73.自作品のリメイクをする
こんにちは、お久しぶりに飛び出てじゃじゃじゃじゃん。
ふとんねこです。
暑いね、と思ったら寒い。最悪の気候です。
本日はふとんの最近のちょっとした気付きをシェア。
題して『自作品のリメイクをする』です。
最近は複数の投稿サイトを並行使用するのが当たり前の時代ですね~。
では早速。
ふとん、現在じわじわ手元で新作を執筆しているだけでなく、カクヨムで『銀星と黒翼』のリメイク作業を行っています。
いつか投稿できる日を夢見て……
ショタコン転載時に思ったんですが、元々ある文章をコピペして改稿しようとすると「難しい」んですよね。何だろう……一応の完成形だから、どうやって見た目を変えようか困る感覚。
そこで今回のリメイク作業は「コピペ禁止」にして始めてみました。
すると…………
「新たな気持ちで一から執筆、これぞ本物のリメイク!」
って感じの出来栄えに。
本当に最初っから書き直しています。
そして今まで繰り返してきた書き直しリメイクよりも上を行こうと考え、大筋は変えずにいますが情報を出す順番やキャラクターの台詞、行動をしっかり変更しております。
完結まで書いて深まったキャラクターへの解釈で1話から書くって、結構新しい気づきがありますねぇと思った次第。
今リメイクしている『銀星と黒翼』ですが、まあ1話を現在の頭で読むと「拙ぇ~!」って感じがしましてねぇ……自分が進化している証拠なので嬉しくはありますが……
主人公二人の出会いをかなり刺激的に改造してみました。『銀星』は、やはりウェブ小説にするには1話の吸引力が弱いと自覚していましたので。
また、自分の“癖”である容姿・服装の描写を簡素にしました。これは書籍化作品などから得た学びかなぁ。最低限の情報が伝わればよくて、あまりくどいのはいかん、と。
あと文字数!! いつも3000文字を基本だと思って暮らしてきましたが、大体2000文字程度になるように絞ったり区切りをつけたり引きを作ったりしています。
お陰でリメイク前では3話の地点に、リメイク後は6話でやっと到達するスピード感ですね。これ完結までできたら単純計算で2倍ってこと……??
あっ、あとね、サブタイトルも変更していますよ!
現行の1話は「月夜の出会い」ですが、それを「月夜に訪れた破壊者」に。現行も嫌いじゃないんですがどうしてもウェブ小説だ、と考えると格好良さ(厨二力とも言う)に欠ける気がして……
カクヨム特有の機能でふとんが気に入っている「キャッチコピー」は『剣と魔法のファンタジー×ブロマンス!ライトで王道、行きて帰りし物語!』にしてみました。
最初から、王道ファンタジー推し読者や、ブロマンス推しの読者へアピールしていくことに。
結果、完成したリメイク版1話「月夜に訪れた破壊者」の冒頭が以下の感じ。
~~~
黒い剣先が月光を照り返して艶めく。
「――お前には利用価値がありそうだ」
黒翼の青年が、濃藍の目を細めて笑った。
――――――
精霊の国ユグラカノーネが抱く世界樹ユグドラシルは火の枝、守り手たる枝守の住まう火枝宮。その床に衛兵の血が飛び散ったのは、ある静かな月夜のことだった。
窓から注ぐ薄青い月明かりは、今絶命したばかりの衛兵の亡骸と、その傍らに佇む青年を冴え冴えと照らしていた。
彼の白い頬には赤い返り血。手にした黒鉄の剣も同じ赤に濡れている。
物言わぬ死体に興味はないとばかりにすぐさま周囲に向けられた目は、月の光で青に、藍に、濃紫にと美しく色を変えた。まるで夜空のような色だった。
付近に他の気配はないと悟り、青年は短く息を吐いて身を翻した。高い位置で一つに結った黒髪がさらりと揺れる。
(どこだ、火の枝守イルジラータ……)
胸の内を焦がす激情に、彼の背に生えた漆黒の双翼が震えた。大ぶりの風切り羽が擦れ合ってさやさやと音を立てる。その音が、少しだけ彼の心を鎮めた。
(俺にお前の炎をよこせ、あいつを焼き尽くす炎を……!)
夜闇すら焼き焦がすような怨念を抱え、ユグラカノーネへとやってきた彼の名はシヴァ。怨敵を討ち滅ぼすため、枝守の権能を求めて火枝宮へと乗り込んできた黒翼の復讐者だった。
~~~
以上!!
ちなみにこの後ウルのいる石牢にシヴァさんはダイレクトエントリーかましてきます。窓から入り込んでくるより刺激的でしょ。
……結構変えていると思いませんか?
既存の読者さんなら分かるかなぁ、と思うのですが、これ、基礎にあるふとんの文章の“癖”は変わっていないのが伝わるかなと。好きなリズム感とか単語選びとか描写を集中させるところとか。
創作って日々四苦八苦の精進積み重ね。ふとんも頑張ってます。
売れる要素に擦り寄っているわけではありません。
読まれるための努力を重ねているのです。
でもそれは自分の「好き」を殺すことではありません。
たとえ性癖である容姿描写を削ろうと、単語のセレクトを少しライトに寄せようと、基軸にある私の「好き」は変えません。
だからこれは「書籍化するための努力」ではなく「より読みやすくして読まれるための努力」なんですよ。
だってね……どれだけ変更しようと、タイトルは絶対このままなの。
この物語を、自分の「好き」を殺してリメイクするなら、まず変えなきゃなのがこの短くシンプルなタイトルですもん。
でも変えない。これはこだわりです。
そういうわけでまとめ!
自作品をリメイクする際に、がっつり書き換えたいなら「コピペ禁止」が大事。
自分の「好き」と読みやすさが両立できると素敵。
でも譲れないところは死守しちゃう、それもまた大切な気持ちだと思います。
そういうお話でした。
それではまた、次回の思い付きで!
あでゅー!!