第7話 ロディとサラと少年の家
別行動となったロディとサラは、しばらく歩いて、低い囲いのある大きな建物に入る。
「ここが養育施設?」
そう問うサラにロディは「そうだよ」
建物に入って数人の男子とすれ違う。何人かはロディに声をかけたが、隣に居るサラに疑問を感じる様子は無かった。
そのうち、二人の少年と一緒に歩く女の子を見かける。
彼女を見てサラは「あの子もここの住人?」
ロディは「そうだよ。彼女は父親が手を出した訳じゃ無いんだけど、父親が育児疲れで手放したり、父親から離れたがってここでの生活を希望する子も居るんだよ」
やがてロディは一つのドアを開けて「ここが俺の部屋だよ」と言って彼女を招き入れた。
簡素なベッドと机と衣装ケース。机の上には情報端末がある。
サラをベットに座らせ、小さな冷蔵庫から飲み物を出して彼女に勧めた。
飲み物を飲みながら、サラはしばらく黙り込んだ。そして飲み終わると、言った。
「ねぇ、ロディは女の子の体がどうなっているか、知ってるんだよね?」
「まあね」
そう答えるロディに、サラは言った。
「不公平だ。私、男の子の体のこと、何も知らない」
「えっと・・・」と戸惑いを隠せないロディ。
サラは「あのバイブって、男の人のものの形を真似てるんだよね?」
「そうだね」とロディ。
「見せてよ」
そうサラに言われて「えっと・・・」と、更に戸惑うロディ。
そんなロディを見て、サラは悲しそうに目を伏せて言った。
「こんな事を言う私のこと、軽蔑した?」
ロディは慌てて言う。
「しないよ。だって俺だって同じだもの。自分が興味のある事を目の前の異性もそうだから軽蔑するって、おかしいだろ?」
「・・・」
「そうだ。もっとよく解るのがあるよ」
ロディは思いついたようにそう言うと、情報端末を操作し、映像データを起動する。
それを見てサラは唖然。全裸で愛し合う男女の映像だ。
食い入るように見るサラ。頬が紅潮し、息が荒くなる。
それに耐えきれなくなったサラは「もういい。止めて」と叫んで、ロディに抱き付いてその口を塞いだ。
嵐のような時が過ぎ、やがて全裸のままロディから離れると、サラは言った。
「やっぱり軽蔑するよね?」
「だから・・・」
そう言葉を濁すロディに、サラは「だってこんなの、ケダモノだよ」
ロディの表情から戸惑いが消え、そして彼は毅然とした声で言った。
「それは本能だから? けど、サラにそう思わせてるのは性嫌悪でしょ? それだって本能だよ」
「そうなのかな?」とサラ。
ロディは「サラは男の居ない、男に対する警戒心で出来た星で育ったんだから、男を嫌悪するのは仕方ないのかも知れない。けど、サラがサラ自身の性欲を嫌悪するとか、そういう痛々しいのは見たくない」
「ロディは優しいね」
そう言ってサラはロディに身を寄せると、甘えた声で言った。
「今日、ここに泊まっても、いい?」
「いいよ」
そうロディが言うと、サラはアンナに連絡をとった。