11話 会長の臨時参戦
「なんでミント会長が…どうしてここに!?」
「君たちのこと、だいぶ噂が広がっていたからさ。少し心配になって」
この高校の生徒会長である民都が何故か今、この学校の校舎内にいた。現在時刻は零時三十分、四人が思うのも何だが、生徒がいるのはおかしい時間だ。何故ここにいるか四人は気になってしょうがなくなった。
どうやら民都は、四人がこの夜の学校に行くことを誰かが広めたらしく、それが学校全体、先生も含めた全員がそのことを知ってしまったらしい。なんてこった。
「だから、念のため…ね」
「心配で来てもらうことはありがたい…………………が」
「この学校の夜はおかしい」
「…おかしい?」
民都は不思議そうに四人に聞いた。民都の様子を見ると知らないらしい。
「夜になると、ロボットが出る」
「…ロボッ…ト?」
やはり民都は知らないらしい、四人はそう思った。なので今までの経緯を全て言うことにした。廊下を歩きながら祥平を軸に、今まであったことを覚えている範囲でなるべく細かく伝えた。すると民都はとても驚いた顔をした。
「へえ…………………そんなことが…嘘であったほしいな」
「だから、そのロボットが出てきた…………ら…………………
民都を合わせた五人は洸介の言葉を耳に入れると同時に他の音も拾った。機械みたいにガチャガチャと、床が軋むみたいにミシミシと…経験者の四人はすぐに察した。"あのロボットだ"と。
長い廊下の奥には緑色の光があった。二つ光っていたそれはだいたいこの中で一番背が高い民都の目線より高い位置にある。色はこの間見たものとは違うのだが、確実に同類であることは間違いない。
「逃げろ!」
洸介の発言で四人は一気に逆側に走り出した。民都は状況を把握した後、少し経って洸介たちを追いかけた。
「…………ニンゲン ノ ハッケン ホカク ヲ シッコウ スル」
洸介は走りながら後ろを振り返り、懐中電灯を当てる。体は朱色で炎の模様が所々にある。この特徴はあのUSBメモリに入っていた四つの内の一つである。
「あいつはノイズだ、やたらと五月蝿いやつ!」
「ここでまあまあ厄介なやつかよ…」
洸介の言葉に栖春はだいぶガッカリした。五月蝿いものがまあまあ苦手な栖春はこのロボットが特に苦手だった。昼に送られてきたデータを一通り見たときから嫌な顔をしていたくらいだ。
そろそろ行き止まりまで来てしまうが、どうするか迷ってしまう。あとあるのは教室のドアのみ。そのドアで撒けるかはわからないが試す価値はある。
洸介は先陣を切ってドアを開けた。
「みんな入れ!ここでどうにかして撒くぞ!」
後から四人は教室に入ってきた。ドアを閉めて少し作戦を考える五人、ここでうまく逃げきれなければ何があるのかがわからない。一生懸命考えた。
「どうする、そろそろ来るぞ…」
「教室のドアは前と後ろの二つ…とりあえず今は前のドアから逃げるしかない」
和貴の名案によってひとまず落ち着くことができると思っていたが、その瞬間ドアが勢いよく開いた。祥平は懐中電灯を照らした。いたのは、体が朱色で目が緑色、顔の左頬には切り傷があるロボット、ノイズだった。
発見次第前のドアから五人は出ていき、うまく逃げることができたようだ。
だがロボットの諦めも悪く、ドアを開け教室から出てきた後に追いかけてきた。
「なんなんだよあいつ…!目的がわからん!」
「…こんなことが起きていたのか…この学校の夜は………生徒会会長として不甲斐ない…」
「ミント会長はは悪くないさ!責任は学校側にある!」
走っているともうすぐ分かれ道である階段にたどり着く。急いで階段まで行って分散する作戦だ。
「とりあえず、ここで一旦お別れだ」
「六時まで全員耐えるぞ」
現在時刻は零時三十七分、午前六時まではあとのこり五時間二十三分。




