~瑠依の秘密~ 空白の時間
本当にすみません。確実なる自己満足です!!このお話は瑠依がどうやって時空間転移魔法をかけられながらも助かったのかというところの謎ときになります。
雨が奏でる音色に目が覚める。寝不足の頭を無理やり起こし壁に寄りかかる。
「今日は雨じゃったか」
大粒の雨が窓を打ち付ける。雨は嫌いではない。ただ昔の思い出が蘇る。
「ルイ様? いかがいたしました?」
小さいノックの後入って来たフィニが心配そうに瑠依に近づく。瑠依は窓から一瞬だけ目をフィニに向けまた窓に視線を戻す。
「いや、何。あの頃のことを思い出していただけじゃ」
「そうでしたか……」
その言葉に納得したフィニは瑠依とともに窓から降りしきる雨を見る。
「フィニ。私はもう一度だけあの頃に、あの人に会いたい……」
壁にもたれたまま瑠依は目を瞑り、思い出す。それは、儚くも短いあのひと時を。
その日、男は庭先から聞こえる物音に、訝し気な顔をしながら重い腰を上げる。いったい何事かと庭先に出ると、なんとも言えない光景が飛び込んでくる。
「青龍、それは?」
柱にもたれながら男は自分の式に問いかける。雨の中、庭先にいるのは自分の式とその足元に転がる人なるもの。転がっているのは女だろう。だが、身にまとっている物は見たこともない衣に纏われていた。
「さあな。物音がして来たら落ちていた。どうする?捨てるか?」
「待て待て。そう簡単に決めるな」
男は小さくため息をつきながら一歩足を踏み出す。その瞬間、女の周りに赤い光が纏い何かが顕現する。
「っ!!……ハァハァハァ。この方に近づくことはこの私が許しません!!」
青い顔をしながらも、赤い双眸をギラつかせ、近づくものならば攻撃すると言わんばかりに女を守るもの。
「式か?」
足を止め男は顕現した者を見る。その身に纏う人ならぬものの気に目を細める。
「そのままでは風邪を引く。青龍、案内を」
「いいのか?」
「何、ちょっとした気まぐれだよ」
面白いものを見るかのような目に青龍は悪い癖だとため息をつく。そして、式らしきものに目で中へと合図する。始めはためらっていた式も雨に濡れる女の様子に唇を噛みしめ、女を抱えあげる。
「あなたの名は?」
未だ警戒心を解かない式に男は笑みをこぼし口を開く。
「安倍晴明」
本当に申し訳ありません!なんで、こういう話!?と思われるかと思います!けど、お暇ならお付き合いお願いいたします。