいち早く気づいた仔美は少し考え始めた。


なんで…?何故か神堂のときだけしか腕を使ってない…バットを振り上げている隙に腕を前に出した…と言うことは……………………やってみないとわからないわ…!


「フン!」


 仔美は持っているバールを振り上げた。そしたらファーストは腕を前に突き出す。仔美はニヤリと笑った。次に後ろに回り込んで後ろから頭を狙った。そうするとファーストは腕を頭を守るように後ろに出した。


「わかったわ!頭を狙おうとすると防ごうとするわ!このロボット!!」


 仔美は色々試した結果、このような結論に至った。

 改造されたロボットは腕が硬くなっている。頭を狙うとその硬い腕で頭を守ろうとする。つまりは…


「急所は頭なのよ!人間と同じく脳みそがある!思考回路が頭にあるのよ!」

「なるほど!さすが仔美ちゃー!」

「頭を狙えばいいんだな?」


 仔美の発言を聞いていた他の四人はそれを受け止めて頭を徹底的に狙った。腕は二本しかないので五人から一斉に攻撃をされると防ぎきれない。二つの攻撃は防いだが、三つの攻撃は頭にクリーンヒットした。

 頭が激しくへこみ、もうすぐ壊れそうな勢いだった。洸介は少し考えて、次の攻撃で狙う場所を決めた。


「次、俺のバールで頭の表面を取る。目のところから引っ掛ける」

「分かった、四人で後ろから攻撃すればいい?」

「助かる」


 この話をすぐに理解した和貴は声に出して周りに伝える。そして洸介以外は後ろに回り込んで一斉に武器を振り上げた。

 首が動かないのを初日から見ていた洸介は首が回らないことを知っていたので、正面から殴ることができた。目の部分にある穴にバールの曲がっている部分を突っ込み、釣りのように引っ掛けた。洸介は思いっきり引っ張る。全体重をかけていると、次第にミキミキと繋がっている首の部分が取れる音がした。

 追い打ちをかけるようにもう一回全力で引っ張ってみた。


バキッ


「よし!」

「ナイスこーちゃん!!」


 頭の部分が綺麗にとれた。首から完全に離されて、もう動かないようだった。


「頭取ったぞ」

「将軍じゃないんだから」


 ロボット一体に勝てたこの嬉しみを忘れないように、今は精いっぱい喜んだ。

 その時冷静に祥平は頭の部分を見ていた。


「どうしたのジンドー」

「いや、この部分さ」


 祥平は指を刺した。頭の右目と左目の間の部分だ。表面の鉄がはがれた今なら見える。何かさせる穴があった。


「この形…」


 洸介はそれを見ると、おもむろにポケットからUSBメモリを取り出した。そしてその穴に挿入したらピッタリ入った。


「なるほど…目の間か」

「次から狙うは目の間ね」


 たったいま、ロボットを壊すときに決められたことが存在した。

 五人は目の間にフラッシュメモリが入っていることを忘れないようにした。

 現在時刻は一時十三分。午前六時までのこりあと四時間四十七分。

06:47:34

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