表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さっく・あうと  作者: 音色利揮
三日目
20/51

19話  観察力、洞察力

「なんであんなこと思いついたんだ?しょーちゃん」

「いや、元々はどっかの映画で見たことある回避の仕方だったんだけど…やっぱりノイズは走るとき股が結構開くからね」

「ほんっと、しょーちゃん観察大好きだよねー。悪いクセだよ悪いクセ」


 ノイズとインターから逃げてきた洸介と祥平の二人は、遠く離れた教室に隠れていた。だが油断はできない、まだファーストやトールがいる可能性がある。決して油断はできない状況だ。

 洸介は不思議に思っていたことがある。それはなぜ祥平はあんな策を思いついたのかだ。結論から言うと、咄嗟とっさに思い出した映画で似たようなシーンがあったからだ。挟まれて絶体絶命なときに相手の股下をくぐるという結構リスキーな行動をやろうと思ったのは頭のネジを外したのかと思ったが。

 そして、祥平には少し得意なことがあったのだ。それは観察だ。植物や人間を含めた動くもの、何かと気になるものを観察してしまう悪い癖があった。

 今回はそれが役に立っているが、普段だったらノイズのように歩き方や何かの仕草を観察されているというはたから見たド変態行為だ。みんなも気を付けよう。


「まあまあ落ち着いて?」

「……まあいいか」


 祥平が言う通り落ち着いた洸介は一言ボソッとそういった。




「………………なに…さっきの音は……」 


 場所は変わって一階。ここの担当は仔美と円得だ。仔美は上から聞こえた大きな音にびっくりした。

 仔美は疲れた表情で腕時計を見つめる。短針は3より少し下に傾いていた。


もうこんな時刻なのか…………でも何も出てこない…ここまで完璧だと怖いわ…


「仔美ちゃーこっち来て」

「その呼び方やめて。せめて"ん"までつけて」


珍しい…まどえから私を呼んだ…この真剣なときの場合、確率は千分の一、まだピンゾロの方が確率的には高いのに……………


 円得はこの日珍しく真剣に証拠を探し回った。あの円得が、と仔美が言わんばかりの働きっぷりだ。

 そんな円得が仔美を呼んだ。いったいなんだろうと仔美は円得の方に近づく。


「ちょっとついてきて」


 仔美は円得に言われた通り円得についていった。どこかのドアを開ける、ここは校長室だ。こんなところに何があるというのか。はたまた校長が例の計画を考えているのか、それは仔美と円得にはわからなかった。


「これ…」

「あ…あ……………………あ」


 あまりの衝撃に仔美は「あ」しか言えなかった。

 仔美と円得が見た光景はこの学校の校長室、しかしただの校長室ではなかった。壁はペンキで落書きされており、棚や机が倒れて滅茶苦茶な状況だったのだ。


「誰がこんなことを…」

「まあ犯人なんだろうね…ロボットやら爆破計画やら…」


 二人は校長室の中に入って少し歩き回る。


「あれ、壁の落書きさ…なんか文字に見える気がする」


 仔美はこの悲惨な壁を数秒(にら)んで思ったことがある。それは何かの文字に見えることだ。円得はまだ気づいていなかったようだが、仔美は見逃さなかった。


なにこれ…黒いペンキかもだから見にくいな…懐中電灯はどこだっけ…


「まどえ、懐中電灯貸して」

「え、いいけど…」

「ありがと」


 仔美は運悪く懐中電灯をどこにやったかを忘れてしまったので、円得から借りることにした。

 スイッチを入れて壁を照らしてみる。すると仔美の思う通り黒いペンキで汚い字で何かが書いてあった。


字汚ッ!…えっとぉ?「p」?なんでデジタルなの…?


 仔美が見たのは黒いペンキで書かれていた「p」の文字。しかもただの「p」ではなく、デジタル時計でよくある『デジタルフォント』というもので書かれていた。一体何故デジタルフォントで書いたのか、そしてなんでここの壁に書いたのか。

 謎は深まるばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ