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さっく・あうと  作者: 音色利揮
二日目
15/51

14話  紙の裏

 廊下や階段を走って逃げて、教室を使いながらうまくロボットをかわして。

 逃げる時にいつも二人は思うことがある。なんでこんなに広いのかと。あまりにも広すぎて草超えて森超えてジャングル超えて自然界。


「…ねえ栖春」

「なんだ」

「もう来てない」

「…本当だ……」


 逃げて何分経ったかはわからないが、何とかファーストはいたそうだ。疲れ切った二人は床に尻もちを付いた。息をハァハァと切らしながらその息を整えようとした。

 今は廊下の真ん中。教室は近くにあるが疲れていてそこに行くまでの体力を無駄に消費をしたくないので、しょうがなく廊下で休んでいた。真ん中なので、両端から来てもある程度距離はあるから逃げ切れる。


「ねえ、さっきの紙の裏見せてよ」

「え?ああ、これか」


 手に持っていた紙の存在を栖春は忘れていた。走っていることに夢中になった後、息を整えることに夢中になったのでしょうがない。

 早速紙の裏を見て見た。暗すぎてやっぱり見えない。懐中電灯を照らした。するととんでもないことが書かれていた。


「…学校爆破計画……………………!!!???」

「すんごいこと考えるねぇ…」


 なんと一番上に大きく汚い字で書かれていた文字は「学校爆破計画」であった。表に書かれていたことといい、この人はとんでもないことを書くなぁと二人は思ってしまった。

 タイトルからもう内容が気になるので、目線を下にずらした。


「学校が始まる9月1日朝の08:00に爆破する………」

「……………………なんだか、誰かが気づく前提で書いているみたいだなぁ…」

「怖いんだけど…」


 落書きとは思えないほど筆圧が濃いことも含めて、これは本気でやばいやつだと確信した二人はすぐに洸介と祥平と民都のところへ行こうと決意した。


「あいつらに知らせないとな」

「そうだね」


 なるべく音を立てないように歩き、懐中電灯を照らしながら廊下を歩いた。現在地がどこかは知らないが、どうせどこかで会えるしと思いただひたすら学校内を回った。

 数十分経ったが、なかなか見つからない。この調子だと四時くらいまでは見つからなそうな予感がする。何故だろう、一向に見つかる気配がない。


「もうやだぁ…心臓に悪い…………」

「そんなこと言うなよ。俺にその気持ちが移ったらもう終わるぞ」


 二人は結構限界まで近づいてきている。肉体的にも精神的にも疲れが溜まっている。

 窓から見える月や星がキラキラと光っている。いい事の前兆なのか、それとも悪いことの前兆なのか。


ほんとにどこいるんだ?あいつら…無事だといいんだが…


「そこのお前」


 目の前から声が聞こえた。聞こえた瞬間ありえないくらい嬉しがりたがったのだが、栖春はできなかった。和貴もできなかった。

 聞こえたのは女の声だったからだ。


「この深夜にここで何している」

「…肝試し?」

「…って、スバルとメーティー……………本当に何してんの…」


 目の前の女の人は誰かわからなかった。二人いることは確かなのだがあまり顔が見えない。声は聞いたことがあるのだが顔が思い浮かばない。栖春は頑張って思い出そうとすると、和貴は女の人を懐中電灯で照らした。


「うわっ!」  「ひゃっ!」

「おい和貴!それは失礼だろ!!」

「誰かわからなかったから」


 女の人二人はびっくりしてこえをあげながら両腕で目元を隠した。和貴のあまりの行動に栖春は懐中電灯を取り上げた。


「…私よ。霧岡仔美(きりおかこみ)。同じクラスでしょ?声くらい覚えなさいよ」

「あと五月雨円得(さみだれまどえ)ねー」

「あー霧岡と五月雨か……………すまん、声だけじゃわからなかった」


 女の人の正体はなんと同じ2-Dのクラスメイトである仔美と円得であった。彼女たちは男気が強く、こういう怖い系のものはあまり驚かないし怖がらないタイプの人だ。


「…俺も聞くけど、なんで霧岡と五月雨がここにいるの?」


 自分たちは人のことを言えないし質問できる立場ではないが、仔美と円得がいる理由が気になるからだ。


「夏休みの間、実は学校の爆破の準備が進められていたの」

「それで、始業式の日の九月一日に生徒を巻き込む爆発をするらしいの」

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