41話 絶対 粉砕 破壊
暗い廊下、聞こえる音は今のところ五人の足音のみだ。機械音はまだ聞こえていない。校舎が広いので遭遇することはあまりないのかもしれない。
だが、今はいち早く遭遇しないと学校が消える。「阻止は絶対 悪を粉砕 見えた敵は全て破壊」、この言葉を頭の中でずっと曲のように流していた。
「なかなかいないな」
「普段だったらもう見つかってるのに」
五人は何か違和感を覚えた。普段だったら速攻見つかっているこの状況、もうすぐ一時間が経つというのに全然気配がない。
何かがおかしいと思ってしまうのも仕方がない。だって視界に入ってないのだもの、まだ。
しばらくすると振動が聞こえてきた。ドスドスと歩いていると天井がミシミシと鳴っている。上にいるのを確信して五人は顔を合わせてコクリと首を縦に振る。そして階段で一つ上の階に上がった。
「どこらへんだっけ」
「もう少し進んだところ」
さっき感じた振動は何処かを探していく。廊下を進み教室をチラっと覗いてみるがロボットらしき影は見当たらない。
何処に行ったのかとても気になるのでまた前に進んでいく。やはり気のせいだったのかと思うくらい静かだ。
「俺ら、感覚が敏感になりすぎたのか?」
「私たち全員感じたのに?やっぱりいるのよ何処かには」
洸介は本当に感じたのかと自分の感覚を疑うが。仔美は全員が感じたといい間違ってはないことを教える。洸介は何かを考えているように俯いた。
またしばらく歩くと、教室の方から机が動いたような音が聞こえた。気づいた祥平はすぐに走ってその教室のドアを開けた。
いたのはファーストだった。祥平は視界にファーストを入れるや否や、背負っていたカバンから金属バットを取り出した。あとから入って来た四人もカバンからそれぞれ武器を取り出す。
「やるぞ」
祥平は一番に攻撃を仕掛けた。バットを高く振り上げた後、勢いをつけてファーストに向けて振り下ろした。
カキン
金属の音が教室に響き渡る。祥平は驚いた顔をした。
「……………え?」
見てみると、ファーストは左腕を前に出して祥平のバットを受け止めていた。昨日とは明らかに違う反応を見せられて、思わず混乱してしまう。
しかも凹む予定だった機体もあまり変化はなかった。
ファーストは腕を使って祥平を引き離した。祥平はバランスを崩して転んでしまう。洸介は祥平を庇うように前に立った。
「こーちゃん気をつけて!硬くなってる!」
「わかった」
洸介はバールを構えている。手から汗が出て滑りそうだ。
まずい…強化されたのか…
予想外の事態に緊張してしまう。
ファーストは固まったまま動かない。こちらが仕掛けたら反撃をする感じなのか、前まで追いかけたのにここまで改造をされている。勝ち目がなくなってしまった。
こっからどうする。素直に挑んだら確実に無理だ。どうすればいいんだ…
洸介は考える、がしかしなにも思いつかない。
もうどうにでもなれ…!
「おりゃァ!」
洸介はバールを思いっきりフルスイングした。そしたら胴体部分にヒットした。さっき出来なかった凹みも出来ている。少しの希望を感じることができた。
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