39話 決着の日、開始
「それと同じように青も、下の月の部分がおかしい。右下ではなく左下にはねがある」
いつもなら絶対スルーしていた祥平が気づいている。友達の危険を知ってから本気を出してしまったのだ。冷静に解説をして洸介を納得させようとしている。
「こーちゃん、二つのメモリ出して」
「わかった」
洸介はポケットからUSBメモリとメモリーカードを取り出した。
「はい」
「…やっぱり」
「何がだ」
「数字が。昨日送った写真を見たよ。その時感じたんだ」
…何か感じるものでもあったか?
「何を?」
「色だよ色」
洸介は頭に ? を浮かべた。まじで何を言っているかわならなくて理解が追いつかない。
「このUSBは赤色、このSDカードは青色。残ったメモリは緑と黒だと思うんだ」
「……………なるほど、ようやく話が見えてきた」
洸介は祥平の言葉で理解ができた。何を言いたいのかが見えてきた。
「このUSBは最初の日、ファーストしかいなかった日に落ちていた。つまりはファーストから出てきたもの」
「そう考えると……………このSDカードは?」
「これは多分目の色だと思う。完全に僕の予想だけど」
祥平の言い分はこうだ。それぞれのフラッシュメモリの色はロボットの目の色と同じだということ。つまり目が赤色のファーストは赤色のUSBメモリだ、青色のSDカードはトールから出てきたものだということだ。
「だが、SDカードはトールがいないころに見つけただろ?」
「誰もいないとは言ってない。可能性はある」
祥平の目つきは変わらず鋭い。口調も変わってきている。これほどの祥平を洸介は見たことがなかった。
「つまり、残るはノイズとインターってわけか」
「うん」
「一回メッセージで話してみよう」
「「「「「……………」」」」」
全員、誰一人と口を開かずに校門の前にやってきた。八時間ぶっちぎりでもいいように制服に着替えている。そして教科書の入ったカバンを背負っていた。
「僕の予測がもし当たっていたら、今日九月一日の午前八時には間に合う」
「信じない人なんていない。絶対間に合わせるわよ」
祥平と仔美からの言葉を受け取り、覚悟を決めた五人。校門から入り、職員室へ向かう。最後の窓から侵入、これほど緊張することはない。心臓がバクバクする。
思えば一週間前からの出来事だ。こんなことに巻き込まれるなんて思ってもいなかった。学校爆破なんて知らなかった。知りたくもなかった。
「もう、後戻りはできない」
「ここに入った以上、やり直しはできない。死ぬなら全員でね」
「誰が死ぬか」
カチカチと時計の針の音が鳴る。
九月一日、決着の日、開始。
08:00:00




