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能舞台

 隣の神様はツキヨミの名前を聞いた途端、おくに逃げ込んでしまいました。神様の名前はウケモチノカミ様、むかし昔ツキヨミ様に苛められた記憶があるのです。でも古事記には書いてありません。


 芸術学園は世界的に有名になりました。おかげで隣の神様の収入が増えました。露店が列を成し、元締めが収入の一部を持って来ました。賽銭も二つに増やしました。神主様はウケモチノカミ様に報告をしましたが、嬉しがるどころか、震え上がって逃げ出そうとしました。ウケモチノカミ神社の参道は露店や、おみやげ屋で連なり、観光雑誌で紹介され、またまた観光客が増えました。


 国から芸術学園に援助金が支給される事になりました。

 かおり校長がツキヨミ理事に報告ついでに神官が来たことを知らせます「先ほど、隣の神社の神官が見えて、能舞台を新設する事になったようです、巫女舞のできる学園の学生をアルバイトとして多数雇いたいそうです、あと剣舞も見せたいそうです」ツキヨミはやる気満々に、私が立候補しますと、挙手した。


 能舞台のお披露目の日、巫女姿のツキヨミが先頭にたって20名の巫女を従えます。ウケモチノカミ様が神前よりお出ましになり、厳かに舞台の中央に立ちます、どうしたのでしょう、ツキヨミをみるなり、震え上がりました、ツキヨミがとっさに機転をきかせてウケモチノカミ様の周りに光の壁を作ります。七色の荘厳な光がウケモチノカミ様の神通力によって出現したように人々は思えました。「しっかりしろ、ウケモチノカミ、私に恥をかかせたら、また昔のように苛めてやる」ツキヨミの神威の前にウケモチノカミは立ち直り、儀式は厳かに続きます、ツキヨミの巫女舞のすばらしさよ、剣舞の見事さよ、それはウケモチノカミ様の神通力と双璧をなします。さすが芸術学園の理事と、関係者は皆思いました。



  これを機会に、ツキヨミはウケモチノカミと仲良くなりました。いったい過去に何があったのでしょう。日本書紀を見てください。


 神官とウケモチノカミが話しています。これから我が神社の行事はすべて、芸術学園を通すようにしましょう。企画運営から話を通してください。

 芸術学園が企画運営を担当するようになってから、神社の評判はぐんぐん、上昇しています。必ずツキヨミの舞が企画に入ります。ツキヨミの神通力はすべてウケモチノカミが起こした奇跡とされました。どんどん企画が派手になってきました。


 ツキヨミは団体客を呼込めないかと考えました。HOTELを造ればいい、早速、城主の所にいって、芸術学園に建築学科の増設を願い出ました。企画、見積、平面図、立面図、パース図面、工程表を学園のかおり校長と共に練り上げました。城主にはアポを取っていましたから、すぐに会えました。


 「これは学園の建築科の増設のみを目的にした物ではありません、ウケモチノカミ神社を中心とした観光都市につなげたいと思います。宿泊設備や交通を整えれば、城下に巨額のお金が入ってきます」ツキヨミは熱く語る。


 さらに海外からの団体客を呼込むため、湾岸設備の整備、造船。ここで、かおり校長は美しい帆船のパースを取出す、これは当学園に造船の技術があることをしめすため、書いたものです。さらに神社を中心とした街の予定パース、港の整備予定パースを見せる。


 「しかし、いっきにここまで計画しているわけではありません。まず建築科を作り、技術者を育てなくってはなりません」二人の熱い思いに城主は動かされた。「最後に建築科の増設から始まり湾岸設備の整備、さらに学園の造船科の増設、大型船舶の建設までのプランに段階的にかかるお金と、段階ごとの収入の対比です」


 巨大なプロジェクトになるな、城主はしばし沈黙をする。



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